【NO.87】NFTとか、仮想通貨とか、お金のお話。

【NO.87】NFTとか、仮想通貨とか、お金のお話。

このお話、質問される事も多く、書こう書こうと思っていたのですが、NFTの話をすると、どうしても仮想通貨の話も出てきますし、そうなるとそもそもお金って、という話に長くなりそうなので怯んでいましたが、自分の頭の整理の為にも書いてみようと思いますので、お付き合い頂けると幸いです。

まず、NFTのお話から。
少し前にかなり話題になりましたが、最近は少し控えめになって来た印象です。

ツイッターCEOのジャック・ドーシー自身が行った世界で最初のツイートに3億近い値段がついたとか、ビープルのデジタルアート作品が約75億円の値段がついたなどの話題でした。

NFTとはNon Fungible Token(ノン・ファンジブル・トークン)のことで、直訳すると代替不可能なトークンという意味になります。簡単に言うとデジタルだけど「1点物」と言うことですね。

デジタルなので、誰でもコピー出来る物もあります。
先程の約75億円のビープルの作品、誰でもググればすぐに出てきて、コピーして保存できます。
だけどそれはコピーなので、残念ながら75億円の価値はありません。

どれが本物かと言うのが証明出来るからで、出来るからこのような値段がついています。
それを可能にしているのがブロックチェーンと言う技術です。

この技術がとにかくすごく、まだまだ発展は必要な部分もあると思いますが、将来的には様々なものに可能性の広がる技術です。

今までのデータと言うものは、1箇所にまとめられ管理されているのですが、そうなると改ざんされるなどのリスクがありますが、ブロックチェーンは分散型で管理をするので、改ざんがまず不可能です。

仮想通貨も、このブロックチェーンの技術で運用されています。

NFTとか仮想通貨の話になると、どうしても「儲かる?」と言う投資としてどうかと言う話ばかりに注目をされますが、元々これらは「思想」の話であると言うことを理解しておくことは大切だと思います。

例えば、日本円であれば日本国、アメリカドルであればアメリカ合衆国と言う親分のいる中央集権型です。この親分達を信用出来なくなって来ている時代の流れが、この技術開発の背景にあり、今のパワーバランスおかしくね?俺たちは俺たちでやるから!と言うパワーを分散させた非中央集権型のリベラルな思想の元にできております。

ロックですね。

元々は1980年代の後半から活動が盛んになってきたサイファーパンクと言う活動家たちの思想が元となっています。

つまり、思想とテクノロジーを融合させたのが、このブロックチェーンの技術であり、そのブロックチェーンを使って運用しているのが、仮想通貨やNFTになるわけです。

その思想、ロックだねぇ。いいねぇ!
俺もロックだぜっ!

のノリで広まったのが有名な仮想通貨のビットコインです。

親分に管理なんてされたくないぜ!自己責任で管理するぜ!
と言う思想なので、売れれば有名ロックミュージシャンですが、売れなければ普通の不良です(笑)
ビットコインは売れたので、有名なロックになったわけです。

親分である国としては、リベラル思想は厄介なので、どうにか管理したいと躍起になってるのが今の現状ではないでしょうか。

しかし、中央集権型のパワーバランスおかしくね?から始まった非中央集権型の思想ですが、ビットコインで言えば数%の人が全体の90%近いビットコインを持っていると言う話で、それもパワーバランスおかしくね?と言う矛盾が生まれて来ています。

その数%の人が売り逃げすれば、ビットコインは大暴落するわけであり、
業界で言うその「ラストデイ」がいつになるかと言うのも注目の1つです。

また、電気自動車最大手のテスラが資産の一部をビットコインに、更にテスラ車をビットコインで支払い受け入れ準備中と発表して、その後過去最高値が付き、それを撤回するツイートをしたら数週間で40%以上の下落をすると言う事態も起きており、ほんとロックな感じです。

総数が限られているだけに、大きな資産が流れ込んだり、流出すれば乱高下する訳です。
つまりインサイダー取引的なことをしても、取り締まる法律がないロックな無法地帯でもあります。

