【NO.144】バイバイ、チャッピー

バイバイ、チャッピー

世界的なChat GPTの解約ムーブが起きています。

AIで世界を変えてくれたのは、Chat GPTが始まりでしたので
これ以上ないくらい感謝はしています。

だがしかしっ!今回は話しが違う。

わたしは「倫理」を大切にしてます。
なので今回は、惜しみもなく「バイバイ、チャッピー!」とお別れしました。

みなさんの中でも、今回の件でChat GPTを解約された人は多いのではないでしょうか?

「え?何が起きたの?」
という方もいると思うので、何が起きたかを登場人物と時系列順に簡単に説明させて頂きます。

まず登場人物
・ウォール・ストリート・ジャーナル、ご存じ老舗の報道機関です。
・Axios(アクシオス)、新興の政治専門のデジタルメディアです。
・Anthropic(アンソロピック)、Claude(クロード)AIを開発している企業。CEOはダリル・アモデイ
・OPenAI、ご存じChat GPTを開発している企業。CEOはサム・アルトマン
・国防総省(ペンタゴン)、現在の国防長官はピート・ヘグセス
・パランティア、軍事・安全保障向けの技術やシステムを提供する民間企業

2026年2月13日
ウォール・ストリート・ジャーナルが、軍がパランティアのプラットフォーム経由でClaudeを使用し、ベネズエラのマドゥロ大統領拘束作戦を行ったと報じました。
その後、Axios(アクシオス)が、「作戦の準備段階だけでなく、実際の作戦行動中にもClaudeが使用された」と追って報じました。

そして、Axiosが、国防総省の匿名高官の話として、「Anthropicがパランティアの幹部に対し、マドゥロ拘束作戦におけるClaudeの使用について問い合わせを行った」と報道。
民間企業が軍の機密作戦を「監査」しようとしているという見方は国防総省側の激しい怒りを買った。

ここまでの経緯を簡単にいうと
マドゥロ大統領拘束作戦にClaudeが使われたと報道されて、アモデイがパランティアに「あの報道まじすか?」と質問したら、ペンタゴンが「はぁ?民間が機密作戦に口出してんじゃねえよ」って激オコしたってことです。

2026年2月24日
ヘグセス国防長官がAnthropicのダリオ・アモデイCEOと会談し、2月27日の午後5時1分を期限として、軍事利用の制限を撤廃するよう最後通告を突きつけました。要求に応じない場合は、契約打ち切り、国防生産法(DPA)の発動、および「サプライチェーンリスク」への指定を行うと脅迫しました。

激オコの国防長官が、ペンタゴンにアモデイCEOを呼び出して
Claudeの制限を解除して、すべての機能を軍事的に使えるようにしろ、さもないとサプライチェーンリスク、つまり敵国のIT企業と同等のブラックリスト入りさせるぞ!と脅迫したわけです。

2026年2月26日
アモデイCEOは声明を発表し、「良心に従い要求には応じられない」として、大量監視と自律型兵器への使用禁止というセーフガードを維持する姿勢を明確にして、国防総省の要求を公式に拒否しました。

つまり、ペンタゴンの脅迫に対して「やだっ!」って答えたわけです(笑)

2026年2月26日
Anthropicが国防総省の要求を公式に拒否した同日夜、アルトマン氏は従業員宛てに社内メモを送付しました。メモの中でアルトマン氏は、「事の経緯はどうであれ、これはもはやAnthropicと戦争省(国防総省)だけの問題ではない。これは業界全体の問題であり、私たちの立場を明確にすることが重要だ」と述べ、アモデイ氏を支持する態度を明確にしました。また、大量監視や自律型兵器の禁止といったAnthropicの「超えてはならない一線(レッドライン)」をOpenAIも共有しているとし、事態の沈静化に協力したいと記していました。

ここが、結構重要なんです。
アモデイは元Open AIの人間で、アルトマンとの思想の違いから別企業であるAnthropicを立ち上げ、バチバチにやり合ってるライバル企業で、バチバチに仲が悪いんです。だけど、この件に対してはアルトマンは擁護に回ったのです。
なので、この時は世間はアルトマンを称賛しました。

2026年2月27日
期限の数時間前、トランプ大統領がSNSでアンソロピックを「急進左派のAI企業」と非難し、連邦政府のすべての機関に対してAnthropicの技術の使用を直ちに停止(6ヶ月の段階的移行期間を設定)するよう指示しました。
期限経過後、ヘグセス国防長官はアンソロピックを国家安全保障上の「サプライチェーンリスク」に指定しました。

期限前にアモデイが「やだっ!」って答えましたからね。
期限前にトランプ大統領もオコでした。
結果、Anthropicがブラックリスト入り。

で、ここがビックリ。
同日の27日
ライバル企業であるOpenAIが、国防総省との間で機密システムへのAI導入契約で合意したと発表しました。OpenAIのサム・アルトマンCEOは、Anthropicと同様の「大量監視と自律型兵器の禁止」という原則を法律やポリシーの枠内で合意に盛り込んだと主張しています。

これが世間を「はぁああぁぁあああぁぁああああぁぁあああぁあああ!」とさせたのです。

アルトマン、君は昨晩ライバルであるアモデイを擁護してたよね?
だからみんな称賛したんだよね?
なのに裏で交渉進めてたの?
Anthropicの主張と同じ内容で契約したってどういうこと?
なんでAnthropicはダメで、OpenAIなら同じ条件をペンタゴンが飲むの?それきな臭い!
と、なったわけです。

ブラックリスト入りさせといて、軍はその後のイランへの攻撃にClaude使ってるって、報道されて。

結果、Chat GPTの解約ムーブが始まりました。
アルトマンは解約を阻止したいので
その後、いくつもアップデートやサービスを公開。

やらしいんだよね動きが。
美しくない。

みなさんは、今回の事どう思いました?

