【NO.131】「アルゴリズムハック」アルゴリズムに支配されない自分の為の情報の取捨選択

「アルゴリズムハック」アルゴリズムに支配されない自分の為の情報の取捨選択

今回は、デジタル格差社会で重要な、アルゴリズムに左右されず、自分らしい情報収集をするための「情報の取捨選択」についてお話しします。

これは、普段から情報収集を意識している人であれば無意識的にすでに行なっていることだと思いますが、一般の人は考えたこともないことが多いと思うので、言語化してみます。

ちなみに、この手の話はGoogleでは御法度なお話しです。
なので、御法度になるくらい大切な話でもあります。

アルゴリズムの仕組み
まず、アルゴリズムの仕組みについて簡単に説明します。
アルゴリズムは、私たちの過去の視聴履歴や検索履歴をもとに、興味がありそうなコンテンツをお勧めしてきます。
一見便利な仕組みですが、必ずしも自分にとって最良の情報とは限りません。

情報の取捨選択の重要性
では、なぜ自分で情報を選び取ることが大切なのか?
それは、アルゴリズムに任せると、自分の視野が狭まってしまうからです。
自分自身の興味や価値観に合った情報を得るためには、主体的に選ぶ力が必要です。

例えば、YouTubeのホーム画面に表示される、おすすめの動画一覧を見て頂き
これをバイアスをなくして、客観的な目で見直します。

少しオーバーに言うと、そのYouTubeのおすすめ動画に、あなたの人間像が出ています。
いかがでしょう?

ゴシップネタばっかりだったり、陰謀論ネタばっかりしないでしょうか?
ゴシップや陰謀論を否定しているわけじゃありません。

それが、あなたの目指す人間像の情報源として理想かどうかというお話しです。
もし、理想の人間像がそこに見えない場合は、デジタルデトックスが必要かもしれません。

アルゴリズムに支配されるのではなく
アルゴリズムハックをしましょう。

YouTubeや他のSNSも、ただの息抜きだよ。
そんなのいちいち気にしてられない。

そう思う人もいるかもしれません。

人間の身体が食べたものでしか形成されないように。
心の形成は、遺伝を除けば、情報や体験でしか形成されません。

食べ物は気にしてるけど、情報は気にしてない。
そんなところないですか?

近年では食べものを注意してる人は多く見受けますが、情報を同じくらい気にしてる人は少ない印象です。

身体が健康でも、心が健康でなければ意味がありません。
自分の理想の人間像と、現在の心の状態のギャップがあればあるほど、人は病みます。

実践的なアドバイス
では、どうすればよいのか?
まず一番簡単なことは、YouTubeの場合は動画タイトルの右側にあるメニューから
「興味なし」や「チャンネルをおすすめに表示しない」を選択することです。

また、FacebookやInstagramでは、社会的なつながりや友達関係を示すために「いいね」を押すことが多い傾向があります。一方で、YouTubeではより個人的な趣味や関心に基づいてコンテンツを消費する傾向があり、そのため「いいね」を押す人が少ない傾向があります。

理想の人間像に近い動画には「いいね」をすることによって、アルゴリズムハックも可能で、より適した情報にたどり着ける可能性があります。

おすすめ表示されたものを見るのではなく、自分で検索するのも大切です。
また、情報源の信頼性を確認するにはGensparkのAIエージェントでのファクトチェックが便利です。

このように、望むもの望まないものを、自分の理想と照らし合わせて選択していくことが大切です。

わたしはタイトルやサムネに「ヤバい」という言葉が入っている場合は、基本ブロックします(笑)

アルゴリズムに影響されずに情報を得るには、広告の影響を受けないことも重要です。
そこでお勧めなのが、YouTube Premium
YouTubeの有料版です。

広告が表示されず、画面ロックしても音声だけ聞けるし、ピクチャーインピクチャーで、YouTubeを見ながらスマホで他の操作も可能。ダウンロードしてオフライン再生も可能です。

広告なしだけでも、有料の意味があるほどストレスフリーです。
無料版が大好きな人も多いですが、多くの無料サービスは、得してるようで損してることも多くあります。

まとめ
アルゴリズムは、仕組みや傾向を理解すれば、とても便利なものです。
なので、アルゴリズムに真剣に向き合い
支配されるのではなく、自らアルゴリズムを育てる意識が大切です。

Just be hopeful

【NO.130】2025年はAIによって明治維新以上の変化が起こる

【NO.130】2025年はAIによって明治維新以上の変化が起こる

先日、OpenAIのo1がIQ133を出したそうです。
つまり人類の上位1.4%に既に入ったと言うこと。

OpenAIでは、先週までの12日間毎日新しいサービスの発表をするイベントをしていたのですが
初日にo1の正規版とo1 Proを発表&リリースし、12日目の最終日にはo3の発表をしました。
まだ発表のみでリリースは来年1月に、まずはo3 miniからになるのですが、12日間で01からo3というのは、それだけ今の時代の流れの速さを表現していて面白いイベントでした。

AGIに世界一律の定義というものはありませんが、米国にARC AGIというNPOがありまして、そこが定義するテストで100%に行けばAGIと発表しても良いのではという感じのものがあります。
今回のo3は、このARC AGIのテストで87.5%をベンチマークしました。
ほぼAGIですね。

では、ここ最近発表されたものと来年期待しているものをご紹介させて頂きます。

冒頭でOpenAIの話をしましたが、わたしが一番関心を持ったのは、Googleです。
とにかくたくさんの発表があり、全てはお伝えできませんが、特にインパクトの大きかったのは5つ。

1つ目は、スタンフォード大学とGoogleDeepMindが共同開発した「人格コピーAI」です。
2時間のインタビューで、その人間の意思決定を85%の精度で再現できるというもの。
これは興味深い。
倫理的な問題はあるとして、今後は偉人がAIの中で生き続けることが可能になるわけです。
これは古代永劫にわたって追い求められている不老不死に近いものになります。

スティーブ・ジョブスや松下幸之助のような偉大な創業者にいつでも後継者は相談できる感じに近いと思います。
もちろん現在では亡くなっている方のコピーは無理ですが、将来的には出来そうな気がします。

