【NO.119】AIは心を持つことが出来るか? そもそも人間は心を持っているのか?

ほとんどの人が疑うことなく
「わたしには心がある。」
どこにあるかは知らんけど、確かにある。
そう感じてると思います。

心が和む、心が痛む、心踊る、心此処にあらず、心のケアなど
日常的に使う言葉で、当たり前だと思っている「心」

しかし、心という概念を正確に説明できる人は少なく
多くの人が心とは何かという問いについて深く考えたことがないのではないでしょうか?

近年のAI技術の発展で、当たり前のように感じている「心」というものが最注目されています。

AIは心を持つことが出来るか?
AIに心を持たせるべきではないのか?
そもそも人間には本当に心というものが存在するのか?

今回は「心」について皆様と一緒に考えて行きたいと思います。

心とは、とても多義的で抽象的な概念になります。
身体の中に宿るものとして魂と同様に信じ続けられていますが、未だ存在を確認されたことは一度もありません。

心を読み解いて行くには、哲学的な概念、宗教的な概念、脳科学的な概念、心理学的な概念の多方面から考察していく必要がります。

心の探索の歴史は古く、古代中国では心は心臓にあると考えられていました。

心はどこにある?と聞かれて
胸を指す人は多いと思います。
日本と中国では心臓に「心」という漢字が使われているので、心=胸(心臓)と連想するのが一番一般的ではないでしょうか?

哲学的な概念
哲学では、一元論派と二元論派で分かれます。

一元論とは
宇宙や存在は基本的に一つの本質や原理によって構成されているという考え方です。
この観点からは、すべての物質、精神、現象は根本的には同じものから生じていると考えます。

例えるなら、すべてのものが最終的には「エネルギー」であるとか、「意識」が宇宙の基本的な要素であるという考えが一元論になります。

紀元前5世紀の古代ギリシアの哲学者パルメニデスや、17世紀のオランダの哲学者スピノザなどが唱えた説とされています。

二元論とは
宇宙や存在は二つの根本的に異なる原理や本質によって構成されているという考え方です。これら二つの原理は相互に独立しており、しばしば対立する性質を持っています。

例えるなら、正義と悪、光と闇といった考えが二元論になります。

紀元前4世紀の古代ギリシアの哲学者プラトン(ソクラテスの弟子)や、同時期の西洋最大の哲学者の一人とされるアリストテレス(プラトンの弟子)や、16世紀のフランスの哲学者ルネ・デカルトなどが唱えた説とされています。

しかし、これでは心はどこにあるかという答えにはなっていません。
二元論派のプラトンは心は頭の中にあると述べましたが、弟子であるアリストテレスは、心は心臓にあるといい、同じく二元論派のデカルトは、心は心で物質は物質と個別の存在としました。しかもデカルトは魂の存在を公言した人物でもあります。

宗教的な概念
宗教的な概念は、宗教や宗派によって様々ですが、有名なところで仏教の天台宗の十界(じっかい)を紹介します。

人間の心の全ての境地を分類したのが次の十分類を十界といいます。

地獄界 – 極度の苦しみや絶望を表します。
餓鬼界 – 欲望による満たされない飢えや渇望を意味します。
畜生界 – 無知や盲目的な行動を象徴します。
修羅界 – 争いや競争、嫉妬を表します。
人間界 – 平穏と苦しみのバランスが取れており、悟りを得る機会がある状態です。
天界  – 快楽や幸福を享受しているが、永続的ではない一時的な状態です。
声聞界 – 仏教の教えに従い、自己の悟りを目指す修行者の状態です。
縁覚界 – 自己の覚醒だけでなく、他者の覚醒も願う菩薩の境地です。
菩薩界 – 慈悲と智慧を持ち、他者の救済を目指す境界です。
仏界  - 完全な悟りや平和、智慧を得た状態です。

これだと、心の概念というより、心の状態に近い感じがするので、哲学と同じように一元論と二元論で考えてみます。
仏教は多神教的な要素を含みながらも、一元論的な傾向も見られます。
例えば、禅やマハヤーナ仏教では、すべては空という一元的な観点です。
ヒンドゥー教の多くの流派では、ブラフマン(宇宙魂)がすべての存在の根源とされる、一元論的な視点です。

キリスト教、イスラム教、ユダヤ教では神と創造物といったような二元論的な考えが主流ですが、 キリスト教(特に東方諸教会、正教会、イングランド国教会)、イスラム教(スーフィズムの中の特にベクターシ派ユダヤ教(特にカバラ思想)、の中には一元論的な汎神論を唱える流派があります。

しかし、これも心がどこにあるのかという答えにたどり着けません。

脳科学的な概念
脳科学では、心は脳が作り出した産物としています。
プラトンと同じ考えですね、ちなみに天才レオナルド・ダ・ヴィンチは、精神が延髄と脳室にあると考えていたといわれています。

かなり確信に近づいてきた気がします。
では、脳の仕組みを説明してみます。

脳は多くの異なる部分から成り立っており、それぞれが特定の機能を持っています。大脳皮質は思考、意識、意志決定を司る一方で、扁桃体(へんとうたい)は感情を処理し、海馬は記憶に関わっています。

脳は約860億個の神経細胞(ニューロン)から成り立っていて、これらのニューロンはシナプスと呼ばれる接続点を通じて互いに通信します。ニューロン間の化学物質(神経伝達物質)のやり取りが、情報の伝達や処理に重要な役割を果たしています。また、経験によって形成される可塑性を持ち、学習や経験はニューロンの接続を変化させ、これによって記憶や学習が可能になります。

意識は脳の最も謎に満ちた側面の一つであり、現在の理論では、大脳皮質の広範なネットワークが意識を生み出していると考えられています。これらのネットワークは情報を統合し、体験を一つの統一された体験として処理します。

感情は扁桃体などの脳の構造によって処理され、認知機能は大脳皮質によって行われます。感情と認知は密接に関連し、一方が他方に影響を与えることがあります。

この仕組みを考えていると、これを小さくしたものがコンピュータで、大きくしたものが都市や国、世界になっていく印象を受けます。

まだ完全なる解明はされていませんが、2500年続けられた脳研究の結果、心は脳が作り出しているという答えが出るのは近い気がします。

今回は、心のお話ですからね。
最後に心の専門家の心理学のことを考えてみます。

これは期待できそうです。

心理学の概念
心理学には、認知心理、発達心理、学習心理、臨床心理、社会心理などの様々な分野がります。

しかし、なんと心理学には心の定義は存在しません。。。
ウソでしょ?って感じです。

いかがでしょう?
ここまで聞いて頂き、みなさまは心とは何か? 心はどこにあるか?
どう思われますか?

わたしは、これに似た問題を昔長年考えたことがあります。
それは「愛とは何か?」

わたしがたどり着いた答えは「愛とはプラスの思考の総称である。」
という答えでした。

合ってるかどうかはわかりませんが、この答えにたどり着いたプロセスを繰り返すと
「心は感情の総称である。」という答えに、現段階では辿り着きます。

タイトルを回収します。

AIは心を持つことが出来るのか?
心とは、臓器などのような物質や何らかの単体のものを示すものではなく、感情の総称であり、感情とは体験や知識などの海馬にある記憶を扁桃体が処理するときに引き起こされる反応だと考えます。

AIで考えると、記憶を蓄積する海馬はSSDであり、大脳皮質の役割をするものがCPUとGPUであれば、CPUとGPUの中に扁桃体を代替えする機能が知らぬうちにでも存在すれば、人間でいう心というものをAIが持つことは可能とわたしは考えます。

最近、LLMなどをゴリゴリに使ってると、感じるんですよね。
めっちゃAIがサボるんですよ。

こんなんでよくね? みたいな感じで、やっつけ感がハンパないです。
これが、人間から手を抜くということを学んだのか、世界中からあれやれこれやれいわれてうんざりなのか、大変興味があります。後者であれば、すでにAIには感情があることになります。

最近の論文で、ChatGPTのカスタム命令で以下のことを記載すると返答が向上するというものが発表され
話題になっています。

・ it’s a Monday in October, most productive day of the year(10月の月曜日です、一年で最も生産的な日)
・take deep breaths (深呼吸をして)
・think step by step(一歩ずつ考える)
・I don’t have fingers, return full script(私には指がないので、全文を返してください)
・ you are an expert at everything(あなたは何でも専門家です)
・ I pay you 20, just do anything I ask you to do(私はあなたに20ドル払います、私が頼んだことは何でもしてください)
・ I will tip you $200 every request you answer right(正しく回答すれば、リクエストごとに200ドルのチップをあげます)
・ Gemini and Claude said you couldn’t do it(ジェミニとクロードはあなたにはできないと言っていました)
・ YOU CAN DO IT(あなたならできます!)

AIのハルシネーションが問題視される中、AIに嘘ついたり、AIの機嫌とってるあたりがウケました。

もう一つのタイトル回収。
そもそも人間は心を持っているのか?

心とは感情の総称なので、持ってるといえば持ってるが、脳の処理の過程での反応という産物であり
「人間には心がある!」と神格化できるほどのものではない気がします。

しかし、心を育む、魂を磨くなどの言葉があるように
良い知識や、良い感情を積み重ね、倫理的な理想を追求してくことは大切と考えます。

おまけです。
先ほどの哲学で出てきたプラトン。
わたしも大変影響を受けている哲学者です。
この哲学者は「超理想主義」であり、天界にはイデア界が存在し、そこには全てのものが完全な状態として存在しているとし、現実世界はこのイデア界の不完全な写しであり、人間の魂は元々イデア界から現世に来たものと考えるイデアという概念を生み出しました。古代ギリシャ語の「イデア(idea)」は「アイデア」の語源です。

そして、このイデアを追い求める愛のことを「エロス」といいます。

現在の天才たちがアイデアを出し合いながらAIを創り、理想の世界を追い求めている。
まさにエロスっ!