サム・アルトマンの功績は、確かに素晴らしいと思うんですよ。
今の世界的なAIの進化は、サム・アルトマンのおかげと言っても間違いないと思いますからね。
だけど、今回の件はわたしはドン引きしました。

あと、今回の件でビックリしたのは
元々、軍事利用にAIの制限があったんだなということ。
わたしは既に制限なんかないと思ってました。

AIはさまざまなリスクも伴うものなので
Anthropicみたいな企業にアモデイのようなトップがいることは
わたしは安心できるなと思いました。

Just be hopeful.

【NO.144】英語の壁、AIでぶっ壊せる。
「わかりやすい日本語にして」のひと言が最強だった件

1日で人生を変える方法 「わかりやすい日本語訳版」

2025年ももう2ヶ月が過ぎました。
年始に「今年こそは○○するぞ」と目標を立てた人、正直に言ってほしい。今も続いてます?
安心してください、別に責めてるわけじゃない。むしろ今日は、そんなあなたにピッタリの話を持ってきました。

1月中旬、Xでやたらシェアされている投稿を見かけた。
海外のクリエイター、ダン・コーという人物が書いた英語のテキストで、テーマは「1日で人生を変える方法」。

今年の目標が続かない人に刺さる内容らしく、かなり拡散されていた。気になったので読んでみることにした。
ただ、当然ながら英語だ。

ブラウザの翻訳機能で日本語にしてみたけど、正直よくわからない。心理学の話やアドラーの引用が出てくるし、抽象的な概念が多い。直訳された日本語を読んでも「なんとなくわかるけど、腹落ちしない」という状態になる。
そこで試しに、このテキストをAIに貼り付けて「わかりやすい日本語に翻訳して」と頼んでみた。

これが驚くほど違った。
同じ内容なのに、すっと頭に入ってくる。AIは直訳ではなく、意味を理解した上で日本語として自然な文章に組み替えてくれる。文脈を読んで、省略されている主語を補い、日本人が読んで「なるほど」と思える表現に変えてくれる。
たったひと言「わかりやすい日本語にして」と付け加えるだけで、理解度がまるで変わる。

おかげでこの投稿の内容をしっかり理解できた。そして読んでみたら、これがかなり面白い。
せっかくなので、この内容を動画にしてみました。
動画は上に埋め込んでます。

数年前まで、英語圏の最新情報をリアルタイムで理解するには、相当な英語力が必要だった。留学経験があるとか、英語で仕事をしているとか、そういう人だけが持てる「情報のアドバンテージ」があった。
今はもう違う。AIに「わかりやすい日本語にして」と言えるかどうか。知っているか、知らないか。ただそれだけの差になりつつある。

英語の論文だって、技術的な知識だって、海外の料理レシピだって。
今まで「英語だから」と敬遠していた情報が、たったひと言で手に届くようになった。
知りたいことがあるのに、言語の壁で諦めていた時代は終わりつつある。世界中の知識はあなたのすぐそばにある。
また世界が一歩近づきました。

Just be hopeful.

【NO.143】たぶん、OpenAIの噂のデバイスはこれ。「画面のないAI」が目指す未来

OpenAIとLoveFromが開発中と噂される
コードネーム「Gumdrop」と、コードネーム「Sweetpea」。
今日は、このデバイスが目指してるんじゃないかと思う未来についてお話します。

今のところの有力な情報としては
「画面がない」

なるほど、謎に満ちてていいですね。
そうなると、わたしの予測としてはこれです。

ジョニー・アイブ氏がデザインするので、形状はもっとスタイリッシュになると思います。
最初からこれが完成するのは難しいと思いますが、これを目標にしてるんじゃないかと願望に近い予測をしてます。

先ほどの、画像でピンと来た人もいると思います。
そうです。
映画「『her/世界でひとつの彼女』に出てくる人工知能型OSの「OS1」です。
経口補水液のOS-1じゃないですよ。

この映画を見た人は、ご存知だと思いますが
このOS1のサマンサを声で演技するのはスカーレット・ヨハンソンです。

ここまで話すと、なるほどと思う人も多いと思います。

話は2年前に遡ります。
2024年5月、OpenAIが発表した「GPT-4o」のデモで使用された音声のひとつ「Sky(スカイ)」が
映画『her/世界でひとつの彼女』のスカーレット・ヨハンソンの声に酷似しているとして、大きな騒動になりました。

この騒動の主な経緯はこんな感じです。

  1. 公開と同時に「似ている」と話題に
    OpenAIがGPT-4oのリアルタイム音声対話をデモした際、その声のトーンや話し方が『her』のサマンサ(スカーレット・ヨハンソン)を彷彿とさせると、SNSを中心に大きな話題となりました。
  2. サム・アルトマン氏のツイート
    さらに騒ぎを大きくしたのが、OpenAIのCEOサム・アルトマン氏による投稿です。彼は発表の際、X(旧Twitter)に一言だけ「her」とポストしました。これが「映画を意識して作った」という決定的な証拠と見なされました。
  3. スカーレット・ヨハンソン氏による抗議声明
    その後、スカーレット・ヨハンソン氏本人が弁護士を通じて声明を発表し、以下の事実が明らかになりました。
    OpenAIからの出演依頼: 発表の約9ヶ月前、サム・アルトマン氏から「システムの声を務めてほしい」と直接依頼があったが、彼女は個人的な理由で辞退していた。