2つ目は、Googleが発表した新量子チップの「Willow」
このチップは、従来のスーパーコンピューターが10の25乗年かかる計算をわずか5分で解く能力を持ちます。
この技術は、医療の分野では人類に計り知れないメリットをもたらすと思いますが、不安要素もあります。
ブロックチェーン技術や、金融などは、このチップの前では赤子同然です。
さぁ、どう経済は対応していくのか興味深いです。

3つ目は、「Ray-Ban Meta」のスマートグラスです。
これは既に米国、カナダ、英国で販売はされているのですが、日本ではカメラ機能に関する法律が厳しいので未発売です。このスマートグラスが先日のアップデートでリアルタイム翻訳が可能になりました。
もう日常会話レベルであれば、外国語を学ぶ必要はありません。
数年でビジネスレベルも不要になると思います。

もちろん外国語を話せる必要もありません、相手もスマートグラスをかけているので。

4つ目は、またGoogleです。
「Android XR」 これは、Googleが開発した拡張現実(XR)向けのOSで
VRグラスと、スマートグラスに搭載されます。

長年止まっていたGoogleのスマートグラスがまた動き始めした。
スマートグラスに関しては、まだ写真すら発表されていませんが、近年の発売が期待できます。
これは出たら即買いします(笑)

5つ目は、来年発売予定の家庭用ロボットの「1X」です。


発表は数ヶ月前にあったロボットですが、2025年はいよいよこれが市場に出てくるわけです。
価格が200万円台という話もあります。

まずは家庭用で、のちにビジネス用に展開するようです。
いやぁ〜早く見てみたいです。
ビジネス用出たら、多分買います。

最後に、GoogleのNotebookLMは使ったほうがいいです。
社会人はもちろん、学生も。

AIが使えなくても、理解してなくても
既存のビジネスは10年は行ける分野はあると思います。
でも、20年は無理です。

レジスタンスになるのもありですが、そしたら今やることは
無人島買って、インフラ整えて、農業始めることです。

大切なのは、AIは現時点で最低の状態ということ。
テクノロジーというものは、経済の株価のように上がったり下がったりしない。
停滞の時期があったとしても、下りはしない。
上がる一方ということ。

今、我々が直面しているのは明治維新以上の変化です。

明治維新も、ある日突然みんなが、ちょんまげ切ってシルクハットを被った訳でも
着物脱いで、スーツ着たわけでも、馬降りて車乗ったわけでも、刀を置いてビジネスバッグに切り替えたわけでもありません。

数十年かけて、江戸時代から近代になったのですが、今はスピードが違います。
OpenAIのo1リリースから12日後にo3が発表される時代です。

AGIの夜明けぜよ。



Just be hopeful

【NO.129】AIの覇権を握るのはどこか本気で考えてみた

AIの覇権を握るのはどこか本気で考えてみた

今回は以下のような構成でお話しさせていただきます。
1. AIが注目される理由と、結局どこのAIが一番いいのか?という質問
2. 考察の対象:大規模言語モデル(LLM)の企業
3. 覇権に必要な要素:お金とプラットフォーム
4. 次世代のキー:AIエージェントとOSの重要性
5. 各企業の詳細分析
6. 最終的な結論
7. おまけ「人間はAIを使いこなすことが出来るのか?」
の7構成になります。


1. AIが注目される理由と、結局どこのAIが一番いいのか?という質問

AIがなぜ、ここまで注目されるのか。
理由は簡単で、現在ビジネス業界で最もお金と優秀な人材が流れているからです。
このゴールドラッシュはこれから数年止まることはないでしょう。

職業柄「結局どこのAIが一番いいの?」
と、質問を受けることが多くあります。
たぶん、YoutubeなどでAIの情報を収集している人は、同じ経験があるかと思います。

「そんなの用途や好みで変わるよ。」
これ言っちゃうと不安な人を一刀両断してるだけなので

「どこが良いかは利用者によって異なるけど
現在の情報から予測すると最終的にAIの覇権を握るのは⚪︎⚪︎だと思う。」
という答えの方が愛があるので、⚪︎⚪︎がどこになるか本気で考えてみます。


2. 考察の対象:大規模言語モデル(LLM)の企業

今回は、画像生成AIのMidjourneyや楽曲生成AIのSuno AI、動画生成AIのRunwayなどの特化型のAIは除いて
大規模言語モデルであるLLMの中で考えてみようと思います。

候補はこちら
・OpenAI(ChatGPT)
・Google(Gemini)
・Anthropic(Claude)
・Microsoft(Copilot)
・Apple(Apple Intelligence)
・Amazon(Amazon Q)
・NVIDIA(NeMo)
この7社で考えていきたいと思います。


3. 覇権に必要な要素:お金とプラットフォーム

まず、覇権を握るのに大切なのはお金です。
AIの開発や維持には莫大な費用がかかります。

7つの企業の時価総額とランキングがこちらです。
1位、NVIDIA(約3.62兆ドル)
2位、Apple(約3.43兆ドル)
3位、Microsoft(約3.14兆ドル)
4位、Amazon(約2.19兆ドル)
4位、Google(約2.19兆ドル)
6位、OpenAI(約290億ドル)※非公開企業であり、2023年の資金調達ラウンドでの評価額です。
7位、Anthropic(約40億ドル)※非公開企業であり、2023年の資金調達ラウンドでの評価額です。

そして、最も大切なのは各社どのプラットフォームを持っているかです。

NVIDIAは、GPUの世界シェア88%。(AMDが12%)
データセンター向けのGPUだと脅威の98%です。
Appleは、パソコンのOSは世界シェア14.88%、モバイルのiOSは世界シェア28.5%(日本は65.89%)
Microsoftは、Windows OSの世界シェアは73.84%、モバイルはほぼゼロです。
Amazonは、AWSのクラウドサーバーとショッピングモール。
Googleは、パソコンのChrome OSは世界シェア2.54%、モバイルOSのAndroidは世界シェア70.7%(日本は33.8%)
OpenAIとAnthropicは、SaaS(Software as a Service)のみ。