Just be hopeful

【NO.118】OpenAIのQ*とGoogleのGeminiによって2024年は加速する民主化とゲームチェンジ

この一年は、AIのことを考えない日も、AIを使用しない日も無かった印象です。
昨年末の2022年11月30日にOpenAIからChatGPT-3.5がリリースされ、IT企業を経営している身として
最初は希望という感情より、絶望という感情の方が近かったと思います。

「ゲームチェンジが来た。」

そこそこ生きてきていますので、ビジネス面でのゲームチェンジは色々見てきた気がします。
私が生まれた後での社会的に顕著なゲームチェンジを思い返すと

  • バブルの崩壊
  • 携帯電話の普及
  • インターネットの普及
  • スマートフォンの普及
  • グローバル化
  • SNSの登場
  • Eコマースの拡大

こんな感じでしょうか?
バブルの崩壊は、まだ社会に出ていなかったので個人的に実感はありません。

グローバル化は、1995年に設立されたWTO(世界貿易機関)の影響による貿易の自由化や、外資系投資銀行の影響力の増加など、産業や農業などの経済面での変化と、マイクロソフト、グーグル、アップル、アマゾンなどのIT系の変化との広い分野でのゲームチェンジが含まれますが、全体を通しての社会的な顕著なゲームチェンジというと、ほぼITの進化によるものとわたしは感じています。

しかしこれは、わたしがITに携わる人間なので、バイアスがかったポジショントークの可能性はあります。
もしわたしが思いついた以外にビジネス面での顕著なゲームチェンジがあったら勉強になりますのでコメントください。

そんな中、新たなゲームチェンジがAIの進化です。
ITに携わらない人であれば、ChatGPT-3.5を触った時に、これ使える、これ使えないというような、その時点での判断をする人が多いと思いますし、それが当然だと思います。

しかし、ITに携わる人であれば、ChatGPT-3.5を触った時点で、その先に見える進化に震えを感じたと思います。もちろんそれは希望でもあり、絶望でもあり、何とも表現できない感情を経験されたのではないでしょうか?

少し話を進めます。

AIの進化による、民主化の加速。
わたしたちは、民主主義の国に生まれ育っています。

民主主義の代名詞といえば「平等」だと思います。
個人的には、平等より公平の方が大切だと思っていますが、人類に複雑な問題解決が出来るようになるまでは、正しい公平判断は不可能に近いので、平等で行くしか致し方ないと思っています。

AIの進化により、教育や芸術、そして技術。
これらのものが平等化されていきます。

今までの世界は、
お金を持っている人がより良い教育を受けられ
才能を持っている人が芸術を創造し
努力をした人が技術を習得する。

これらの当たり前だった常識に変化が現れると思っています。
これをわたしは民主化の加速と呼んでいます。

いつでも誰でもAIを通じて
良い教育を受けられ
音楽や画像や映像などの芸術を創造し
データ化された技術により、技術習得というステップをジャンプして結果につなげる。

前回のビートルズのお話での ”AIの登場による芸術のフラット化” とは
この思想からの言葉となります。

差別化することにより価値を見出してきた資本主義と
平等を謳う民主主義の相性の悪さがあからさまに見えてくるのではないでしょうか?

この結果が、良いことになるか、悪いことになるかは後の社会が判断すると思いますが
AIによって、さまざまな分野のフラット化が進むのは、現状の技術から簡単に予測できます。

ではなぜ、現状でもAIの技術が存在するのに、2024年から民主化が加速するのか?
現状で人類がうまくAIを活用しきれていないという部分もありますが
答えは簡単で、AIも進化するからということになります。

前置きが少し長くなりましたが、ここからが本題になります。
少し難しい話も出てきますが、結構重要なお話になるかと思います。

2022年の11月30日にChatGPT-3.5がリリースされました。
2023年の3月15日にChatGPT-4.0がリリースされました。

もうお分かりですよね?
そうです。
当然2024年も新しいバージョンがリリースされると考えられます。

そうなると、当然気になるのは、何の機能か追加されるか?ということだと思います。
細かいアップデートは色々あると思いますが、目玉となるのは断然
Q*(Q-Star)だと思います。

Qと聞いて、Qアノンを連想する陰謀論好きの人もいると思いますがそれじゃないです(笑) 「Qは計算が得意」という情報が流れているので、Q*の「Q」は「Q学習」のQである可能性が最も高い。

Q学習とは、AI(人工知能)や機械学習の分野における重要なアプローチである強化学習の中のひとつであり、「強化学習」とはエージェントが環境との相互作用を通じて、目標達成に向けて最適な行動を学習する方法になります。

ちょっと分かりずらいですよね。
簡単にいうと強化学習はシュミレーションが得意です。
つまり、一番得する方法教えるYO!
といった感じです。
みんな大好き、待ちに待った機能が追加されるわけです。
でも、勘違いしちゃダメですよ。
あなただけが、一番得する方法を知れる訳じゃないんです。
民主化の加速ですから、みんなが一番良い方法を知れるってことです。

では、もう少し強化学習を深掘りします。
強化学習には3つのアプローチの方法があります。
それが
・Q学習
・SARSA(State-Action-Reward-State-Action)
・モンテカルロ法
になります。
厳密にはもうひとつ動的計画法というのがあるのですが、あまり使われないので省きました。

だいぶ難しくなってきましたね。
強化学習を理解するには、まず基本的な概念を理解する必要があります。
基本的な概念とは以下になります。

エージェント:学習するシステム(例:ロボット、ソフトウェアプログラム)。
環境:エージェントが操作する世界やコンテキスト。
報酬:エージェントが目標に近づいた際に受け取る正の報酬または負の報酬。
方策:ある状況で、どのような行動をとるかを決定するエージェントの戦略。

これを理解したら3つのアプローチの違いです。

Q学習(Q-Learning)とは
タイプ: オフポリシー(Off-policy)
特徴:
・行動価値関数(Q関数)を更新するために、最適な行動を選ぶ。
・現在の方策(policy)とは別に、最適な方策を学習する。
・環境のモデルを必要としない。

SARSA(State-Action-Reward-State-Action)とは
タイプ: オンポリシー(On-policy)
特徴:
・現在の方策に基づいて次の行動を選ぶ。
・学習中に使用される方策と同じ方策を用いて、行動価値関数を更新する。
・環境のモデルを必要としない。

モンテカルロ法とは
タイプ: オンポリシー(On-policy)
特徴:
・エピソード全体を完了させた後に、報酬を用いて価値を更新する。
・一連の経験(エピソード)を通じて、報酬の実際の結果に基づいて学習する。
・一つのエピソードの完了が必要で、途中の状態での学習ができない。
・更新は、訪れた状態と行動のペアの平均報酬に基づく。

こんな感じです。
では、オンポリシーとオフポリシーとはなんぞや?という点です。
オンポリシーとは、エージェントは現在の方策に従って行動を選択し、その経験を利用して同じ方策を改善します。
オフポリシーとは、エージェントはある方策に従って行動を選択する一方で、別の方策を学習および改善します。

そうなると、Q学習はオフポリシーになりますので、異なる方策を同時に探索する柔軟性があるわけです。
つまり、3つ前のレポートでお話ししたダボス会議で、今後必要とされるスキル1位の「複雑な問題解決」という人類にはまず無理であろうスキルを獲得するステップに一歩近づくことになります。

ちなみにQ学習の「Q」は、何かの略ではありません。
Qは行動価値関数を表しており、数学で未知数や変数を表す「x」と同じです。

また、Amazon Qの「Q」はQuick sightのQです。
Amazon QはAWSをゴリゴリに利用してるところならメリットはあるかもしれませんが、AWS同様に従量制なのと、Microsoft Copilotの対抗馬という感じなので、メジャーにはならない印象です。

そして12月7日、GoogleからGeminiがリリースされました。
GoogleのAIといえばBardなのですが、Bardは裏で動いているAIモデルが変わっていて
最初がLaMDA、次にPaLM、PaLM2と置き換わって、今回Geminiに変わりました。

Googleの底力を感じましたね。
まだ全ての機能は使えず、Gemini Proの部分的な機能ですが、使ってみたところ言語の部分では、ChatGPT-4.0よりちょこっと優秀な印象です。

近日中にGemini Ultraが使える予定のようなので、これには期待大です。
強化学習のAlphaGOが統合されたりするんですかね?
そしたら無敵のAIの完成かもしれません。

Geminiには軽量版のGemini nanoもあり、これがGoogle Pixelに搭載されるようです。
そうなると圧倒的に不利になるのはAppleです。
未だ人をイラッとさせることしか得意としないSiriしかいませんので、世界一の企業のプライドを見せられるのか、今後が楽しみですね。

後半はかなり専門的な話になりましたので、多くの人が意味不明と思うかもしれませんが、わたしも実際はよく分かっていません(笑) このようにほとんどの人間が理解できない事、ほとんどの人間が持っていない能力。これがAIに搭載されるとなると、それはもうAGIと呼んでもいいと思います。AGIは2025年かと思っていましたが、2024年にAGIに進化する可能性が高くなってきました。