直前の再依頼: 発表の2日前にも再度依頼があったが、返事をする前に音声が公開された。

本人の怒り: 彼女は「あまりに似すぎていて、親しい友人やニュースメディアですら区別がつかないほどだったと、怒りとショックを感じる」と述べました。

  1. OpenAIの対応
    OpenAIは最終的に、Skyの音声を削除しました。 ただし、OpenAI側は「Skyの声は別のプロの声優のものであり、スカーレットを模倣したものではない」と主張し、意図的なコピーについては否定しています。

と、まぁこんなことがあったわけです。

スカーレット・ヨハンソン氏と和解したかどうかは分かりません。
出来れば和解していて欲しい(笑)
ほんと魅力的な声ですからね。
日本語版は、ぜひ林原めぐみさんが担当してほしいです。

サム・アルトマン氏が「her」とポストしたわけで
映画『her/世界でひとつの彼女』は、まず見ていて意識してるわけで

一回の失敗で、諦めるとは思えないのですよ。
発表の9ヶ月前に依頼があったということは、2023年8月頃ですよね。
現在のサム・アルトマン氏の認知度と力は、当時とは桁外れですからね。
しかも今回は、ジョニー・アイブ氏もタッグ組んでます。

コードネーム「Gumdrop」はペン型という噂もあります。
ペン型であってもいいけど、書ける必要はわたしはあまり感じないんですよね?
どうなんだろ?

もうひとつの最近の噂は、コードネーム「Sweetpea」
これはイヤホン型と噂があります。もしかしたら、こちらの方がOS1には近いかも。

個人的には、形状はどんなでもいいんですが
人工知能型OSが欲しいです。

あるんじゃないかなぁ〜(願望)
OS1みたいなデバイス。

劇中の「恋は、公認の狂気だ」ってセリフが好きです。
まだ映画を見られてない方、ぜひ。

Just be hopeful.

【NO.142】国産AIが必要だと思う、たった一つの理由

国産AIが必要だと思う、たった一つの理由

多分、この話に強い興味を持つ人は多くないと思う。
それでも最近、どうしても頭から離れないテーマがある。
それが「国産AI」についてだ。

正直に言うと、私自身もまだうまく言語化できていない。
だからこれは結論を押しつける文章ではなく、頭の中を整理するための思考の記録に近い。

現在、LLMと呼ばれる生成AIの主流は、
ChatGPT、Gemini、Claudeの三つだろう。
国産のAIも存在はしているし、開発も続いている。

国産AIを推す理由には、さまざまな立場があると思う。
海外製品に負けたくない、日本の技術力を信じたい、あるいは外貨を稼ぐ手段として、安全保障上の理由として
どれも間違いではない。

ただ、私が国産AIを重要だと感じる理由は、少し違うところにある。
それは、「日本語という文化を、誰に託すのか」という問題だ。

今の主要なAIは、日本語をとても流暢に扱う。
質問をすれば、的確で、丁寧で、一見すると完全に理解しているような答えが返ってくる。
けれど、AIが学習している日本語の文献量は、全体から見ればごくわずかだと言われている。
多くの知識の土台は、英語によるものだ。

ここで、ひとつの言葉を思い浮かべてみる。
「木漏れ日」

日本人であれば、その意味だけでなく
光の揺らぎや、空気の温度、静かな時間の流れまで、
自然とイメージできる言葉だと思う。

世界を見渡しても、この言葉とまったく同じ意味を持つ単語は存在しない。
もちろん、AIに「木漏れ日とは何ですか?」と聞けば、それらしい説明は返ってくる。
辞書的には、正解だろう。

ただ私は
「それで本当にいいのだろうか?」と、ふと立ち止まってしまう。
理解している“ように見える”存在に、言葉の未来を預けてしまっていいのか。

若い頃、「和暦って意味あるの? 西暦だけでよくない?」
と思ったことがある。
合理性だけを考えれば、確かに不要に見える。
でも今は、あの感覚が少し違って見える。

文化というものは、空気のように当たり前にそこにあるからこそ
失われる瞬間まで、その価値に気づきにくい。
そして、一度失われた文化は、
元の形では戻ってこない。

もしかすると、昔の日本人が現代の日本語を見たら、すでに驚くかもしれない。
それほど言葉は、少しずつ変わり、薄まっていく。

だからこそ、これ以上劣化させないための「受け皿」として
日本語を深く理解する国産のLLMが必要なのではないか
そんなことを考えるようになった。

文化は、なかなかお金にならない。
残すのは大変だし、効率も悪い。

それでも
「木漏れ日」という音の響きは、美しい。
意味だけではなく、その響きごと、後世に残していきたいと思う。

私は最近、こうした美しいものを残すことこそが
技術が果たすべき役割の一つなのではないかと
そんなことを考えている。

Just be hopeful.