そして、NFTや仮想通貨を「儲かるかどうか?」だけで考えている人には関係のない話かもしれませんが、実は大きな環境問題を抱えています。

このブロックチェーンと言う技術は、例えると、みんなが同じ通帳を持っているので、改ざんが出来ない仕組みなのですが、本当に改ざんが行われていないか確認をするマイニングと言う技術と併用されていて、このマイニングには次元の違う電力が必要になってくるのです。

ビットコインは、1トランザクション(1回の取引)あたり300kgのCO2を生み出すと算出されており、消費電力の少ないと言われているイーサリアムでさえ1トランザクションあたり20kgのCO2が排出すると言われているます。

CO2の20kgとは、ヨーロッパの家庭の4日分の排出量に匹敵します。
そうなるとビットコインで1トランザクションすると2ヶ月分のヨーロッパ家庭のCO2を排出する訳です。

NFTアートの場合はイーサリアムを使用していますので、1トランザクションするとヨーロッパ家庭の4日分のCO2を排出します。

人に優しく、自然に優しく、自分に厳しくをモットーとしてる私個人としては
これは、どうなのよ?と感じます。

確かにブロックチェーンは画期的で、NFTにしても仮想通貨にしても。大変将来性のある技術で、未来的にはそうなるだろうなと思いますが、まだまだ課題は大きいのではと考えており、ちょっと原子力発電に近い感じで、考えとしてはすごいけど、技術としてはまだ早いのかな?と言った印象です。

技術とはテストアンドエラーの繰り返しで発展することは重々承知ですが、破滅が先か、発展が間に合うかハイリスクハイリターンすぎる感じです。

今回、テスラがビットコインでの受け入れ中止を発表したのも、この電力消費が問題であると発表されています。環境を考え、電気自動車を販売している企業が環境悪化を招いていては意味がないので、英断と思えますが、私でも知ってる内容をイーロンマスクが元々知らない訳がないので、なんで最初にビットコインで受け入れすると話したのか理解しかねるところでもあります。

テスラがソフトウェアアップデート後にバッテリーの充電速度が遅くなった問題で、ノルウェーでの判決を受けて、最大243億円の補償金支払いを命じられ、上告しなければ、その支払い期限が2021年5月30日までとなってる事実もあり、テスラが約1640億円分のビットコインを購入したのが2021年2月。それと同時にビットコインでの支払い受け入れ準備を検討中と発表。翌月3月にはビットコインが過去最高値となり5月12日にビットコインでの支払い受付を停止と発表。

テスラ自体はビットコインの売却をしていないと発表しているが、他の名義でもいくらでもやりようはありそうなので、あれ?イーロンマスクやってね?(笑)とも思えてしまう。法律的には何の問題もないのも事実で、ツイートだけで、必要な補償金くらい簡単に稼げちゃう頭の良い人がいる可能性はあります(笑)

最初はロックな思想好きが集まって始まった仮想通貨が、リアルに買い物が出来るようになって、さらに注目が集まり、現在では「投資」と言う目的がメインなので、取引はまだまだ少ないと思いますが、これが本来の目的てある日常的に使える通貨となると、中央集権をぶっ壊すどころか、自然ごとぶっ壊してしまいかねないと言う、なんとも言えない理想と現実の間に真っ只中だと思います。

このような事が起き始めているのも、現在の資本主義経済の成長が限界に達したのかもしれませんね。
今まで価値のなかった物が、思想により価値があると言われれば価値があるようになる。

戦国時代に、武功を残した武将に褒美であげる城も石高もなくなり、「これは一城と同じ価値がある」と茶器に価値をつけて褒美として渡した話を思い出しました。

いつの時代も、価値を作り出した者勝ちってことですかね?
千利休は豊臣秀吉にぶった斬られてしまいましたが。。。

真面目な話を書き続けていたら、頭がプスプスとCO2を排出してきたので、続きの「そもそもお金って」と言うお話は次回に書かせて頂きます。

気持ちはロックでいたいですが
自然は大切にしたいです。

Just be hopeful