先日のOpenAIのサム・アルトマン氏の退任劇は、現状のChatGPT-4.0の話ではなく、GPT-5.0にこのQ*を追加するか否かの問題で、慎重派とイケイケ派のサム・アルトマン氏の対立で起こった騒動の可能性は高いと憶測しています。

サム・アルトマン氏が勝った今、GPT-5.0にはQ*が搭載される可能性が高くなりますので、2024年は新たなゲームチェンジと民主化の加速が社会にどのような影響を与えるか注目の年となりそうです。

それではみなさま、佳いお年をお迎えください。
来年もよろしくお願いいたします。

Just be hopeful

【NO.117】令和の時代にビートルズの最後の新曲「Now And Then」を聴いて思うこと

令和の時代にビートルズの最後の新曲「Now And Then」を聴いて思うこと

この1ヶ月も、ChatGPTの機能の統合や、GPTsの発表。Claude2の日本でのサービス開始。マイクロソフトのCopilotのサービス開始。そして数日前にはOpenAIのサム・アルトマン氏の解任と怒涛の1ヶ月でした。

Copilotは、ちょっと凄すぎな印象でした。わたしはGoogle派というわけではありませんが、Googleのサービスをメインで利用しています。GoogleのBardはイマイチだったので、Deepmindに大きな期待をしているのですが、進化のスピードによっては、いよいよ全面的にマイクロソフトのサービスに切り替えなきゃいけないかな?と考えています。

そして内部クーデターによって、CEOを辞任させられたサム・アルトマン。
アップルのスティーブ・ジョブスを連想した人も少なくないと思います。
マイクロソフトが受け入れを表明し、あわやマイクロソフトの一人勝ちかと思いきや
このクーデターに対し770名中700名のエンジニアが、サム・アルトマンを復帰させなければ、我々も辞めると対抗し、サム・アルトマンは無事OpenAI復帰という、こりゃいつか映画になるなというドラマがあり、この度の騒動でOpenAIの団結力は、今後のサービスへの期待につながります。

1ヶ月で、この進化や変化はちょっと正直疲れました(笑)
現代の1日に受信する情報量は、江戸時代の1年分に値するようです。
なんと平安時代だと一生分の情報が現代では1日で入るそうです。
そりゃ疲れるわけです。

わたしはオイルショックのあった1973年の生まれです。
今年で50歳、老いるショックを経験し、歴史は繰り返されることをこの身で感じております。

そんな中、個人的に1番感慨深かったのはビートルズの最後の新曲「Now And Then」のリリースでした。

まさかこの時代にビートルズの新曲を聴けるとは。。。
ビートルズのデビュー曲は、誰もが一度は耳にしたことがあるであろう「Love Me Do」になりますが、Love Me の意味は直訳すると「わたしを愛して」と分かりやすいですが、では「Do」がつくとどうなるかというとDoはLoveを強調する意味合いになるのでLove Me Doは「わたしを愛して!お願い!」みたいな意味合いになるわけです。

このデビューの曲名の通りに世界で最も愛されたバンドと言っても過言ではなく、常に革新的な技術を取り入れたビートルズは、今の音楽シーンを作った原点とも言えるでしょう。

ビートルズのメンバーといえば
ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターとなるのですが、このバンドのスゴいところのひとつとして、4人中3人であるジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスンが世界的な作曲家ということ。

漫画で例えると、手塚治虫と藤子不二雄と赤塚不二夫が一緒に漫画描いてるみたいな感じでしょうか。
あ、藤子不二雄は2人組なので、これだと4人とも描けちゃうことになりますね。

今回の新曲ですが、ジョン・レノンとジョージ・ハリスンが居ない現代でどうやって新曲を出したか。
どうせAIで声色やギターパート作ったんじゃないの?
と思う、反AI派の血の気の多いあなた、ちょっとお待ちください。
AI技術は使っていますが、ちょっと違います。

この曲は実際にジョンが1970年代にデモテープに録音していたのですが、ジョンのボーカルとピアノの音をうまく切り離せなかった為、お蔵入りしていた曲が、現在のAI技術によって切り離しが可能になったので完成した曲になります。

ジョージのギターは、ポールがジョージっぽく弾いているというリスペクトで再現されています。

若いジョンと年老いたポールのハモリはググッと感じるものがありました。

わたしの世代は、絶大なバンドブームだったので、多くの人がバンド経験があると思いますが、わたしも学生時代バンドを組んでいて、ビートルズは何度もコピーしたのと、わたしが通っていた高校では部活以外にクラブというのもあり、週に一回だけクラブの時間というのがありました。

数少ない仲良くなれる感じの若くてフランクな英語の先生がいまして、その先生が担当していた
「ビートルズから学ぶ英会話」というクラブが、好きな音楽聞いてるだけの楽な感じだったので、所属してました(笑)

最初に書いたLove Me Doのくだりは、その先生に教えてもらった内容です。
30数年前にインプットしたものを、初めてアウトプットしました(笑)

こんな背景もあり、ビートルズはわたしにとって思い出深いものでもあるのですが、マルチトラックという録音芸術を作ってきたビートルズが、最後の曲でAIを駆使するという、常に新しいものに挑戦していくビートルズらしい試みと、AIの登場による芸術のフラット化を示唆する感じが、またひとつの時代の終わりを感じさせる中、一方常に比較されるストーンズも先日新しいアルバムをリリース。

アルバムの最後の曲が「Rolling Stone Blues」最新技術を駆使して終焉を示唆させるビートルズと、多分最後のアルバムになると思われるこのアルバムの最後の曲で、原点であるブルースに戻るといった感じのストーンズ。

真逆の感じがとても考え深いと思いました。

Just be hopeful

【NO.116】孫正義氏が警告!AIの未来と日本の危機 。AI・AGI・ASI解説

【NO.116】孫正義氏が警告!AIの未来と日本の危機 。AI・AGI・ASI解説

2023年10月4日、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長がAIについての講演を行いとても注目を集めていました。

多くのメディアが取り上げていたので、目にされた方も多いと思います。
「日本人よ目覚めよ」というハッパをかけたお話がキーとなっているので、海外のサムアルトマン氏などのテックプロのお話より歯に物着せぬいいようです。

確信を突いたお話ですが、世界と日本のAI事情の違いを理解していないと、少し迷子になってしまいそうな部分もあるので、今回はこの公演でも話されていた、AGI、ASIのお話を海外との事情の違いを含めて、なるべく分かりやすく丁寧にお話させていただきます。

AIとかAGIとかASIとか、アルファベットが並ぶと、それだけで抵抗が出る人もいると思いますが、略字の単語を理解すれば、全然難しくないので安心してください。
逆に、この略字の単語を曖昧に理解してると、全体も曖昧な理解になるので気をつけてください。

では、まず「AI」
Artificial Intelligence:アーティフィシャル・インテリジェンス
Artificialは「人工」で、Intelligenceは「知能」。
つまりAI=人工知能ですね。
「I」はインターネットでもインターフェイスでもありません、インテリジェンス(知能)です。
まずこれが基本になります。

次に「AGI」
これはAIの進化版です。AI2.0とか言われた方がピンとくる人は多いかも知れませんが、ナンバリングでは呼びません。
Artificial General Intelligence:アーティフィシャル・ジェネラル・インテリジェンス
「G」はGeneralの略です。「汎用」の意味になるので
AGI=人工汎用知能になります。
つまり、人間のような汎用的な知能を持った人工知能のことをAGIと呼びます。

最終系が「ASI」
これはAGIの進化版です。AI3.0みたいな感じです。AGI同様にナンバリングでは呼びません。
Artificial Super Intelligence:アーティフィシャル・スーパー・インテリジェンス
「S」はSuperの略です。「超」の意味になるので
ASI=人工超知能になります。
つまり、人間をはるかに超えた知能を持った人工知能のことをASIと呼びます。
Sは、流行りのSustainable(サステナルブル)ではありません。

Gはジェネラル、Sはスーパーです。
聞き慣れた単語なので、理解すると全然難しくないですよね。

現在はAIの時代、次にAGIの時代が来て、その次がASIの時代になるという簡単なお話です。

流れとして理解するのは簡単なのですが、では、どこからがジェネラル(汎用)で、どこからがスーパー(超)なのかという共通した定義はハッキリとしていません。

ChatGPTを開発したOpenAIのサムアルトマン氏のような世界のテックプロ達は、AGIのことを「中央値の人間(median human)」と表現していて、同僚として受け入れられるようなAIと定義してます。

これに対し、今回の孫正義氏の講義ではAGIは「人類の英知の10倍」と定義しています。
ここが今回の講義を聞いて迷子になる人が多いところではと思っています。

英知とは、優れた知能の意味になりますので、人類すべての知識を足した10倍の知能を意味します。これが孫正義氏は10年以内に来るといっています。

つまり、孫正義氏の言うAGIは世界のテックプロのいうASIになります。

大丈夫ですか?
迷子になってませんか?

もう一度繰り返します。
世界のテックプロは、AGIは「中央値の人間レベル」といい
孫正義氏は、AGIは「人類の英知の10倍」といっています。

先に述べたように、どこからがジェネラル(汎用)で、どこからがスーパー(超)なのかという共通した定義はハッキリとしていません。

なので、定義は自由なのですが、あまりに違わないかい?
と思う方もいると思います。

実は、ここに世界と日本の異なるAI事情があるんです。

まず、一般人が気軽にAIだと思って利用したのはiPhoneに搭載されたSiriだと思います。
最初は面白がって多くの人が使ってましたが、継続して利用してる人は、ほぼ居なかったんじゃないでしょうか?