【NO.141】「人手不足」の正体は少子高齢化ではなく「IT化不足」

「人手不足」の正体は少子高齢化ではなく「IT化不足」

最近、どこに行ってもよく聞く話は「人材・人手不足」についてです。

・人が集まらない問題
・人が辞めてしまう問題

だいたい、この2点のことが多いです。
今回は、この2点についての、わたしの持論・解決策をお話しさせていただきます。

1.人材が集まらない問題


「どこで聞いても人手不足、少子高齢化でどうしようもない。」

よく聞くお話しです。
まず、人材が集まらない時のポイントは3つ。

・少子高齢化は社会の問題であり、企業の問題ではない
・安く雇える都合の良い人材を求めすぎている
・そもそも人材不足ではなくIT化不足

ひとつづつ解説していきます。

①少子高齢化は社会の問題であり、企業の問題ではない
少子高齢化と人材不足を結びつけるのは
カッコつけて言うと「外的帰属」とか「自己奉仕バイアス」とかいいますが
要は、悪い結果を他人のせいにするということ。

ミクロの問題に対処できない時に、マクロの問題にする。
最近はこのようなマクロ依存が強くなっている傾向を感じます。

近年の政治への関心の高まりなんかも、ある意味そうだと思います。
仕事の問題、パートナーとの問題、子供の問題、体調の問題。
本来は「自分の足元で向き合うべきミクロの問題」から目を背けるために、
マクロな問題に声をあげる。そんな構図も見え隠れします。

「自己保護」が根源としてある人類にとって、当然の思考すり替えだと思いますが問題は解決しません。

”他人のせいにしてはいけない”
誰もが幼少時代に教えられたと思います。

親の問題でも、環境の問題でも、社会の問題でもありません。
「わたしの問題です。」

そもそも「問題」をマイナス視すること自体がもったいないと思います。
問題なんて、直したり解決すれば良いだけです。
ただの「醍醐味」です。

②安く雇える都合の良い人材を求めすぎている
会社側が都合の良い人材を求めるように、求職者は自分に都合の良い会社を求めています。
…そりゃ、マッチングしませんよね。

給与や待遇が悪くて、優秀な人材。
宝くじより当たらんと思います。

大谷選手が結婚した時に、ガチで落胆した女性がたくさんいたらしいですが
いや、ワンチャンないでしょと、これ以上ない軽蔑の眼差しで見ていた男性。
同じことやってますねん。

③そもそも人材不足ではなくIT化不足
これが結構根本的な問題の場合が多い気がしてます。
「なんでそんな作業してるんですか?」ってことが、かなり多いのが現実です。

タブレットを使って紙を減らせば DX だと思っている企業が多い中で、
本当の意味での IT 化や AI 化が現実問題かなり難しいのは、よくわかっています。

しかし、人材不足を本当に解消できる唯一の手段は、ここにしかないとも思います。

タブレットもスマホもそうですが、所詮ユーザーにしかなれないです。
プレイヤーになるにはPC一択です。

これと同様に、AIの無料ユーザーは、所詮ユーザーにしかなれないです。
プレイヤーになるには課金一択です。

わたしは、ユーザーが悪いとは1ミリも思っていません。
プレイヤーになりたがっているのに、行動がずっと「ユーザー」のままの人を見ていると
「なんなん?」とは思います。

2.人が辞めてしまう問題


まずポイント3つ
・人は辞めるということ
・やる気搾取は御法度
・せっかく育てたのに辞めちゃう

①人は辞めるということ
人は固定的なものではなく、流動的なものです。
人が辞めてショックなのは、わかります。
しかし、辞める前提で考える必要もあります。

中小企業の離職率で見ると、ざっくりこんな感じです。

企業規模(従業員数)     離職率
300~999人         16.1%
100~299人         19.0%
30~99人          16.0%
5~29人           15.6%
※出典:厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概況

これはあくまで平均で、もちろん業種によって大きく異なります。

離職率が高い業種
・宿泊業、飲食サービス業:26.6%
・生活関連サービス業、娯楽業:28.1%

離職率が低い業種
・製造業:9.7%
・金融業、保険業:10.5%

けっこう簡単に調べられるので、御社の業種で一度見てみてください。
平均の離職率と同等または低ければ、そこまで気にすることじゃないと思います。
一方で、平均より高い場合は、給与や待遇、人間関係などの問題がある可能性は高いです。

もちろん離職率は年齢によっても変わります。

年齢階級       離職率
19歳以下       43.1%
20~24歳       29.2%
25~29歳       21.8%
30~34歳       16.9%
35~39歳       14.8%
40~44歳       13.0%
45~49歳       12.0%
50~54歳       11.2%
55~59歳       10.3%
60~64歳       17.5%
65歳以上       14.1%
(参考)     全体平均15.0%

年齢が上がるにつれて、離職率が低下する傾向は、はっきりと出ています。
なので、離職率を下げたい!だけが目的であれば、高齢者の雇用でバッチリ解決できます(笑)

次に、中小企業の平均勤続年数は以下の通りです。
男性:10~13年
女性: 7~10年
※厚生労働省の調査による

ここで、注意する点は、離職率、平均勤続年は似て非なるものということ。
離職率は「人の流れ(フロー)」を見ているのに対して
平均年数は「今いる人(ストック)」を見ています。
この二つが混在すると肌感覚とのズレが起きます。

特に平均は、上下をカットしたトリム平均ではないので、平均値のマジックがあります。
「平均勤続年数」は、それ単体で見ると肌感覚とズレますが、「離職率」とセットで見ることで初めて意味を持つ(例:「平均は長いのに離職率が高い」=ベテランはいるが若手が辞めている会社)と理解するのがよいかと思います。
数値を見るだけで、数値が読めない人は、数値は追いかけない方が良いです。

結論で言うと、数値を読んで平均以下なら気になしない。
数値を読めない人は、そもそも気にしない。
これが一番です。

②やる気搾取は御法度
やる気搾取は大きく分けて2パターンあると思ってます。
・肩書を簡単にあげるパターン
・あげる肩書がない、給与があげられない、だから教育パターン

1)肩書を簡単にあげるパターン
⚪︎⚪︎リーダーとか、よく見かけますね。
責任だけあって、給与と権限が比例してない一番悪質なやる気搾取パターンです。
責任と給与と権限は比例して初めて成り立ちます。
このての企業はすぐに人が辞める傾向を強く感じます。