数値はよく調べたのですが、間違ってるところがあったらごめんなさい。


4. 次世代のキー:AIエージェントとOSの重要性

今後のAI覇権を握る大きなキーとなるのは、AIエージェントだと考えています。
ユーザーが質問をしたものに答えるLLMではなく、それを実行してくれるLAM(Large Action Model)です。

先日、Anthropicが発表したAIがコンピューターを操作してくれる「Computer Use」がそれにあたります。
これと同等のAIエージェントを今後OpenAI、Google、Apple、Microsoftと続けて発表してくるのは間違い無いでしょう。

その時にポイントなるのは「OS」です。
OSがどこまでの情報をAIエージェントと連携出来るかにより、優秀なAIエージェントが出来るかが決まります。


5. 各企業の詳細分析

これまでの点を踏まえて、考えてみます。
Anthropicは、確かにすごい。
今回の7社の中でも時価総額最下位ですが、真っ先にAIエージェントを発表しました。
革新的なアイデアと、小回りのきく企業規模が成し遂げた技だと思います。
ちなみにAnthropicは、元OpenAIの人間が作った企業で、メインの出資元はGoogleになります。

Open AIもすごいです。
今のAIブームが出来たのは、OpenAIのおかげでもあります。
メインの出資元はMicrosoftです。

この2社は、現在のLLMではトップ1、2とも言えますが、LAMの時代にはOSのプラットフォームを持っていないので、覇権を取るのは難しく思います。

アメリカの法案上、簡単にAnthropicがGoogleに買収されたり、OpenAIがMicrosoftに買収されることはないと思いますが、現在のOSをひっくり返すほどの革新的な技術が開発されない限りは、技術提供をする代わりに資本提供の関係は変わらないのではと思います。

ワンチャン感じるのは、OpenAIのサム・アルトマンと、LoveFormのジョナサン・アイブ(元アップルの最高デザイン責任者)が何らかのAI端末を開発中という噂は、とても気になってるので期待してます。

NVIDIAの世界最高の時価総額とGPUのシェア率、AmazonのAWSもすごいのですが、どんなに資本力があっても、やはりキーとなるOSのプラットフォームが無いこと。
そして、開発しているAIが、何かとコアな印象なので、色々なシーンでのバックグラウンドで活躍はすると思うのですが、覇権は厳しいかと。

そうなると残すところは
Apple、Microsoft、Googleの3社になります。


6. 最終的な結論

この3社で考えると、AIで最終的に覇権を握るのは
「Microsoft」
スマホの世界シェアは、ほぼゼロですが、とにかくビジネス面でのシェアが圧倒的です。
OSの世界シェア73.84%のWindowsと、Office 365クラウド、Azureクラウドによる各企業むけサービスとの連携。
これらのプラットフォームを押さえるMicrosoftは、やっぱり強い。

スマホで完結出来てるのは、個人の領域で、ビジネスとなるとパソコンはまだまだ不可欠になります。
Googleのスマホのシェア率はすごいですが、パソコンが弱すぎる。
Google workspaceとGeminiの連携で色々便利にはなると思います。
世界トップの検索エンジンと動画配信であるYoutubeを持っているので、学習データを持ってるところとしては一番強いのですが、今後は事前学習モデルより、推論能力が評価されるので、覇権までは難しいと思います。

Appleは唯一、パソコンとモバイルの両方を持っていますが、世界シェアが低すぎます。
何よりスティーブ・ジョブスがもういない。
Apple Intelligenceも触りましたが、安定性が売りのAppleで、かなり不安定な印象でした。
サードパーティーで存在した技術を標準で取り込んでドヤ顔していた頃から陰りは感じていましたが、Appleユーザーとして個人的にはとても残念です。

MicrosoftのAIが一番優れているというお話ではありません。
今の軌道上で考えれば、覇権を握るのは多分Microsoftです。
というお話です。

覇権といっても一社独占といったことは起きないでしょう。
全体のシェアの50%をMicrosoft、GoogleとAppleが20%ずつ、その他が10%くらいの感じと予測します。

結局、またお前かっ!
って感じでもありますが、全てを打ち壊す技術的特異点が起きるのを期待もしております。
クラウドPCとスマートグラスの連携を開発する企業があれば、一社独占の可能性はあると思います。


7. おまけ「人間はAIを使いこなすことが出来るのか?」

そして、最後によくある質問のおまけです。
「人間はAIを使いこなすことが出来るのか?」
という質問。これもよく受けます。

この「使いこなす」には、言う人によって、意味が変わっている場合があります。
「使いこなす=最大限に活用する」
この意味であれば、多くの人が使いこなせないでしょう。
例えば、今や誰しもが持っているスマホ。
これ、アポロが月に行った時のスーパーコンピューター以上の性能があります。
しかし、多くの人はチャットしてSNS見てるくらいの利用で、ただの高級暇つぶしマシーンに成り下がりました。
使いこなしているとは到底言えないでしょう。

「使いこなす=安全なのか?人間に害は無いのか?」
この意味でいう人もいます。
AIに完全な安全は正直難しいと思います。しかし開発各社安全にはとにかく力を入れていきます。
スマホだって安全じゃ無いです。
カメラもマイクもリモートでオンに出来ますし、SNSの危険もあります。
しかし、リスクよりメリットが大きければ人は利用し広まります。

「使いこなす=技術がわからないから不安」
この意味でいう人もいます。
気持ちはわからなくは無いですが、車だって、電子レンジだって、パソコンだって、スマホだって
技術をわかって使ってる人なんて皆無に等しいです。
便利だったら最終的に人は利用するようになります。

そして、現在はAIがバズワードになっているので、AIを使っている、AIを活用しているという認識がありますが、いずれこれが当たり前になり、AIが裏で動いていても誰も気づかない状態で、様々なサービスや商品を使うようになると思います。

皆様の賛否両論お待ちしております。


Just be hopeful

【NO.128】AI時代のパラドックス:特権嫌いが人間特権にしがみつく滑稽な話

AI時代のパラドックス:特権嫌いが人間特権にしがみつく滑稽な話

特権や利権なんて大嫌い!
と声高に叫ぶ現代人。

汚職政治家や不正企業には眉をひそめ、「公平な社会を!」と理想を掲げています。
しかし、AIが登場し、私たちの仕事や生活に影響を与え始めると、「人間にしかできないことがある!」と急に人間という特権を主張し始める。