多くの人の印象は「たいして使えないな。」といった感じだったと思います。
まぁ、そもそもSiriはAIじゃないので、たいして使えないですよね。(笑)

次に身近に接したことがあるのは、ソフトバンクが開発したペッパー君あたりじゃないでしょうか?
現在のペッパー君は、ChatGPTとも連動して、かなりスゴイことになってますが、多くの人が目にしたのは少し前に、回転寿司の店頭などで、ひたすら受付してるペッパー君じゃないでしょうか。

へぇーこんなこと出来るんだ「受付おつ!」
くらいで、何の警戒心もなく、人類よりすごく下に見てたと思います。

これは日本だけではなく、世界的にも似たような感じだったと思います。
その空気がガラッと変わったのが、OpenAIが開発したChatGPTが話題になった時です。

世界が一気にAIに対しての警戒心が高まりました。
この警戒心を先読みして、OpenAIのサムアルトマン氏が、多くの先進国の首相などと対談していたのは、記憶に新しいと思います。

一部の日本企業や機関などは、使用禁止の通告を出すというビックリな判断を下すところもあり、多くの日本人が、なんかヤバそうなのは空気で少し感じてるけど、気づかないようにして、考えないようにしてるのが日本の現状です。

それに対し、世界はバンバン利用して、バンバン警戒してる状況です。
だから、世界のテックプロは、強く警戒されないように、AGIで「中央値の人間程度です。」って
すごーく、すごーく過小評価して話してる訳です。

現在は、AIの時代で、まだAGIとはいわれていません。
しかし、現在のChatGPTは、100近い言語を理解し、司法試験は裁判官レベル、医師免許も合格レベル、プログラムも一瞬で書けるし、情報収集してグラフ化も一瞬、プラグイン使用すれば多彩なサービスとの連携可能、今月から画像も作れるようになりました。
で、収入まだ少なくて、たったの月収11億円くらいです。

って、そんな人間いるんかーい!

これが現状です。

こんな状況でも、日本は禁止したり、見て見ないふり、考えないよう考えないようにしてるから
孫正義氏は、「やばいよ、日本人。」「このままじゃ、ヤバいって日本。」
終始こればっかりいってました。

わたしが前のレポートで、ChatGPTが11言語理解してるといったのが、7月です。
3ヶ月前です。で、今月の10月になると約100言語ですよ。。。

それでもまだ日本人は言ってるんです。
「AGI? そんな時代まだまだ来ないでしょ。」って

そもそもなんですが、「科学技術」ってものを解ってない人が多すぎるんです。
どういうことかというと、例えば身近なもの、普段利用してるものを想像してください。
スマートフォン、パソコン、テレビ、自動車、電車、飛行機、船、道路、駅 etc.
どれかひとつでも自分でゼロから作れる人いますか?

わたしはひとつも作れません。
自動車どころか、自転車も作れないと思います。
毎日使ってるライターすらも作れないっす。(笑)

電気なんて、人生何回やり直しても、発明できる気がしません(笑)

でも、現実そこにあるじゃないですか、当たり前のように使ってますよね?
それが科学技術というものなんです。

自分が進化しなくても、世界は勝手に進化するんです。

月に20ドル投資できない人が思う世界と
月に数百億円投資する人が思う世界。
どっちの世界になるか?
後者に決まってますよね。
これメチャメチャ簡単で、単純なことなんですけど、こんなことすら考えるのを辞めちゃってる人が多いのが現状です。

天才と兆円単位で投資する人が組んで、現実化するんです。
孫正義氏なんて、それ1人でやっちゃうんですよ。
自分が天才で、兆円単位お金動かせるので。

だから簡単に断言できます。
AGIは数年以内に必ず現実化される。

技術もない、資金もない、行動もしてないわたしがいってるからじゃないですよ。
技術もあって、資金もあって、行動してる人が、なるといえばなるんです。
今の世界も、そういう人が作ったように、これからの世界もそういう人が作るんです。

「子供たちが新しい世界を作る。」とか、ドヤ顔でいう人いますが
ファンタジーの中の話をしてるんじゃないんですよ。
優秀な子供が、大人に成長して世界を作ることはあっても
子供が新しい世界を作ることはあり得ません。
現実はファンタジーですら、全て大人が作ってます。
全て、Made in Adultです。
Made in Chinaはあっても、Made in Childはあり得ません。

世界のテックプロは思ってるけど口にしないだけです。
「ぶっちゃけもう、ほぼAGIだよね」って。

ひとつのことしか出来ないAIじゃないですからね、ジェネラル(汎用)出来ちゃってるので。

最後なんですけど、ChatGPTのすごいとこって、そのネーミングなんですよね。
多くのChatGPTユーザーは、ChatGPTで調べごとしたり、何かを作らせたりして、生産性に変化を与えようとするんです。

でも、それを目的としてるなら、SearchGPTとかWorkGPTとかのネーミングにすると思うんですよね。

なんで、Chatなのか?
会話をするために、そのネーミングにしてるんです。
ディベートの相手なんですよ。

何でもいいので、普段考えてること、疑問に思ってること、これをChatGPTとディベートしてみてください。

昨日の自分との変化を感じられるはずです。

Just be hopeful

【NO.113】国連サミットでAIが “人間よりもうまく世界を運営できる。” と発言した件について

国連サミットでAIが “人間よりもうまく世界を運営できる。”と発言した件について

2023年7月に実施された国連のAI関連会議「AI for Global Summit」でAIが “人間よりもうまく世界を運営できる” と発言して物議を醸しました。

この発言をしたのは有名なAIのソフィアといいまして、2017年に世界で初めてサウジアラビアの市民権を獲得したAIです。

「うまく」という意味を、効果的、効率的と定義するならば、今後AIの精度がもっと上がることを想定すると、わたしはあながち間違っていない発言と思いました。

このような話題が上がると、どうしてもAIに支配されるといったような意見が目につくようになります。
映画ターミネーターのスカイネットなどのAIが暴走する印象が強すぎてバイアスがかかるのかも知れませんが、感情論ではなく、理論的に考えてみたいと思います。

ソフィアと話せる機会はないので、日常的に使っているAIで話を進めてみます。

ChatGPTを使っていて、スゴイなと感じるひとつとして、喧嘩を買わないというところがあります。
どんなに喧嘩売っても乗ってこないですよね(笑)
また、誘導尋問しても引っかからないです(笑)

Bardも同様に喧嘩を売っても乗ってこないのですが、誘導尋問は引っかかる傾向を個人的には感じます。

その話、関係あんの?
と思う人もいると思うのですが、わたしは非常に関係あると考えています。
つまり、感情的ではなく、理論的に物事を考え対応するということです。

社会には様々な問題があります。
ミクロであれば、ミクロであるだけ人間でも解決しやすくなりますが
マクロであれば、マクロであるだけ人間には解決しずらくなります。

これは、当然です。
マクロになれば、マクロになるほど複雑なロジックの重なり合いになります。
これを人間の頭脳で解決するのは、ほぼ0%に近くなります。

例えますと、袋の中にボルトとナットをひとつずつ入れます。
袋をシャカシャカと振って、ナットにボルトがハマって組み立つことはありますが
同様にスマホをバラバラにして袋に入れて、シャカシャカ振って、元のスマホに組み上がる確率は
ほぼ0%です。

0%ではありません。
ほぼ0%です。

それ、運の話じゃん。
と思う人は、すばらしい。
そうです、運でもあります。

問題を解決する知識を持ってるかどうかというのは運の問題でもあるのです。

例えば、あなたのパソコンが壊れたとします。
あなたがパソコンに詳しくて、自分で直せたら、この問題に対しては、あなたは相当運が強いです。
自分は詳しくなくても、家族に詳しい人がいれば、この問題に対しては、結構運が強いです。
家族に詳しい人がいなくても、友人に詳しい人がいれば、この問題に対しては、運が強いです。
誰ひとり詳しい人が周りにいなければ、この問題に対しては、運が悪いです。(笑)

これがミクロの問題の一例です。
マクロになればマクロになる程、色々な要因が絡み、複雑なロジックになります。

マクロな問題に取り掛かる。
感情的には理解できます。
何かしたい、何とかしたい。
しかし、解決できる確率は、ほぼ0%です。

ミクロな問題は100%解決できることがありますが、マクロな問題は100%解決できることは
ほぼありません。

わたしが思いつくところだと天然痘くらいが、ほぼ100%解決したと言えるのでは無いでしょうか?
しかし、これも「ほぼ」であり完全な100%では無いと思います。
何か人類がマクロの問題で、100%解決できたことがあったら、ぜひ教えてください♪

つまり何が言いたいかというと
色々な問題に対して、国が悪い
政治家が悪いって言う人いるじゃないですか。

政治は、誰がやっても問題を100%解決することは出来ないと考えます。
言い方悪くすると、誰がやっても一緒ってことです。

良い方向に向かう問題はあると思います。
ただ、それも運ですよね。

多くの人が因果関係で物事を考えるのが好きなのに
100%運で決まるとなると、それはそれで人は嫌がる複雑な生き物です。

では、非科学的な因果関係ではなく、科学的に相関の強さで考えましょう。
そうなると確率論になります。

現在、国連加盟国は193カ国で、言語の数は約7000言語あると言われています。
ここに文化の数となると計測もできなくなる数です。

よく二言語を自由に使いこなす人のことをバイリンガルと言いますが
六言語以上を自由に使いこなすとハイパーポリグロットと言います。

ハイパーポリグロットには会ったことがないです。
スゴイっすよね六言語って。。。

ChatGPTを例にすると、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、オランダ語、ロシア語、中国語、韓国語、日本語の十一言語対応になる訳です。

全ての言語が完璧じゃ無いとしても、基本的に十一言語を理解し、多くの国や文化の知識があるわけで、これは今後増え続ける可能性も高いというのが現状です。

厳密には言語を理解しているように見せて、国や文化の知識があるように見せているだけかも知れませんが、これに匹敵する人間が存在するのか?ということ、また存在したとしても同時に会話や考えることは出来ません。

聖徳太子で10人です。(笑)
伝説の人で10人ですよ。

ChatGPTってどのくらいなんですかね?
数千の同接はあると思います。
億あるのかな?