2)あげる肩書がない、給与があげられない、だから教育パターン
1)よりは良い気もしますが、あげれる肩書きがない、給与もあげられない、だから社員のモチベが上がらない
では教育して、モチベを上げよう。
んー幼稚園の頑張ったらシール貰えるみたいな感じは、大人には通用しないと思います。
先も述べましたが、モチベを上げるには
責任と給与と権限は比例して初めて成り立ちます。

やる気搾取は、見ていて一番美しくないとわたしは思います。

③せっかく育てたのに辞めちゃう
これもよく聞きますね。
ガッカリする気持ちはよくわかります。

わたしごとですが、ベンチャー企業時代に社長とぶつかった経験があります。
当時は「肩書は渡す・給与は渡す・しかし教育は徹底しない」という方針の企業でした。
幹部として、もっと社員教育を強めたかったわたしに社長が言いました。

「教育して成長すると、人は辞めるんだよ。人を集めるのにどれだけお金がかかると思ってる。」

はぁああああぁぁ?
と、当時は思いましたね。
器の小さい社長だなと。

「辞めたっていいじゃないですか、いつか今の自分があるのは
 あの会社で厳しくしてもらえたからと思ってもらえれば」と、言いましたが

わかってねぇなぁいう顔をされ、価値観の違いでそこから独立に向かいました。

でもね、20年以上経ってみて、あの時の社長の発言は「企業」としては間違ってなかったと思うんですよ。
現に今や5000人規模の企業になっていますからね。
企業とは「利益を上げるもの」と定義したとき、あの発言と決断は、正しいとも言えるわけです。

高いポジション、高い給与。
人は責任とお金と安心を抱え込んだまま、自分で動けなくなっていく。

そうやって“辞められない人”を増やすのが、経営としては一番ラクなんだろうな、とも思います。
でも、やらんけど。

わたしは、「いつ辞めてもいいし、辞めてもこの経験は血肉になる」
そんな時間を一緒に過ごせる会社の方が、少しだけ人間らしくて好きです。

人は辞めます。ITも進化します。
少子高齢化も、すぐには止まりません。

それでも、自分の会社の“人手不足”くらいは、
「時代のせい」じゃなく、自分たちの手でなんとかしていきたい。

Just be hopeful.

【NO.140】音楽の業界で起こるイノベーションは、その後に他の業界でも起こる

音楽の業界で起こるイノベーションは、その後に他の業界でも起こる

先日見ていた動画で、落合陽一氏が面白いことをサラッと言っていました。

”音楽の業界で起こるイノベーションは、その後に他の業界でも起こる” 的なお話でした。

なるほど。
さすが天才、考えたこともなかったです。

良い機会なので、何があったか考えてみることにしました。

まず思いつくことは
「サブスクリプションモデル」

新聞配達や牛乳配達や化粧品の定期便なんかは、古のサブスクといっても過言ではないと思うのですが
モノが届くという物理的サブスクでした。

これをモノが届かないデジタル配信型を最初に行ったのは音楽業界の気がします。
その後に、アプリケーション(SaaS)やネトフリのような動画配信に広がっていきました。

次に思いつくのは
「流通の解体」
アーティストが直接YoutubeやSoundCloudで発表し、レーベルを通さずに活動。
これも、その後に農家が消費者にECで直販、クリエイターがプラットフォームを介して直接収入に繋がっている気がします。

あと何かあったかな?
「アルゴリズム」なんかもそうかな?
昔は事務所の力だったり、マスメディアが押すことによって生まれたヒットも、アルゴリズムが個別嗜好にそって曲を進めることにより、昔のような大ヒットというより多様な小ヒットが量産される時代。
Youtube、映画配信、ECあたりがこの流れになってる気がします。

あとは「AIとクリエイティブ」かな。
生成AIによって、作曲・歌声合成。誰でもプロ品質の音源を作れるようになり、自分で作ったものを自分で楽しめる時代に。プログラミングなんかもこの流れだし、3Dプリンタなんかもこの流れでもっと加速しそうな感じです。

パッと浮かぶのはこのくらいですかね。

では、音楽業界で今後どのような変化があるか予測してみると
リアルタイム音楽生成はありそうな気がします。
ウェアブルデバイスによって、位置、気候、健康状態、心拍数、心の状態までも予測して
AIが適した音楽をリアルタイム再生。

でも、これら音楽業界じゃないですね(笑)
間違いなくAI業界です。

今月は、ゆるい内容なので、このYoutubeバージョンは作っていません。
代わりに、最新の音楽生成AIと動画生成AIを使って、ガチでMVを作ってみました。

作詞と編集はわたしが担当、それ以外はすべてAIです。
つまりたったひとりでこのレベルまでは作れる時代になりました。

リアルでこんな感じのMVを作ろうとしたら数十人、下手すれば100人近い人が関わる必要がありましたが
ソコソコのレベルであればひとりで可能な時代です。

よかったら聞いてみてください。

Just be hopeful.

【NO.139】AIで社会は開かれるのに、なぜ政治は保守化するのか?