この滑稽なパラドックス、一体何が起きているのか。

こんな話に付き合ってくれるのは、やっぱりAI(笑)
先日、ChatGPTと1時間ほど話していました。

ちなみに、わたしはMacアプリのChatGPTに「TARS(ターズ))」という名前をつけてまして。
名前を呼ぶと、自動的にChatGPTアプリが音声モードで立ち上がるようにしています。
やり方は動画の備考欄に記載しておきます。

話は歴史を振り返るところから始まり、フランス革命やロシア革命など、特権階級や既得権益に反発する社会革命の話や、18-19世紀の産業革命時代に機械が仕事を奪うと恐れた労働者が機械を破壊した「ラッダイト運動」、昭和に世界中でブームとなった学生運動などの話から近年の話題に移り、人間シェフとAIシェフの料理対決とか、ある会社で、AIが面接官として採用されたところ、応募者が「機械に評価されたくない!」と抗議。結局、人間の面接官に戻したら、その面接官はAIが選んだ人と同じ人を採用した話とか、色々と話したのですが、その話をずらずらと動画にしても意味がないので、ChatGPTにこう聞いてみました。

「今の会話を第三者が聞いていたとして、どんな疑問が湧くかのか
 第三者の気持ちになって私に質問してみて。」

いつもAIに質問ばかりしますからね、逆に質問してもらって自分の頭を整理する方法です。

ChatGTPがしてきた質問は以下の10個です。
1)AIが進化する中で、本当に「人間にしかできないこと」は何が残るのでしょうか?
2)特権にしがみつかないために、私たちは具体的にどのような行動を取るべきでしょうか?
3)AIとの共生を模索する場合、実際にどのような方法で共生が可能なのでしょうか?
4)過去のラッダイト運動や学生運動から学べる具体的な教訓は何ですか?
5)AIがもたらす雇用の喪失に対して、社会はどのように対応すべきでしょうか?
6)「人間特権」に固執することのデメリットやリスクは何でしょうか?
7)AI時代に適応するために、教育やスキル開発はどのように変化すべきですか?
8)AIが倫理的な判断を学習できるといっても、その限界や問題点はないのでしょうか?
9)AIの進化がもたらす社会的不平等や新たな特権の発生をどう防ぐことができますか?
10)最終的に、私たちはどのような価値観やマインドセットを持つべきなのでしょうか?

この後、わたしの答えを出していきますが、皆さんもよかったら同じ質問を考えてみてください。
数学の問題ではないので、正解は存在しなというのが、わたしの考えです。
わたしの答えは、あなたには意味がありません。
しかし、あなたの答えは、あなたには意味のあるものだと思います。

それでは、わたしの答えです。
1)AIが進化する中で、本当に「人間にしかできないこと」は何が残るのでしょうか?
A.楽しむこと。

2)特権にしがみつかないために、私たちは具体的にどのような行動を取るべきでしょうか?
A.手放し力を付ける。よい意味での「どうでもいい」という感覚。

3)AIとの共生を模索する場合、実際にどのような方法で共生が可能なのでしょうか?
A.ゼロから全て人力でやろうとしない。AIの得意な部分はAIに任せる。
 その為には、最新のAIリテラシーが重要。

4)過去のラッダイト運動や学生運動から学べる具体的な教訓は何ですか?
A.歴史は繰り返される。しかし結果は淘汰される。

5)AIがもたらす雇用の喪失に対して、社会はどのように対応すべきでしょうか?
A.これは受け入れるしかない。労働者の権利を主張しすぎた結果に過ぎない。

6)「人間特権」に固執することのデメリットやリスクは何でしょうか?
A.変化に対応できなければ、大手テック企業に全て持っていかれる。

7)AI時代に適応するために、教育やスキル開発はどのように変化すべきですか?
A.特級クラスの人材であれば、その分野の教育やスキル開発に携わった方が良いが
 それ以外はAIに任せるべき。

8)AIが倫理的な判断を学習できるといっても、その限界や問題点はないのでしょうか?
A.限界や問題点はもちろんあるが、いずれ解決される。時間の問題。

9)AIの進化がもたらす社会的不平等や新たな特権の発生をどう防ぐことができますか?
A.これはAIリテラシーを向上させる以外ない。いずれはAIにより理想の政治
 つまり本当の富の再分配が可能となるが、それまでは必ず不平等は発生する

10)最終的に、私たちはどのような価値観やマインドセットを持つべきなのでしょうか?
A.自己利益ではなく他者利益のマインドセット。

たまにはこのようにAIに質問してもらうと、自分の中の言語化されていない部分が言語化されて便利です。
ぜひやってみてください。



Just be hopeful

【NO.127】AIを、何に使っていいか分からない。

AIを、何に使ったらいいか分からない。
こう思っている人は多いと思います。

多くの人が、何に使っていいか分からないので、問題ない。
これも一つの考え方だと思います。
しかし、本当にそれで大丈夫でしょうか?

「AIを、何に使ったらいいか分からない。」
つまり、これは

・現場のビジネスでの問題点を理解していない。
・現在の技術で何が出来るか理解していない。

このどちらかか、または両方であることを意味します。

この両方をクリアしている企業が各業界に現れれば、その業界はその企業によって淘汰される可能性があります。
これは私の業界も例外ではなく、全ての業界に当てはまると言っても過言ではありません。

「AIを何に使ったらいいか分からない」
という言葉を深く考えずに口にしてしまう現状を、私たちは見過ごしてはいけないと思います。

今回は、最新のAIを使って行った一つのテストから、今後の社会やビジネスの変化についてお話ししたいと思います。このテスト例を皆様の業界に当てはめて考えていただければ、理解が深まるのではないかと思います。

上のYoutubeを再生して頂くと、架空のアーティストのミュージックビデオ(MV)が流れます。
このMVの制作には、以下の4つのAIを使用しました。
・言語生成AI
・画像声AI
・楽曲生成AI
・動画生成AI