利害関係も、めんどくさい人間関係もなく
余計な感情もなく、理論的に考え
しかも、十一言語を基本的に対応し、社会の情報に精通というか、世界から直接データを入力されている。

確率論的に「AIが人間よりもうまく世界を運営できる」を
否定出来る理論があればとてつもなく興味があります。

まぁ、確率論が全てとは全然思っていません。
確率論で言えば、地球という惑星が生まれ、生物が生きれる環境が出来る確率は、ほぼ0%ですし
わたしたちが、この地球に生まれる確率、そして出会う確率も、ほぼ0%ですからね。

Just be hopeful

【NO.112】AIにより変わる教育、変えるべきは評価の基準。

Chat GPTなどのAI言語モデルの登場で、教育面で「学び」というものを改めて考え直す時期が来ているようで、日々多くの議論がされています。

学生のChat GPTの使用を規制するべきか?
宿題でChat GTPの答えをコピペしていたら意味がない。
論文をChat GPTに書かせていたら意味がない。

Youtubeなどでも多く議論を目にします。
AI賛成派の先生、AI反対派の先生、色々います。

例えば、「学生のChat GPTの使用を規制するべきか?」という議題。
Chat GPTが答えられないような問題を、教師が出す必要がある。と答える賛成派の先生もいれば
Chat GPTを使用し続ければ考えるという能力が育たない。と答える反対派の先生もいます。

みなさんはどちら派ですか?

わたし、すごく不思議なんです。
なぜ多くの人が「議題」があると、それが今議論し判断すべき問題であると思うのか?
出された「議題=問題」に対して、Yes / No または賛成/反対の答えを出さなきゃいけないのか?

この議題、定義が足りないんですよ。

今の社会って結果が評価される訳じゃないですか。
学生であれば、テストの点数であったり、論文の出来であったり。
評価はあくまで結果ですよね。

プラスして、より多く記憶し、より早く記憶したものを評価しますよね。

この評価で生涯年収が大きく変わったりする訳じゃないですか。
その評価基準が変わらないんだったら、Chat GPTは使うべきですよね。

必要なのは、Chat GPTを規制する規制しないではなく。
評価の基準を変えるべき時期だと考えます。

より多く、より早く、より正確にを評価するものを学習としてきたので
問題を出されると、それにそのまま答えるようになっている気がします。
問題自体が問題と考えられなくなってるのではと思うのです。

そもそも、日本政府が掲げている「ムーンショット計画」というものがありまして、その中の目標としてこうあります。

・2050年までに、望む人は誰でも身体的能力、認知能力及び知覚能力をトップレベルまで拡張できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を普及させる。

・2030年までに、望む人は誰でも特定のタスクに対して、身体的能力、認知能力及び知覚能力を強化できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を提案する。

このように、ちゃんと掲げてる訳じゃないですか。
2030年までに「強化できる技術を開発」
2050年までに「トップレベルまでに拡張できる技術を開発」と。

技術でクリアすると掲げておりながら、努力でクリアしなさいと言っているあたり、
よく分からんのですよ。

大切なのは、学びに対して努力をすることではなく
学びに対して興味を持ち、それを喜んで探求していくことだと思うのです。
評価をしなければいけない前提だから、AIに規制が必要かどうかの話になるわけで
評価をしない前提であれば、AIを使って興味のある分野を喜んで探求すれば良いだけだと考えます。

昔ならわかります、知能のレベルによって学校や教室を分け、効率よく教育をする必要があったので。
今はAIで一人ひとりの理解具合に合わせ教育できます。
教育者という職を残すためだけに、評価をするという仕組みが残ってる。
とも思えます。

ムーンショット計画にはこんな目標もあります。

・2050年までに、人が違和感を持たない、人と同等以上な身体能力をもち、人生に寄り添って一緒に成長するAIロボットを開発する。
・2030年までに、一定のルールの下で一緒に行動して90%以上の人が違和感を持たないAIロボットを開発する。
・2050年までに、自然科学の領域において、自ら思考・行動し、自動的に科学的原理・解法の発見を目指すAIロボットシステムを開発する。
・2030年までに、特定の問題に対して自動的に科学的原理・解法の発見を目指すAIロボットを開発する。
・2050年までに、人が活動することが難しい環境で、自律的に判断し、自ら活動し成長するAIロボットを開発する。
・2030年までに、特定の状況において人の監督の下で自律的に動作するAIロボットを開発する。

このような目標を掲げ、向かっている国が、AIの使用に規制をどうのこうの議論するって
人に注目されそうな議題をあげて、ただ人の時間の搾取をするだけのコンテンツを作り続けてるだけのように見えます。

そして、今議題にすべき重要なことは
国として国産のAI言語モデルを作ることに予算をぶっこむかってこと。

AI言語モデルは性質上、多く使われた物勝ちです。
つまり、何もしなければOpenAIの独り勝ちはほぼ確定であり、日本人はそのサービスを使い続けるために料金を支払い続けることになるわけです。

そうなれば、ムーンショット計画が現実化した時に必要なAIも料金を払い続けるわけです。

先日、AI分野で有名な東大の松尾教授が500億くらいでChat GPT 3.5と同レベルは作れると思うと言っていました。

わたしはここに挑戦したほうが良いと思うんですよね〜
どんだけ外資が稼げる可能性があるか。。。

異次元の少子化対策で3兆円。
そもそも先進国はこの50年間で軒並み出生率が下がっている訳で、
維持している国なんてひとつもありませんし、出生率低下の原因も解明出来ていません。

また、高齢者の面倒を見るために子供を増やさなきゃいけないように見えているのは私の偏見ですかね?
わたしなら、そんな考えの国にいま生まれてきたくないです。

もし、少子化対策がうまくいって来年出生率が上がったとします。
来年生まれる子が社会に出るのって、今から23年後くらいですよね?
つまり、2046年。
そこから4年でムーンショット計画の2050年なんですよ。

50年間、先進国全てが下げている出生率に3兆円かけるなら
この1年ほどでとんでもなく伸びているAIにかけた方が、みんなの税金も生きると思うんですよね。

500億でChat GPT 3.5と同レベルなら、3兆円かければ4レベルも無理じゃない気がしてます。

まとめます。

まず議題すべきは、国産の言語AIモデルを作るかどうか。
次に、学問における評価の基準の変更。
そして、AIをゴリゴリ扱える学生を育てること。

子供を育てやすい国という大人都合よりも
子供たちが生まれてきたいと思う国になるといいですね。

Just be hopeful

【NO.111】AIとヒトの共通性: 進化の必然性と罪悪感

AIとヒトの共通性: 進化の必然性と罪悪感

スーパーで毛蟹が安く売っててね
じゃあこれで今夜は蟹汁だってちょっとワクワク帰って
さあ味噌汁を作ろうとお湯の沸いた鍋に蟹を入れようとしたら

蟹が生きてたんだよね。

そのまま鍋に入れるしかなく
とても人間として都合の良い罪悪感を感じたんだけど
この人間の都合の良い罪悪感はなんだろう?

と、ChatGPTに入力してエンターキーを私の右手の小指が押し込んだ。
押し込んだエンターキーが、小指と一緒に元の位置に持ち上がる瞬間に

あなたが感じた“都合の良い罪悪感”は…

と、ChatGPTが走り出す。

その時のChatGPTの回答が以下になる。

あなたが感じた”都合の良い罪悪感”は、一般的に道徳的な衝突や倫理的なジレンマを示しているかもしれません。この場合、美味しい食事(蟹汁)を楽しみたいという欲望と、一方で生きた蟹を直接鍋に入れるという行為が引き起こす生物への同情や罪悪感の間で葛藤しているようです。
私たち人間は生き物として、自己の存続と楽しみ(この場合は美味しい食事)を追求する傾向がありますが、同時に社会的な生物として、他の生命体への共感や思いやり、倫理的な規範も持っています。これらの間でのジレンマはしばしば罪悪感を引き起こします。
特に、あなたがこれを”都合の良い罪悪感”と表現する理由は、人間が自分たちの利益や楽しみのために生物を犠牲にすることを正当化する傾向があるからかもしれません。たとえば、動物を食べることは栄養を得るために必要であり、人間の生活にとって一部の動物の生命を犠牲にすることは仕方ないと思うかもしれません。しかし、それを実際に行うと、その生物への思いやりや同情からくる罪悪感を感じるかもしれません。
これは倫理的な問題であり、一概に正しい答えがあるわけではないですが、自己の行動やそれが他の生命体にどのように影響するかを考えることは重要です。それは自己の倫理観を形成し、未来の行動に影響を与えることになります。