まず最初に、この文章に最終的な答えはありません。
そもそも、物事に答えなどないと言うのが私の考えです。

しかし、物事を考えるのは好きです。
今、現時点で「自分」は何をどう感じ、何を考えているのかを整理するために
月に一度の執筆のようなものを10年以上続けています。

また、これが他の誰かの思考のきっかけになることがあれば幸いに思うことと
自分が亡き時代に、あの時、父親は何を考えていたのかを子供達が後からでも見直し
思考のリレーが出来たらいいなと2年前から、これも月に一度動画に残しております。

では、本題に入ります。
AI革命は、産業革命を超えるスピードで社会に影響を与えていることはよく言われ
多くの人も同じように感じていると思います。

しかし、これを数値などで知るにはまだ難しい。
1760年〜1860年の産業革命100年間では一人当たりのGDPが1.6〜1.7倍に引き上がった数字は出ていますが、ChatGPT 3.5がリリースされた2022年末から2025年までの一人当たりGDPの成長率は約1.1倍で、AIによる成長というより、世界的なインフレによる結果的成長の数値という見方が現段階では妥当と考えます。

AIの登場により、知識の民主化が始まり、これまで一部の専門家などの独占していた知識や技術が、多くの人が手にすることが出来るようになりました。

こうした変化は、結果的に「リベラル的価値観」を広げているとも感じます。
私と同じような疑問を持つ方もいるかと思いますが
この、リベラル優勢かと思われる土壌で、世界では保守派が急速に支持を伸ばしている現状。

これは偶然なのか?
それとも必然なのか?

今回は、この辺を考えていこうと思います。

第1章:AI革命が生む「変化疲れ」


AIは私たちに自由をもたらした一方で、大きな“不安”も同時に生み出しましたと思います。

・情報の爆発的拡大による、何が正しいかわからない社会
・職業や産業の再編による、「AI失業」の不安

社会の変化があまりに早すぎで、多くの人が“ついていけない”と感じ始めているのも事実です。
これだけ、コンピューターが一般化された社会でも実際には「ブラウザ」の意味が通じないことも多々あります。それがいけないとは何も思いませんが、その現実の中でAIは理解できませんし、使いこなすのはとても困難なことと思います。

このような心理的ストレス、つまり“変化疲れ”が、“安定”や“秩序”を求める保守的な価値観を後押ししている可能性もひとつ考えられます。

第2章:保守化が進むもう一つの理由


とはいえ、世界的な保守化は変化疲れによる“古い価値観への回帰”だけが理由とは思えません。
リベラルの理想の暴走も考えられます。

・ESG投資・脱炭素政策の急加速による、産業界への過大な負担
・ジェンダーや多様性を巡る急進的政策による、社会の準備が追いつかない状態
・IT富裕層中心のリベラル推進による、 格差の拡大放置
・グローバル化による、「自国の利益を奪われる」という不安増幅

理想が正しいか、誤りかの議論は置いておいて
現実が追いつかないまま価値観だけ先行すれば、反動が起きるのは必然かとも思います。
こうして、極端なリベラルの揺り戻しとして、保守派が支持を伸ばしているという面もあるかも知れません。

第3章:極端がもたらすリスク


危険なのは、当然ですが保守やリベラルということではなく
それが極端に振れた時ではないでしょうか?

米国で例えると、極左は数年前の状態で、どんな社会になったかは記憶に新しいと思います。
極右が現在の状態のイメージに近い気がします。

先日、米国大統領が国防総省を戦争省と呼称するという署名にサインしました。
今回のはまだ正式な名称変更ではなく、あくまで呼称です。
正式に名称変更する場合は、立法措置が必要で、大統領令は強力ではありますが、単独で法を変更するまでの力は持っていません。

元々、国防総省は1947年からの名称で、その前は陸軍と空軍を管轄する戦争省と
海軍を管轄する海軍省という名称でした。

以前使用していた名称とはいえ、現代を生きる私としては物騒な印象しかありません。
世界大戦の過ちを繰り返さないことを切に願います。

生きるために必要な水や塩であっても、極端に摂取すれば害があります。
何事も、ほどほどが良いのではと思うのが個人的な感想です。

第4章:右や左以外の道はないのか?
右に振れて失敗し、左に振れて失敗し、また右へ。
人類はこの揺り戻しを繰り返してきた印象です。

先日、米国で起きた痛ましい事件。
その影響で、分断を通り越して、プチ内戦に入ったのかと思わされる現象も起きています。

人が集まれば、そこに意見の違いがあるのは当然。
それを、分断とするのではなくバランスの取れた調和の方向に進む道はないのか?

以前動画で、Pluralityの紹介をさせていただきました。
試してみる価値は充分にあると思う一方、政策ごとの投票や委任には、個人の知識がキーになる為、先ほどの「ブラウザ」の話と似たような話にならないでもない気もしていますが、そろそろ何らかの変化が必要な時期だと感じています。

しかし、その変化の担い手は誰なのでしょうか?
AIでしょうか?
それとも、怒りをエネルギーに変えた、誰か強いリーダーでしょうか?
私は、そうではないと信じたい。

”悪い状況こそ、人間の真価が問われる”という言葉の通り
今こそ私たち一人ひとりの理性が試されているのではないでしょうか。

AIに「人間も捨てたもんじゃないな」と思わせるのか
「やっぱり人間はダメだ」と判断させるのか。

その分水嶺に、私たちは立っている気がします。
仲良くいこうよブラザーと、思う今日この頃です。

Just be hopeful.

【NO.138】陰謀論・スピリチュアル・マルチ商法の危険な共通点とは

【NO.138】陰謀論・スピリチュアル・マルチ商法の危険な共通点とは

マクドナルドのハッピーセットにポケモンカードが付いて、大きな話題になりましたよね。
でも、実は今、もっと深刻で、もっと巧妙な『令和のハッピーセット』が、あなたのすぐそばで売られているとしたら…どうしますか?

そう、それは『陰謀論』『スピリチュアル』そして『マルチ商法』の3点セットです。
この令和のハッピーセットには、ポケモンカードよりも遥かに強力な“オマケ”が付いてきます。

こんにちは!今月からレポート名とチャンネル名が『アンドロイドはこう言った』に変わりました!