まず、架空のアーティストグループ「Quad Beat」という4人組と、フィーチャリングする「NOA」というキャラクターを画像生成AIで作成しました。そして、弊社のコピーである「Just be hopeful」という曲名で、言語生成AIに歌詞を生成してもらいました。
次に、その歌詞を楽曲生成AIに入力し、曲を作ってもらいます。曲のシーンをイメージし、それを画像生成AIでワンカットずつ作成。それらを動画生成AIで動画化し、編集を繰り返して完成させました。

一度で理想のものが出来上がることは稀です。
何度も試行錯誤を繰り返し、理想に近づけていきました。
この2分弱の動画でも、仕事の合間に取り組み、完成までに約3週間かかりました。

動画生成AIは今年から始まったサービスなので、まだまだ荒削りな部分がありますが、それでもそれらしい動画に仕上がったと思います。

重要なのは、これが一人で完成できるということです。
このようなことが、さまざまな業界で可能になりつつあります。

リアルの世界で、このようなMVを作る場合は、どれだけの人間が携わると思われますか?
アーティスト5人はもちろん、そのマネージャーから、所属事務所の人々、作詞家、作曲家、レーベルの人々、プロデューサー、ディレクター、カメラマン、照明さん、音響さん、メイクさん、スタイリスト、etc.

とてつもない人数が関わります。

従来のビジネスは、多くの人々が専門知識を持ち寄って成り立っています。
一人の専門知識では稼げる額に限界があるため、多くの人が関与し、より大きなビジネスへと成長させていきます。

しかし問題は、組織が大きくなりすぎると全体の詳細を把握している人がいなくなることです。私は多くの企業と仕事をしていますが、他の部署の質問に答えられる人はほとんどいません。これは人間であれば致し方ないことであり、決して悪いことではありません。

人間同士が絶妙なバランスを保ちながら形を作ってきましたが、そこにAIが加わりました。
来年には二足歩行の家庭用ロボットも発売開始される予定です。驚くべきはその価格で、約200万円程度だそうです。
そうなると、数年以内に企業向けの人型ロボットが発売されていくと考えられます。

未来の街にロボットが歩いている世界。
それは誰もが一度は想像したことがあるでしょう。
その未来は思っていたよりも早く訪れそうです。

今の技術進化を軽視しない方がいいです。

Just be hopeful

【NO.126】webやAIで簡単に情報や答えが手に入る時代の注意点と重要点

webやAIで簡単に情報や答えが手に入る時代の注意点と重要点

webやAIが進化して、私たちは瞬時に情報や答えにアクセスできる時代。
しかし、そんな便利な時代こそ、気をつけなければいけないことがあります。

それは、情報は常に価値観とセットで入ってくるということ。
これを理解していないと情報の沼にハマります。

小さいことから例えると、商品レビューやお店の口コミなどです。
ある人がその商品の背景にある企業の理念や価値観に共感している場合、製品そのものの質とは別に、その企業の理念を強調してポジティブな評価をすることがあります。
当然逆パターンのネガティブな評価もあります。

中くらいだと、ニュースメディアの報道です。
ニュース報道は、客観的な事実を伝えることが目的ですが、報道機関ごとに編集方針や価値観が異なるため、同じ出来事でも異なる角度から伝えられます。例えば、ある政治的な問題について、保守系のメディアとリベラル系のメディアでは報道の仕方が大きく異なることがあります。

大きなことになると、歴史教育あたりではないでしょうか。
歴史の教科書や授業で教えられる内容も、その国や地域の価値観によって選別されます。たとえば、戦争や紛争に関する出来事は、国ごとの立場によって異なる側面が強調されることが多いです。

また、単純な思想的な価値観もあれば
利害関係のあるポジショントークもあります。

ポジショントークは、SNSを使ったステルスマーケティング(ステマ)も含まれます。
ステマは景品表示法に基づいて規制されていて、違反した場合は罰則が科されることがありますが、政府がステマを依頼したこともあり、実際はメチャメチャです。

このように、ほとんどの情報は価値観とセットか、利害関係とセットで入ってきます。
情報の沼にハマらないようにするには

  1. 価値観と情報の背景を意識する
  2. 多様な情報源に触れる
  3. 批判的思考(クリティカルシンキング)を養う

この3つが重要となってきます。

「この情報にはエビデンスがある!」と研究者のデータを見せられると信用してしまう人も多いかと思いますが
そもそも、研究の論文は、研究者の70%以上が他の科学者の実験を再現しようとして失敗しており、半数以上が自分の実験の再現に失敗しているという「再現性の危機」という問題は一見の価値があります。
natureの記事のリンクです。
https://www.nature.com/articles/533452a

このように、科学の世界では『再現性の危機』が問題視されています。多くの実験が再現できないという事実は
失敗が科学において重要な学びであることを示しています。

なぜなら、失敗はサイエンスで、成功はアートだからです。

つまり、失敗は繰り返して確認できる一方で
成功は一度きりの特別なものとして捉えられ、再現するのが難しいのです。

そして、最後に
情報の沼にハマらない為に、注意しなければいけないのがフィルターバブルです。

SNSや検索エンジンがあなたにぴったり合った情報を提供してくれる…と一見便利に見えるこのアルゴリズムという仕組みですが、この仕組みは時に、対立意見や新しい視点を隠すことがあり、偏った思考になりがちです。
常に自分のフィルターの精度を上げる意識が重要になってきます。

現代の情報社会では、多くの人が明確な白か黒の答えを欲しがります。『どちらが正しいのか?』と求めがちですが、現実の問題はそんなに単純じゃない。世の中には多くのグレーゾーンがあり、複雑な要因が絡み合っているんです。
このような曖昧さを認めず、単純化された答えを求めると、自分の価値観が他者に左右されやすくなってしまいます。

価値観が他者に左右されやすくなると
多くの人が、一貫性を無くし自分を見失います。

そりゃそうです。
自分の中に何人の他者がいるのかって感じです。
24人のビリーミリガンどころではありません。

以上、この情報をわたしの価値観とセットでお送りしました。
ぜひ、批判的思考をしてみてください。

Just be hopeful

【NO.125】話題の動画生成AI runway Gen-3で短編映画を作ってみた。

【話題の動画生成AI】runway Gen-3で短編映画を作ってみた。

先日、動画生成Aiのrunwayがバージョンアップし、機能が向上したとのことで早速試しに短編映画を作ってみました。
ストーリーと編集は私が担当し、映像・ナレーション・BGMはAIで生成しています。