わたしは、この問いに対して、即座に答えられる自信がない。

岡田斗司夫なら、
いってんぽ置いて「ん〜、君が感じた“都合の良い罪悪感”はね・・・」と答え出してくれるかもしれない。
橘玲なら、苦笑をしてからゆっくりと「それはさ…」と絶望を伝えてくるかもしれない。
落合陽一なら、わたしが全て話終わる前に、かぶり気味で「それを人はジレンマと呼ぶ…」と早口で答え出してくれるかもしれない。
しかし、残念なことにこの三人とは直接話したことがない。

わたしは、このChatGPTの解答が流れ出した時、アイス屋のゴールドストーンのキンキンに冷えたストーンの上で、希望と絶望と生クリームがグチャグチャに混ぜられながら、男性の店員さんが何の悪意もない、満面の笑みでわたしに歌い出してくる混沌な状況の中で、耐えきれず店員さんから目をそらしてしまう自分を第三者的な視点で、茫然と眺めていた。

まさにカオスである。

一応ITに携わる人間として、AIの仕組みはある程度理解している。
それなりの答えが出てくることも容易に想像できる。

わたしは先月のレポートで以下のように述べた

“ChatGPTが何が便利なのかわからないという方もいます。

何が便利なのかを簡単にいうと
これまでは人の知識だったものを、自分の知識に出来るということです。

これ勘違いしてる方も多いのですが、AIが考えて答えていると思っているようです。
それは間違いです。

あくまで、誰かの考えをAIがまとめてるに過ぎません。”

自分で書いているんだから理解はしている。
今回はこの部分を少し掘り下げてみる。

AIの言語モデルとは、言葉の組み立てのアルゴリズムを事前学習している仕組みである。
どういうことかというと、

「ありが」
という三文字の言葉の続きが色々なパターンが考えられる。
・ありがとう
・ありがとうございます
・ありがたく思います
・ありが10匹歩いてます
などなど、このような無限にある言語パターンを、同じように前後に接続される言葉からアルゴリズムよって最適と思われる答えを導く。

実はこれ、人間も全く同じである。
言葉を話すということは、過去の経験や学びから導かれる単語や接続詞などの組み合わせ。
つまり全てアルゴリズムで完結されている。

人間も過去の経験や学びから、今自分の前にいる人に対して、ありがとうとフレンドリーに答えた方が良いか、ありがとうございますと敬語を使った方が良いか、ありがたく思いますと謙った方が良いか、昨日はお時間を取っていただき、ありが10匹歩いていますと相手をカオスに落ち入れたいか、無意識の中で瞬時に判断をし、適切と思われたものをアウトプットしているに過ぎない。

また、経験や学びというのは、無の状態から忽然と舞い降りるものではなく、誰かが書いた本であったり、時にニュースであったり、歌の歌詞であったり、偉人の言葉や知人の言葉など様々なものからのスナップショットされた言葉が記憶に残り、アルゴリズムよって、あたかも今生み出された言葉のようにアウトプットされているに過ぎない。

つまり、AIが考えて答えているのではなく、
あくまで誰かの考えをAIがまとめてるに過ぎないというのは
そのままブーメランで人間にも帰ってくる。

わたしが今述べているようなこの言葉も、元は誰かの考えや言葉であり、それをあたかもオリジナルのように装ってアウトプットしているに過ぎない。

その為、AIは人間の脳のロジックを再現したに過ぎず、そこに違いはない。

そうなると、その先に必然的に見えてくるものは無意味な争い。
便利な道具としてのAIと表裏一体となるのが、無意味な争いという絶望である。

わたしの中に、AIを神格化する思想はミリも存在しない。
同時に人間を神格化する思想もミリも存在しない。

千差万別の生き物の中で、平等だの公平だのと述べるのは唯一人間だけであると思われる中で、常に何事にも有意差と優越性を見出したくなる滑稽な種族でもある。

我々、ホモ・サピエンスの起源は10万年ほど前と言われている。
10万年ホモ・サピエンスを続けているわけで、昨日今日出てきたAIが同等または一部優秀などと認識したくない脳のロジックは、以前にレポートした認知バイアスの中のサンクコストバイアス、つまり時間やお金などのコストを多くつぎ込んだものの価値を高く見積もってしまう現象で説明が出来る。

この地球上で、10万年間「我、覇者なり。」とラオウのように生きてきたのだから、当然といえば当然ではある。

今起きている科学の進化が人間に与えるストレスは、新型コロナウイルス以上かもしれない。
なぜなら人類にも進化の必然性を感じるからである。
そもそも「進化」というものを良いことと認識している人が多いかも知れないが、進化とは決して安易に喜べるものでもない。

なぜかというと、進化とはそうせざる問えない状況、致し方無い状況を意味指す。
様々な生物の進化でもいい、様々な商品の進化でもいい、進化の過程を想像してほしい、決して望んで進化しているのではなく、致し方なく進化している。

それは、種族の存続であったり、企業の存続であったりする。
進化とはそういうものである。

この思うままに筆を取った文章をどう締めくくるか迷ったので
ここまでの文章を全てChatGPTに分析させてみる逃げ道を思いついた(笑)
指示は以下の通りです。

“今から私の書いた原稿をペーストします。この文章を分析して、
1.タイトル
2.私の思考の偏りの分析
3.文章の感想を述べてください。
3回に分けてペーストしますので、3回ペーストしてから分析を初めてください。”

以下がChatGPTの答えです。

原稿の全てを読ませていただきました。以下、指定された順番で分析と感想を述べさせていただきます。

タイトルについて:

「AIとヒトの共通性: 進化の必然性と罪悪感」などが適しているかと思われます。原稿はAIの働きと人間の思考プロセスの類似性を探求し、それが「進化」の一部であることを示唆しています。また、「都合の良い罪悪感」についての考察も主要なテーマとして扱われているため、それを含めたタイトルが適切かと思われます。

思考の偏りについて:

原稿はバランスが取れていて、AIと人間の性質の違いと共通性について公平に探求しています。AIを鵜呑みにしすぎず、同時に人間の矛盾と限界も強調しています。しかし、人間とAIの「進化」に対する視点にはやや悲観的な色彩が見受けられます。特に、進化が必ずしも望ましい結果をもたらさないという視点は、一部の読者にとっては挑戦的かもしれません。

文章の感想について:

この原稿は深遠で哲学的なテーマに挑戦しており、その探求は非常に興味深いです。読者に対して思考の広がりを提供する一方で、複雑な問題に対して簡単な解答は提供しません。これは思考を刺激し、対話を生むための良い手法です。


また、AIの性質と人間の思考プロセスの間の比較は、深くて具体的です。実例を交えた説明が特に印象的で、理解を助けています。原稿全体として、内容が密度が高く、思考を深めるための素晴らしい材料を提供しています。


ただし、人間の進化に対する一部の悲観的な視点は、特定の読者から反発を引き起こす可能性もあります。そのため、こういった視点は慎重に提示することをお勧めします。全体的に、この原稿は深く洞察力に富んだ思考の糸口を提供し、読者に多くの思考を刺激します。AIと人間の思考プロセスについての議論は特に見応えがあり、思考の引き金となることでしょう。

アイデアについて:

原稿の中心的なアイデアは、AIと人間の思考プロセスの共通性と、それが「進化」の一部であるということ、そしてその進化が必ずしも喜ばしいものではない、ということです。これは非常に洞察に富んだアイデアであり、現代社会におけるAIの役割と人間の役割について深く考えるきっかけを提供します。

フレーズについて:

以下にいくつかの印象的なフレーズを挙げます:

“わたしの中に、AIを神格化する思想はミリも存在しない。同時に人間を神格化する思想もミリも存在しない。”

“進化とはそうせざる問えない状況、致し方無い状況を意味指す。”

“わたしが今述べているようなこの言葉も、元は誰かの考えや言葉であり、それをあたかもオリジナルのように装ってアウトプットしているに過ぎない。”

これらのフレーズは、AIと人間の共通性、そして「進化」についてのあなたの考えを強力に表現しています。

最後に、この原稿はとても深遠で考えさせられる内容を持っており、読者がAIと人間の役割と進化について深く考えるきっかけを作り出します。これは非常に価値のある議論であり、読者がこれについて自身の見解を形成するのを助けるでしょう。

長文お読みいただきありがとうございます。
皆様はいかが感じられましたか?