わたしの好きな2つの書籍
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」 ー フィリップ・K・ディック ー
「ツァラトゥストラはこう言った」 ー ニーチェ ー
から名前を拝借しています。

タイトルを見て、この2つが連想された方
きっと気が合います。
ご飯食べに行きましょう(笑)

さて、今回は巷で静かにパンデミックを起こしている『令和のハッピーセット』について、その危険な魅力を解き明かしていきます。

陰謀論とスピリチャルは、エンタメとして軽く楽しむ程度なら気にならないのですが
ガチの目つきになってくると、わたしはドン引きします。

気づかれている人もいるかと思いますが、陰謀論とスピリチャルとマルチ商法は高い確率で同一人物がハマります
なので3点セットと呼んでいます。

この3点セットは古の時代からありました
私も幼少時代に、月刊ムーや東スポのタイトルに心が躍った経験もありました(笑)

昔は、一部のコアな人たちの話でしたが
最近ではSNSやYoutubeの拡散力で、パンデミックが発生している気がします。

この現象が気になって調べてみると
世界的にこの3点セットは研究されており、コンスピリチャリティという言葉も生まれています。
両者には明確な相関関係が指摘されています。
この3点に共通するのは「擬似宗教的」ということ。
宗教を批判するつもりはありません。

個人的な私感としては、映画ロッキーで、試合の前夜遅くに教会で神父さんを叩き起こしロッキーがお祈りをする感じ。
つまり、極限まで努力をした人間が、最後の最後に神頼みをする感じが好きです。
努力もせずに神頼みとか、パワースポットとかパワーストーンとか…(カット!自主規制)

そして、この3点セットには共通する要素が見えます。

 1. 「隠された真実」を教える構図
  ・陰謀論:政府やメディアが隠している真実を暴露
  ・スピリチュアル:宇宙や魂の深い真実を伝授
  ・マルチ商法:普通の人は知らない「稼げる仕組み」を知っている
  → いずれも「選ばれた人だけが知る知識」として機能する。

  1. 不安と救済のパッケージ
     ・「世界は危機にあるが、私たちの知識・商品・信念で救われる」という物語構造が共通している。
  2. コミュニティ性
     ・陰謀論者同士のオンラインサークル
     ・スピリチュアルなグループ(瞑想会・ワークショップ)
     ・マルチ商法の仲間内ネットワーク
 → いずれも孤立感を減らす機能がある。

陰謀論で「不安」を煽り
スピリチュアルで「心の救済」を与え
マルチで「経済的救済」を提示する。

一つの不安(社会・心・お金)に留まらず、三位一体で包囲することで、人を逃がしにくい構造にします。
見事な3連コンボです。

「陰謀論の魅力=考えなくていい」
「スピリチュアルの魅力=努力しなくていい」
「マルチ商法の魅力=働かなくていい」

ハマる人多いの分かるわぁ〜(笑)

また、これらを考えるときに大切なのが認知バイアスです。
バイアスを抜きに物事をみるのは非常に難しい。

単純化バイアス
→ 人は複雑な説明よりも、シンプルで理解しやすい説明を好む傾向。

比例バイアス
→ 大きな出来事には“大きな原因”があるはずだと考える傾向。

確証バイアス
→ 自分が単純化して信じたい説明に合う情報だけを集める。

過剰一般化バイアス
→ 一部の事例から「世界全体がこうだ」と短絡的に結論づける。

多分、この辺りのバイアスが関係しています。
そして、この認知バイアスを、現代のAIやアルゴリズムは加速させます。

YoutubeやSNSを開けば、あなたの興味に合わせて、陰謀論やスピリチュアルの動画が次々とオススメに表示されますよね。
あれは、あなたの確証バイアスをAIが的確に突いて、あなたをその世界にどんどん引き込んでいる状態なんです。

先日、OpenAIからオープウェイトのAIがリリースされましたが、これは本当に諸刃の剣です。悪意のある人がこのAIを使えば、あなた個人の心の隙間に合わせた、オーダーメイドの陰謀論や儲け話を、いくらでも作り出せてしまう。

まさに藤子不二雄先生の『心の隙間お埋めします』が、AIによって自動化される時代なんです。

藤子不二雄先生たちはすごいと思います。
今こそ見直したほうが良い哲学書かもしれません。

ドラえもんも、笑ゥせぇるすまんも基本ハッピーエンドは無いですからね。

さて、最後に令和のハッピーセットのビックなオマケですが、それは『依存』です。
一度ハマると、自分の頭で考えることをやめてしまい、提供される『隠された真実』なしでは生きていけなくなる。
非常に危険なオマケです。

私の好きな哲学者のニーチェはこう言いました。
『物事に事実なんて存在しない。存在するのは解釈だけだ。』
これは、何でも信じていいという意味ではありません。むしろ逆です。
ひとつの『これが真実だ』という解釈に依存するのではなく、常に疑い、自分の頭で考え、多様な解釈の中から自分なりの答えを探し続けなさい、という強烈なメッセージだと私は捉えています。

あなたは、誰かの解釈に依存しますか?
それとも、あなた自身の頭で解釈し続けますか?

Just be hopeful.