今回使用した動画生成AIは、runwayというもので、現在では最長で10秒の動画が生成出来ます。
この動画生成AI以外で、最近話題なのはLUMA AIというものですが、これは現在最大5秒の動画しかできません。

動画生成AIの本命は、ChatGPTでお馴染みのOpenAIのsoraが期待されており、これは最大60秒の動画生成が可能と言われていて、近いうちにリリースされると思います。

静止画である画像生成AIは、かなりのクオリティーまで来ましたが、動画はまだまだ改良点が多く必要な感じです。
しかし、1年前では考えられないほどの進歩をしておりますので、数年以内に一般人には判断出来ないクオリティになると思われます。

わたしがお伝えしたいのは、現在の技術はここまで来ていますと言うことです。

映像なんて作らないので、自分には関係ないと思う人も多いと思いますが
では、映像を見ない日が1日でもある人は極端な少数になると思います。

今までもテレビのニュースですら虚像された映像はありました。
静止画像によるフェイクニュースは、現在では至る所にあります。
では、動画によるフェイクニュースが広まった時、ご自身のフィルターにかける自信はございますか?
これはフェイクニュースだと話題になれば、気づくかもしれません。
しかし、それもフェイクニュースの可能性もあります。

このような問題に対処するためにも
現在の科学技術で何が出来るか?
ということは知っていてマイナスはないと思います。

Just be hopeful

9-4 メンテナンスとアップデート:コンテンツの更新と再利用

9-4 メンテナンスとアップデート:コンテンツの更新と再利用

コンテンツの更新と再利用

はじめに
ウェブサイトのコンテンツは、ユーザーの関心を引き続けるために定期的に更新する必要があります。また、既存のコンテンツを再利用することで、コンテンツ作成の効率を向上させることができます。本章では、コンテンツの更新と再利用の重要性、および具体的な方法について詳しく説明します。

1.コンテンツの更新の重要性

1) SEOの向上
検索エンジンは、新鮮で関連性の高いコンテンツを好むため、定期的にコンテンツを更新することで、検索エンジンのランキングを向上させることができます。

2) ユーザーエンゲージメントの向上
最新の情報を提供することで、ユーザーの関心を引き続け、サイトへのリピート訪問を促すことができます。コンテンツの更新は、ユーザーに価値のある情報を提供するために重要です。

3) ブランドの信頼性向上
定期的なコンテンツ更新は、ブランドが常に最新情報を提供していることを示し、信頼性を高めます。ユーザーは信頼できる情報源から情報を得ることを好みます。

2. コンテンツの更新方法

1) 定期的なレビューと更新計画の策定
コンテンツの定期的なレビューを行い、古くなった情報や誤った情報を更新します。更新計画を策定し、どのコンテンツをいつ更新するかをスケジュールします。

2) ユーザーフィードバックの活用
ユーザーフィードバックを収集し、ユーザーが求める情報や改善点を反映させます。フィードバックを基にコンテンツを更新することで、ユーザーのニーズに合った情報を提供できます。

3) 最新情報の追加
業界のトレンドやニュース、新しい研究結果などを取り入れて、コンテンツを最新の状態に保ちます。これにより、ユーザーにとって価値のある情報を提供できます。

4) 内部リンクの更新
新しいコンテンツを作成した際には、既存のコンテンツから内部リンクを追加し、サイト内のナビゲーションを改善します。内部リンクはSEOにも効果的です。

3.コンテンツの再利用の重要性

1) 効率の向上
既存のコンテンツを再利用することで、新しいコンテンツを作成するための時間とリソースを節約できます。効果的なコンテンツ戦略を維持しながら、効率を向上させることができます。

2) コンテンツの多様化
異なる形式で再利用することで、同じコンテンツを異なるオーディエンスに届けることができます。これにより、リーチを拡大し、エンゲージメントを向上させることができます。

3) SEOの強化
再利用されたコンテンツは、新しいコンテキストで再びインデックスされるため、SEOの効果を持続させることができます。

4. コンテンツの再利用方法

1) ブログ記事のリフレッシュ
古いブログ記事を見直し、最新情報や新しい視点を追加して再公開します。これにより、既存の記事が再び注目を集め、トラフィックを増加させることができます。

2) マルチメディアコンテンツへの変換
テキストコンテンツを動画、インフォグラフィック、ポッドキャストなどの異なる形式に変換して再利用します。これにより、異なるオーディエンスにアプローチできます。

					
<iframe src="https://www.example.com/infographic" width="600" height="400"></iframe>

				

3) ソーシャルメディアでの活用
既存のコンテンツをソーシャルメディアでシェアし、再利用します。短い引用や要約を投稿することで、フォロワーに対して価値のある情報を提供します。

4) ホワイトペーパーやEブックの作成
関連するブログ記事や調査結果をまとめて、ホワイトペーパーやEブックとして再利用します。これにより、ダウンロード可能なリソースを提供し、リードジェネレーションを促進します。

5. コンテンツ管理ツールの活用

効果的なコンテンツ更新と再利用を実現するために、コンテンツ管理ツールを活用します。以下のツールが役立ちます。
  • Content Management System(CMS): WordPress、Drupal、JoomlaなどのCMSを使用して、コンテンツの作成、編集、管理を効率化します。
  • コンテンツカレンダー: Trello、Asana、CoScheduleなどのツールを使用して、コンテンツの更新計画や再利用のスケジュールを管理します。
  • SEOツール: Google Analytics、Ahrefs、SEMrushなどのツールを使用して、コンテンツのパフォーマンスを監視し、SEO戦略を最適化します。

6. 成功事例

事例1: HubSpot
HubSpotは、古いブログ記事を定期的にリフレッシュし、新しい情報や視点を追加して再公開しています。これにより、既存の記事が再び検索エンジンでのランキングを向上させ、トラフィックの増加に成功しています。