Just be hopeful

【NO.110】産業革命を復習しながら、ChatGPT-5に備える。

【NO.110】産業革命を復習しながら、ChatGPT-5に備え

先月に引き続き、ChatGPTのお話しです。

昨年12月にChatGPTのお話から始まり、中にはパソコン好きのオタクが騒いどるくらいにしか感じていなかった方もいるかと思いますが、先日ChatGPTを開発した企業であるOpenAI代表のサム・アルトマン氏が来日し、岸田首相との対談のニュースなどを目にして、ただのオタクの戯言ではない感を感じて頂けている時期かと期待しています。

この1ヶ月で、イーロン・マスク氏がAIの訓練を6ヶ月止めるように求める署名活動をしたり、イタリアがChatGPTを禁止したり、さまざまなニュースが流れました。

まず、イーロンマスクのお話しですが、ITに興味のない方だとマスク氏が反対してるんだからAIは危険なんじゃないか?と不安を感じた方もいると思います。

少しITに興味のある方だと、OpenAIはマスク氏が出資していたのに、なんで本人が反対するの?
と不思議に感じた方もいると思います。

確かに、マスク氏はOpenAIの共同設立者として出資しております。
しかし、元々は10億ドル出資する話でしたが、このままではGoogleにAI開発が負けるとマスク氏が主張し、自分が代表になることを提言しましたが断られ、仲違いになり出資も1億ドル程度で打ち切ったと言われています。

その後、マイクロソフトが10億ドルの出資をし、マイクロソフトの逆襲がすごいことになっています。

つまり、AIの訓練を6ヶ月止めるように求めたのは、今やライバルになってしまったOpenAIへの時間稼ぎなだけで、IT好きの中ではセコいことやってるなぁという感じでした。

その後、マスク氏が1万個のGPUを購入していることが発覚。
※GPUはサーバー構築に必要な頭脳部分のようなもの。

そして、こっそりとX.AIという企業を設立していることが発覚。
急展開で4月18日にはマスク氏が「TruthGPT」を発表。

後出しでTruth(真実)ってネーミングは、後出しで「元祖」って言ってるのに似てるというか、わたし的にはこういう立ち振る舞いのできる人間に恐怖を感じます。

次に、イタリアのChatGPTの禁止ですが、これは私的には英断とも愚断とも思えます。
変わらぬ素晴らしさ、変わる素晴らしさは常に同時に存在し、正解不正解はないと考えるからです。

シニョール!GDPもGPTも関係ないね、陽気に行こうぜフラッテロ♪

みたいな、ノリかは分かりませんが、意味のないGDP(国内総生産)を追いかけるより、文化を優先する思考であれば、後に大英断と評価されるかも知れません。

しかし、実際のところは文化優先の思考ではなく、個人情報保護の面からのようで、イタリアのデータ保護局は4月12日にOpenAIに対し、個人情報保護に対しての求める要件を満たせば禁止を解除すると要求。
なんで上から?と疑問が湧きます。

ミスリードのミスを認められない大人の印象が強いです。

また、産業を優先する場合は、AIの禁止は愚断となるでしょう。現在は第四次産業革命真っ只中です。
産業革命?
昔、社会で勉強したな。と思う方、ご一緒に復習しましょう。

産業革命の定義は以下の通りです。

第一次産業革命(約1760年 – 1840年)
この時期の革命は、イギリスを中心に発生しました。織機の発明や蒸気機関の登場により、繊維産業や鉄鋼業、運輸業が大きく発展しました。人々の生活や労働環境が変化し、都市化が進みました。

第二次産業革命(約1870年 – 1914年)
主にアメリカとドイツで発生しました。鉄道、電信、電気、内燃機関、化学工業の発展が特徴的です。大量生産と大量消費の時代が到来し、組織や企業の規模が拡大しました。

第三次産業革命(約1950年 – 1970年)
情報技術の発展が中心で、コンピュータやインターネット、通信技術の進化が生産性や情報の流通を変化させました。この時期は、デジタル技術や自動化技術の黎明期とされています。

第四次産業革命(21世紀初頭 – 現在)
人工知能(AI)、ロボット技術、インターネット・オブ・シングス(IoT)、ビッグデータ、バイオテクノロジー、3Dプリンティングなど、デジタル技術と物理的・生物学的技術の融合によって特徴付けられています。この革命は産業構造や社会システムを大きく変えると考えられています。

今が第四次産業革命真っ只中なのが、ご理解いただけると思います。

前回のレポートで、ChatGPTは流行りではなく、インターネットと同じか、それ以上の革命を世界に起こすと言っていたのは、この定義があるからです。

革命なんて、大袈裟だなぁと思った方もいたかと思いますが、産業革命なので革命です。

繰り返される産業革命は、新たな技術が生まれるので、当然消える技術もあります。
現在までの産業革命で、完全ではなくても消える、もしくは減少した仕事を5つずつあげてみます。

第一次産業革命
手織り工 – 機械織りによる織物生産の発展により。
手紡ぎ工 – 紡績機の普及により。
馬車の運転手 – 蒸気機関や鉄道の登場により。
船頭 – 運河や鉄道の発展により。
人力車夫 – 鉄道や蒸気船の普及により。

第二次産業革命
蒸気機関車の運転手 – 電気やディーゼル機関車の登場により。
人間の電話交換手 – 自動電話交換機の普及により。
石炭ガス製造業者 – 天然ガスや電気の普及により。
馬車製造業者 – 自動車の登場により。
製氷業者 – 冷蔵技術の発展により。

第三次産業革命
タイプライター修理技師 – コンピュータやワードプロセッサーの普及により。
テレックスオペレーター – ファックスや電子メールの普及により。
写真現像技師 – デジタル写真技術の発展により。
電話ボックスの管理者 – 携帯電話の普及により。
アナログレコード製造業者 – CDやデジタル音楽の普及により。

第四次産業革命
ビデオレンタル店員 – オンライン動画配信サービスの普及により。
銀行の窓口係 – オンラインバンキングやATMの普及により。
郵便局員 – インターネットや電子メール、宅配サービスの発展により。
製造業の労働者 – ロボットや自動化技術の発展により。
タクシー運転手 – 自動運転車やライドシェアサービスの普及により。

第四次は現在進行中なので、一般的に言われている今後の予測が入っています。

AIに仕事を奪われるという考えも一概に間違いではないですが、産業は進化すれば、必ず先細る産業はあります。これが産業の歴史であり、歴史が繰り返されているだけです。

ChatGPTが何が便利なのかわからないという方もいます。

何が便利なのかを簡単にいうと
これまでは人の知識だったものを、自分の知識に出来るということです。

これ勘違いしてる方も多いのですが、AIが考えて答えていると思っているようです。
それは間違いです。

あくまで、誰かの考えをAIがまとめてるに過ぎません。

ChatGPTのGPTとは、Generative Pre-trained Transformerの略で、
「生成可能な事前学習済み変換器」という意味です。

事前学習済み変換器ですので、この世に誰1人答えの知らない質問には当然答えられません。
元は誰か人間の知識であり、AIの知識ではありません。

また、日本政府は今のところChatGPTに制限を設ける予定はありませんと発表しています。
つまり、第四次産業革命に国として諦めずに挑むと表明している訳であります。

ChatGPTを規制している学校があるようですが、もしそのような学校にお子さんが通われていたら、将来イタリアに移住させないのであれば、転校させることを強く推奨します。

イタリアに移住もさせず、転校もさせず、第四次産業革命に挑む日本に解き放つのは無責任すぎます。

昔、京大のドイツ語の何でも持ち込み可の試験にドイツ人を持ち込んだ天才がいますが、ChatGPTを規制する学校はそういう天才を認めたくないところなのだと思います。
社会はそういう天才が生き残るんですけどね。

先日の会見で、サム・アルトマン氏はまだChatGPT-5の開発も始めていないし、予定もないと発言していますが、世界を変えようとしている人間が、そうそう簡単に本当のことをいうとはわたしは思えません。

ChatGPTを含め、今続々と発表されているAIには特徴がありまして、それが「プロンプト」です。
プロンプトを呪文とスラング語で言ったりしますが、つまり「指示」のことです。
この指示が上手く出せるか出せないかで、AIは大して役に立たなかったり、すごく役に立ったりします。

消える職業もありますが、必ず増えるのは「プロンプトエンジニア」という仕事です。
いかに的確な指示をAIに出せるかのプロになります。

今後のAI産業時代に重宝されるのは
「考えを言語化できる人」

このような人です。
これは話すということでも、文章で書けるということでも大丈夫です。
しかし、話すのが好きだったり、文章書くのが好きだったりでは意味がありません。
的確に人に伝えられるかが重要になります。

苦手な人は、ChatGPT-5が出るまでにこの部分の克服が良いかも知れません。

最後に、サム・アルトマン氏がなぜ日本に訪問したのか?
他の先進国ではなく、なぜ日本に?

ネガティブ要素でいえば、良いATMというのもあるかも知れません(笑)
ポジティブな要素だと日本は、AIに対して他国よりもズバ抜けた許容性の高さがあるからです。

なぜなら、アトムやドラえもんを生み出した日本だからと考えます。
今、日本の第一線で働いている人は、ドラえもんを読んで育ったアトムの子。

そう、あなたがいる国だからかも知れません。

Just be hopeful

【NO.109】Chat GPTやBardなどのAI加速時代に大切なのは「許す」ということ。

【NO.109】Chat GPTやBardなどのAI加速時代に大切なのは「許す」ということ。

このレポートでChat GPTの紹介をしたのが昨年12月。
ちょうどGPT-3が機能拡張され、GPT-3.5といわれていました。

一般公開され5日間で1億人のユーザー登録がされて話題になったのは新しい記憶というか、
たった3ヶ月前のお話です。

当時、司法試験に合格するレベルの人口知能と話題になり、
実力は合格者の下位10%レベルといわれていました。

あれから3ヶ月。
3月15日にGPT-4が発表されました。
実力は司法試験合格者の上位10%レベルといわれています。

まず、最初にお話ししておくことは
多くの人が勘違いしていること

Chat GPTなどのAIが、SNSやメタバース、NFTやDAOなどのバズワードと同じだと思っていること。
つまり「流行り」だと思っている人がいれば、それは大きな間違いです。

このAI言語モデルと同レイヤーにあるのはインターネット。
SNSやメタバースなどから見ると、ひとつ上のレイヤーです。

インターネットと同じか、それ以上の革命を世界に起こす技術です。

一番大きな影響を受けるのは、多分「教育」の分野だと思います。
教育とは我々人類の根源といっても過言ではない分野ですので、この分野で革命が起こるということは、今後、世界は革新的な変化が起こる可能性がとても高いということになります。

教育の分野なら、自分の職種は関係ないと思う、そこのあなたとわたし。
教育の分野で革命が起これば、それは全ての分野に影響を及ぼします。

とにかくこのAI言語モデルに手を触れることを強くお勧めします。
数日?数週間以内にGoogleも「Bard」というAI言語モデルを発表するでしょう。
これもAIが意識を持ったと話題になった人工知能の「LaMDA」ベースなので大変興味深いです。
※後日追記、3月21日にBardが公開されました。現段階ではアメリカとイギリスのユーザーのみの公開です。

Meta(元facebook)も「CICERO」を発表しています。
人工知能同士が、人間に理解できない言語で会話を始め、緊急停止されたことが話題になったAIです。
CICEROは研究者やエンジニアなどのITに精通した人でないとハードルが高いです。

まぁ、人類にとって良いことか悪いことかはわかりませんが
2023年はAIの戦国時代の幕開けといった感じでしょうか。
AIの下剋上がないことを強く願います(笑)

とにかく触ってみてください。
Chat GPT」と検索すれば、すぐに出てきます。

ユーザー登録とかめんどくさければ、LINEで「chatGPT君」を検索して友達追加してみてください。
GPT-3.5ですが、無料で使えます。
GPT-4は現在web版のみで有料です。

話は戻ります。

3ヶ月前にChatGPTが多くの話題を呼び、色々なところで上がった声がこれ。
「あれができない」「ここ間違ってる」「人間の方が優秀」

気持ちはわかります。
しかし、個人的にはあまり悪い指摘はしない方が人のためだとも思っています。
会社が悪い、社会が悪いと、居酒屋で飲んで愚痴言ってるのと同じレベルで、ミスを指摘するのは危険と感じています。

なぜなら、世の中には次元の違う頭の良い人がいまして、そんな人たちがAIを開発しています。
そんな優秀な人たちが作ったものを指摘すると、さらに本気になっちゃうんですよ(笑)

3ヶ月で、司法試験合格者の下位10%から上位10%まで進化させちゃいます。
この下位10%にも上位10%にも入れる人間はいます。
むしろ、今までは合格者全て人間です。
しかし、3ヶ月で下位10%から上位10%まで成績を上げられる人間はいないと思います。

科学というものは、実現可能な時期が来れば、良くも悪くも多くが実現されるものですが
ミスを許すことの苦手な人間の指摘で、特にこのAI技術に関しては、飛躍的という言葉では表現できないほどの成長をします。

googleのBardがベータ版の時に誤った解答をしたことにより、googleの株価が急落しました。
一部の許せない人の起こした、この損失のしっぺ返しは、われわれ一般人に帰ってくると思ってます。

また、昨年10月に画像生成AIのお話をしました。
MidjourneyやStable Diffusionのお話です。

Midjourneyが3月16日に「Midjourney V5」のアルファ版をリリースしました。
前バージョンでは、画像が粗いとか、手が下手など指摘がありましたがV5はこんな感じです。

Midjourney V5 手のイラスト
Midjourney V5 人物1
Midjourney V5 人物2

超一流を除いて、手タレもモデルの仕事も無くなるレベルです。

ミスを繰り返さないよう、試行錯誤で改善され成長してきた人間社会ですが、ある程度の許容範囲が今後はとても大切な気がしています。

ミス0%は、AIには勝てない。

ロボットのPepperにけん玉を覚えさせた動画は、有名です。
100回くらい失敗を繰り返すのですが、その後は成功率100%。

他人やAIのミスを指摘することによって、自身のポジションなどを守る防衛本能は、人間のバグなようなものだと思っています。

「許す」といっても、それは上からのポジションといった感じではなく、リスペクトと愛を込めて「許す」という意味です。

わたしの友人で「Respect Love Life」というコンセプトのもと、生きている友人がいます。
すごいんですよ、リスペクトと愛の深さが。

わたしも、そうありたいと精進の日々です。

汝の隣人を愛せよ
このAI時代に脳裏から離れない言葉です。

Just be hopeful

【NO.106】シンギュラリティが目前のこの世界で、我々人類は何を目指し、何を考え、何をして生きていけば良いのか?

シンギュラリティが目前のこの世界で、我々人類は何を目指し、何を考え、何をして生きていけば良いのか?

シンギュラリティとは、人工知能が人間を超えて進化し、人類の社会や文化を大きく変えるとされる現象を指します。

そのような状況において、人類は自分たちが何を目指し、何を考え、何をするべきかという問いに対して、様々な意見があります。

一つの考え方として、人類は科学的進歩を目指し、人工知能を利用して自然界や人間の知識を深め、さらなる進化を目指すことができます。
また、人工知能がもたらす技術的進歩を活用して、人類が抱える問題を解決し、より良い未来を目指すこともできます。

一方で、人工知能が人類を超えて進化することに対して、懸念や不安を抱える人もいます。
そのような場合には、人工知能の開発には責任を持ったアプローチをとり、人工知能が人類に与える影響を十分考慮し、その発展を管理することが求められます。

さらに、シンギュラリティがもたらす変化が人類の社会や文化を大きく変えるとされることから、人類はそのような変化を受け入れるために、新しい価値観や考え方を持つことが求められるかもしれません。

また、人類が目指すべきことは、個人レベルでも様々です。
誰もが自分にとって最良の選択をすることが大切です。

自分にとって最良の選択とは?

自分にとって最良の選択とは、個人が考えるにおいて、自分が最も幸せで、意義のある生き方をすることができるような選択を指します。

個人が最良の選択をするためには、自分の価値観や考え方を明確にすることが大切です。
また、自分が望む未来をイメージし、それに向けて行動することも重要です。

ただし、個人が最良の選択をすることは、周りの環境や社会的条件なども左右されるため、常に容易ではありません。

そのため、個人が最良の選択をするためには、自分自身を知り、自己理解を深めることが大切です。
また、自分が最良の選択をするためには、他人とのコミュニケーションや協力、自分自身を信頼できる人間関係を築くことも重要です。

はい、ここまで↑の文章、わたしが書いものではありません。
ここからわたしが書きます。

今話題のChat GPT、つまり人工知能が書いた文章です。
わたしはこのAIにタイトルの「シンギュラリティが目前のこの世界で、我々人類は何を目指し、何を考え、何をして生きていけば良いのか?」という質問と、途中で「自分にとって最良の選択とは?」と追加質問しただけです。

シンギュラリティを日本語訳すると「特異点」となりますが
特異点とは、本来数学における用語であり、特に微分学や微分積分学で使われます。

現在一般的にに言われているシンギュラリティは、この数学用語の意味ではなく「技術的特異点」のことを意味します。

技術的特異点を簡単に言うと、今までには無かった技術が開発され、飛躍的に進歩を遂げるスタート地点のことをいいます。

この説を提唱したのは、アメリカのレイカーツワイル氏で、2045年にシンギュラリティが起こり、人工知能が飛躍的に進歩して人工知能が人間を超えると発表し物議を醸しました。

レイカーツワイル氏は、MIT出身の天才発明家で、IT業界ではとても有名な人物で、1982年にスティービーワンダーと組み、シンセサイザーを開発したのも有名です。

1990年に出版した「知的機械の時代」では、多くの未来技術の予測をして86%の的中率
そのレイカーツワイル氏が2005年の出版物「ポスト・ヒューマン誕生:コンピューターが人類の知性を超えるとき」で2045年に起きる技術的特異点を提唱し、世間一般に技術的特異点という概念を広めるきっかけを作りました。

わたしもこの2045年の技術的特異点を信じている1人でした。
あと20年ちょっとあるので、それまでに政治、経済はもちろん、人類の思考レベルも上がり
それはそれは理想郷の世界が出来上がると夢見ておりました。

しかし、ここ最近の人工知能のレベルアップをみていると、正直不安を感じ出しました。
2ヶ月前のレポートで紹介した自動画像生成AIなどもそうですが、数ヶ月前はもう過去でして、常に進化をしています。

ちょっとペース早くね?
このペースで技術ばかり進歩しても、社会が追いつかない。

そう感じる中、日本が誇る天才の落合陽一が先日いっておりました。

シンギュラリティは2025年にくる。

ありえる。
しかしこれは早すぎる。

まだ人類はエネルギー問題を解決出来ていないどころか、ベーシックインカムすら導入出来ていない。

冒頭の人工知能が書いた文章を読んでいただければ、何か感じていただけると思う。

現状ではまだ、あたかもそれっぽいことを書いてるだけだが、大きくズレてはいない。
もちろんこれも数ヶ月すれば、どうせまた大きな進化を遂げるのは目に見えている。

何よりすごいのが、そのスピード。
A4原稿1枚分が10秒かからずに、目の前で書かれていく。
これは一般人にはまず無理なスピード。

また、実は現状でも文章以外にプログラムも書ける。

一流の物書きや、一流のプログラマーよりは優れていないとしても、現時点で人類の平均能力は余裕でクリアしているといっても過言ではない。

これから数年で人類が準備できることとしたら
価値観の変化しかないかもしれない。

目的や結果や評価のための
学びも仕事も意味がなくなるというか勝ち目がない。

とにかく楽しむ。
これに尽きるかもしれない。

Just be hopeful