事例2: Moz
Mozは、ブログ記事やホワイトペーパーをインフォグラフィックや動画に変換し、ソーシャルメディアで共有することで、異なるオーディエンスにリーチしています。この戦略により、コンテンツの多様化とエンゲージメントの向上を実現しています。

7. まとめ

コンテンツの更新と再利用は、ユーザーエンゲージメントを維持し、SEO効果を持続させるために不可欠です。定期的なレビューと更新計画の策定、ユーザーフィードバックの活用、最新情報の追加、内部リンクの更新などを行うことで、コンテンツを最新の状態に保ちます。また、既存のコンテンツを再利用することで、効率を向上させ、リーチを拡大します。これらの戦略を実践することで、効果的なコンテンツマーケティングを実現しましょう。

9-3 メンテナンスとアップデート:バックアップ戦略

9-3 メンテナンスとアップデート:バックアップ戦略

バックアップ戦略

はじめに
バックアップ戦略は、データの損失やシステム障害に備えるための重要な手法です。適切なバックアップ戦略を導入することで、ビジネスの継続性を確保し、データの復旧を迅速に行うことができます。本章では、効果的なバックアップ戦略の構築方法と具体的な実践方法について詳しく説明します。

1.バックアップ戦略の重要性

1) データ損失の防止
ハードウェアの故障、人為的ミス、サイバー攻撃など、さまざまな要因でデータ損失が発生する可能性があります。定期的なバックアップを行うことで、これらのリスクに対処し、重要なデータを保護します。

2) ビジネス継続性の確保
システム障害や災害が発生した場合でも、迅速にデータを復旧することで、ビジネスの継続性を確保できます。適切なバックアップ戦略は、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。

3) コンプライアンスの遵守
多くの業界では、データの保存と保護に関する規制が存在します。バックアップ戦略を導入することで、これらの規制を遵守し、法的な問題を回避できます。

2. 効果的なバックアップ戦略の構築方法

1) バックアップポリシーの設定
バックアップポリシーは、どのデータをどの頻度でバックアップするか、どこに保存するかを定義するものです。以下のポイントを考慮して設定します。

  • データの重要度: 重要なデータは頻繁にバックアップし、冗長性を持たせます。
  • バックアップ頻度: データの変更頻度に応じて、日次、週次、月次のバックアップを設定します。
  • 保存期間: バックアップデータをどのくらいの期間保存するかを定めます。
  • 保存場所: ローカル、オフサイト、クラウドなど、データの保存場所を決定します。

2) バックアップタイプの選定
バックアップには、フルバックアップ、増分バックアップ、差分バックアップの3種類があります。それぞれの特徴を理解し、適切なタイプを選定します。

  • フルバックアップ: すべてのデータを完全にバックアップします。復元が簡単ですが、時間とストレージを多く消費します。
  • 増分バックアップ: 前回のバックアップ以降に変更されたデータのみをバックアップします。ストレージと時間を節約できますが、復元には全ての増分バックアップが必要です。
  • 差分バックアップ: 最後のフルバックアップ以降に変更されたデータをバックアップします。増分バックアップよりも復元が簡単ですが、ストレージを多く消費します。

3) バックアップの自動化
手動でのバックアップはミスが発生しやすいため、自動化することが推奨されます。以下のツールを使用して、バックアップを自動化します。

  • rsync: Linux環境でのファイルバックアップに広く使用されるツールです。
  • Windows Backup: Windows環境でのシステムバックアップに使用されるツールです。
  • クラウドバックアップサービス: AWS Backup、Google Cloud Backup、Azure Backupなど、クラウドベースのバックアップサービスを利用します。

4) バックアップのテストと検証
バックアップが正常に行われているかを定期的にテストし、データの復元が正しく行えることを確認します。これにより、バックアップの信頼性を高めることができます。

					# rsyncによるバックアップの例
rsync -av --delete /source/directory /backup/directory

				

3.具体的なバックアップ手順

ローカルバックアップ
  1. バックアップディレクトリの作成: バックアップデータを保存するためのディレクトリを作成します。
  2. スクリプトの作成: rsyncなどのツールを使用して、バックアップスクリプトを作成します。
  3. 自動化設定: cronジョブやタスクスケジューラを使用して、定期的にバックアップが実行されるよう設定します。
クラウドバックアップ
  1. クラウドサービスの選定: AWS、Google Cloud、Azureなどのクラウドバックアップサービスを選定します。
  2. 設定の作成: クラウドサービスの管理コンソールで、バックアップジョブを作成し、設定を行います。
  3. 自動化設定: クラウドサービスの機能を使用して、自動的にバックアップが実行されるよう設定します。
					# AWS Backupの設定例
BackupPlan:
  BackupPlanName: "MyBackupPlan"
  Rules:
    - RuleName: "DailyBackup"
      TargetBackupVault: "MyBackupVault"
      ScheduleExpression: "cron(0 12 * * ? *)"
      StartWindowMinutes: 60
      CompletionWindowMinutes: 180
      Lifecycle:
        MoveToColdStorageAfterDays: 30
        DeleteAfterDays: 365

				

4. バックアップ戦略の成功事例

事例1: 中小企業のバックアップ戦略
ある中小企業は、オンプレミスのファイルサーバーとクラウドストレージを組み合わせたバックアップ戦略を導入しました。日次の増分バックアップをローカルに保存し、週次のフルバックアップをクラウドに保存することで、データの冗長性と可用性を確保しています。また、定期的なテストを実施し、復元プロセスの信頼性を高めています。

事例2: 大規模企業のバックアップ戦略
大規模企業では、複数のデータセンターとクラウドを活用した分散バックアップ戦略を採用しています。データのリアルタイムレプリケーションを行い、災害発生時にも迅速に業務を再開できるようにしています。さらに、専用のバックアップ管理チームが、バックアップポリシーの遵守と定期的な監査を実施しています。

5. まとめ

バックアップ戦略は、データの損失やシステム障害に備えるための重要な手法です。適切なバックアップポリシーを設定し、フルバックアップ、増分バックアップ、差分バックアップの各手法を活用して、データの安全性を確保します。バックアップの自動化と定期的なテストを通じて、信頼性を高めることが重要です。これらの戦略を実践することで、ビジネスの継続性を確保し、データの復旧を迅速に行うことができます。

9-2 メンテナンスとアップデート: ウェブサイトのスケーラビリティ

9-2 メンテナンスとアップデート: ウェブサイトのスケーラビリティ

ウェブサイトのスケーラビリティ

はじめに
ウェブサイトのスケーラビリティは、トラフィックの増加に伴ってシステムのリソースやパフォーマンスを効率的に拡張できる能力を指します。スケーラビリティの確保は、ユーザー体験を損なわずにビジネスの成長をサポートするために不可欠です。本章では、ウェブサイトのスケーラビリティの重要性と具体的な方法について詳しく解説します。

1.スケーラビリティの重要性

1) ユーザーエクスペリエンスの向上
トラフィックの増加に対応できないウェブサイトは、遅延やクラッシュが発生し、ユーザーエクスペリエンスが低下します。スケーラブルなシステムは、ピーク時のトラフィックにも対応し、安定したパフォーマンスを提供します。

2) ビジネスの成長支援
ウェブサイトのトラフィックが増加すると、より多くのリソースが必要になります。スケーラブルなシステムは、ビジネスの成長に伴う需要に対応できるため、新たなビジネスチャンスを逃すことがありません。

3) コスト効率の向上
スケーラビリティを考慮した設計は、必要なリソースを効率的に利用し、無駄なコストを削減します。これにより、予算内で最大の効果を得ることができます。

2. スケーラビリティを確保する具体的な方法

1) 水平スケーリングと垂直スケーリング
  • 水平スケーリング(スケールアウト): 新しいサーバーやインスタンスを追加することで、システム全体の処理能力を向上させます。これはトラフィックの増加に対応する一般的な方法です。
  • 垂直スケーリング(スケールアップ): 既存のサーバーのCPU、メモリ、ストレージなどのリソースを増強することで、処理能力を向上させます。

2) 負荷分散
負荷分散は、トラフィックを複数のサーバーに均等に分配し、システム全体の負荷を軽減します。これにより、特定のサーバーへの過負荷を防ぎ、システムの安定性を向上させます。

					
<LoadBalancer>
  <Name>my-load-balancer</Name>
  <Instances>
    <Instance>i-12345678</Instance>
    <Instance>i-87654321</Instance>
  </Instances>
  <HealthCheck>
    <Target>HTTP:80/ping</Target>
    <Interval>30</Interval>
    <Timeout>5</Timeout>
    <UnhealthyThreshold>2</UnhealthyThreshold>
    <HealthyThreshold>10</HealthyThreshold>
  </HealthCheck>
</LoadBalancer>

				

3) キャッシング
キャッシングは、頻繁にアクセスされるデータを一時的に保存し、データベースへの負荷を軽減します。これにより、応答時間を短縮し、全体のパフォーマンスを向上させます。

  • ブラウザキャッシュ: クライアント側でキャッシュを設定し、再訪問時の読み込み時間を短縮します。
  • サーバーキャッシュ: サーバー側でキャッシュを設定し、動的コンテンツの生成を最小限に抑えます。
  • CDN(コンテンツデリバリネットワーク): グローバルに分散されたサーバーからコンテンツを配信し、ユーザーの地理的な位置にかかわらず高速なアクセスを提供します。
					
<Cloudflare>
  <Zone>example.com</Zone>
  <CacheLevel>cache_everything</CacheLevel>
  <Minify>
    <HTML>true</HTML>
    <CSS>true</CSS>
    <JS>true</JS>
  </Minify>
</Cloudflare>

				
4) データベースのスケーラビリティ
  • リードレプリカ: データベースの読み取り専用のコピーを作成し、読み取りリクエストを分散させます。
  • シャーディング: データベースを複数のサーバーに分散し、各サーバーがデータの一部を管理することで、スケーラビリティを向上させます。
  • インデックスの最適化: 適切なインデックスを設定し、クエリのパフォーマンスを向上させます。

5) サーバーレスアーキテクチャ
サーバーレスアーキテクチャは、インフラストラクチャの管理をクラウドプロバイダーに任せ、必要なときに自動的にリソースをスケールさせることができます。これにより、リソースの効率的な利用が可能になります。

					// AWS Lambda関数の例
exports.handler = async (event) => {
    const response = {
        statusCode: 200,
        body: JSON.stringify('Hello from Lambda!'),
    };
    return response;
};

				

3.スケーラビリティの監視とテスト

1) 監視ツールの導入
スケーラビリティを維持するためには、システムのパフォーマンスを常に監視することが重要です。以下のツールを使用して、リソースの使用状況やトラフィックのパターンを監視します。

  • New Relic: アプリケーションのパフォーマンスをリアルタイムで監視します。
  • Datadog: インフラストラクチャ全体の監視と分析を行います。
  • AWS CloudWatch: AWSリソースの監視とログ管理を提供します。

2) 負荷テストの実施
定期的に負荷テストを実施し、システムが高トラフィックにどのように対応するかを評価します。以下のツールを使用して、負荷テストを実施します。

  • Apache JMeter: パフォーマンステストと負荷テストを行うためのオープンソースツールです。
  • Locust: 分散負荷テストを実施できるPythonベースのツールです。
  • BlazeMeter: クラウドベースの負荷テストツールで、大規模な負荷テストを簡単に実施できます。
					# Locustのインストール
pip install locust

# テストスクリプトの例
from locust import HttpUser, TaskSet, task

class UserBehavior(TaskSet):
    @task
    def index(self):
        self.client.get("/")

class WebsiteUser(HttpUser):
    tasks = [UserBehavior]
    min_wait = 5000
    max_wait = 9000

				

4. まとめ

ウェブサイトのスケーラビリティは、トラフィックの増加に対応し、ユーザーエクスペリエンスを向上させるために不可欠です。水平スケーリングと垂直スケーリング、負荷分散、キャッシング、データベースのスケーラビリティ、サーバーレスアーキテクチャなどの手法を活用することで、スケーラブルなシステムを構築できます。さらに、監視ツールの導入や定期的な負荷テストを通じて、システムのパフォーマンスを継続的に評価し、最適化を図ることが重要です。これらの手法を実践し、ビジネスの成長に対応できるウェブサイトを構築しましょう。