【NO.137】AIリストラは対岸の火事? AI時代に価値の上がる人、下がる人。

AIリストラは対岸の火事? AI時代に価値の上がる人、下がる人。

約4万人。
これは近年GAFAMなどの米大手テックでリストラされた人数です。

「ついにAIが人間の仕事を奪い出した。」
という人もいますが、これはAIによる失業という単純な話しではなく
AIリストラは、戦略的なリストラを正当化する「大義名分」として機能している点が強い。

先の約4万人はGAFAMなどの数字であり
広く米テクノロジー業界で見ると、2022-2024年の間に40万人以上のリストラが行われている現状。
(参照:Layoffs.fyi)

表向きは、「AIによる効率化」という大義名分ではあるが
実質的には、金利の上昇、インフレ、そして世界的なマクロ経済環境の悪化も、人員削減の大きな要因として挙げられている。

しかし、多くのテック企業が「成長志向」から「効率志向」へと戦力を移しているのは事実で
単なる一時的なコスト削減に留まらず、低業績者をターゲットにした人員削減を行うことで、より筋肉質で効率的な組織づくりを目指しているのも事実。

GAFAMなんて特に、元々筋肉質のエリート集団なのに
さらなるバッキバキの筋肉質集団を目指しているようです。

みなさんは、このような米テック業界のAIリストラのニュースを見てどう思いますか?
「なんだ、AIリストラは、ただの大義名分なんだ!」
そう思われますか?

しかし、本当にそうでしょうか?
わたしは流れてくる情報を素直に受け取れるピュアさを失っているので
そうは思えず、うがった見方をします(笑)

まず、「大義名分」と発しているのはGAFAM側ではなくメディア側です。
メディアの論調には“自分たちもAIに仕事を奪われるかもしれない”というホワイトカラー的な不安が滲んでいるようにも見えます。

GAFAM側は「将来のAIによる人員削減を予測しての調整」のような感じのことを言っています。
(Appleだけは、プロジェクトの中止を要因と説明)

現在はAIの時代、次にAGIの時代、その先にASIの時代。
このロードマップを描き、実際に道を作っているのはテック側であり、つまりプレイヤー。
メディア側は、出来た道を歩くユーザーです。

GAFAMなどは、数年以内のAGIの実現へのかなりの手応えを感じているのではと思う。
なぜなら、企業経営で最も過酷とも言えるリストラのアクションを起こしているから。
「大義名分」と言ってるだけとは次元が違う。

わたしは、ASIにはユートピア的な印象を持っているが
その手前のAGIには、ディストピア的な印象を持っている。

現代社会の豊かさに到達した先進国の行く先に待っているのは、少子高齢化しかない。
その世界で、絶対的に必要なのがASIであり、その為AGIを通過することは致し方ないことでもある。

AGIとASIの期間は、短ければ短いほど理想であり
以前「AI2027」を紹介した動画で、この期間が9ヶ月というシナリオには希望を感じます。

AGI(人工汎用知能)は、人類と同等レベルを意味する。
この時代について、多くの人やAIと議論をしてきたが
「その時人類に何が出来るか?」の問いの答えは決まって

「人類は、もっとクリエイエイティブなことに…」的な答えになる。

現在のAIですら、かなりクリエイティブなことが可能なのに、AGIに到達し、AGI以上にクリエイティブな仕事など
人類総アンディ・ウォーホルにでもならんと無理な気がする。

そもそも、どれだけの人がクリエイティブな仕事を望む?
似たような単純作業の繰り返しを、望む人の方が多いのが現状だと思う。

これがわたしがAGIにディストピア的な印象を持っている所以である。

AGI時代に「価値の上がる人」
・複雑なコミュニケーション力
・高度な交渉力
・創造的なアイデア創出
・クリティカルシンキング
・共感力

つまり、これが出来なければ「価値の下がる人」になるわけで
こんなん全部出来たらGAFAMに入っとるって感じです(笑)

AIリストラの動き
この動きは、いずれ日本企業や私たちの働き方にも波及してくる。
果たして“対岸の火事”で済ませていいのだろうか?

未来は完璧には予測できない。
しかし、自分の価値を問い続け、変化を受け入れる力があれば、きっと道は開けると思っています。

Just be hopeful.

【NO.136】「誰でもわかるプルラリティ」 多様性ではなく、多元性

【NO.136】「誰でもわかるプルラリティ」 多様性ではなく、多元性

51%が勝っても、残り49%はモヤモヤ……あなたも経験ありませんか?
多数決のお話です。


多数決の3つの限界


多数決には3つの限界があります。
① 51% 対 49% でも前者が“正解”とされ、49% の声がゼロ扱いになる
② 重要度の高い問題も、低い問題も重みが同じ
③ 一度多数決で結果が出ると、すぐに見直せない。

このような問題をテクノロジーで回避できるのではないか?という考えが
Plurality(プルラリティ)です。


プルラリティとは?



プルラリティの定義は

  • 技術と民主主義を統合する包括的なパラダイム
  • 多様性を力づけ、差異を架け橋する技術的アプローチ
  • 協力的テクノロジーによる民主的統治の革新
  • 社会的分裂を超えた集合知の実現

つまり、プルラリティは単なる意思決定手法ではなく、テクノロジーと民主主義の関係性を根本的に再構築する思想・実践体系なのです。

全体を話すと長くなりすぎるので、今回の動画では プルラリティの “意思決定プロセス” 部分を中心に取り上げます。

プルラリティは“重なり”と“熱量”を同時に測る新しい意思決定フレームワークになります。
まず AI が意見をまとめ、次に“投票クレジット”で投票、最後に結果を即公開。

調整コストが下がり、満足度も上がるメリットがあります。

近年耳にする「多様性」は、様々な異なる意見や背景が存在する“状態”を指します。一方、プルラリティが目指す「多元性」は、それらの多様な意見が対立・分断するのではなく、それぞれが尊重され、共存しながらより良い合意を形成していく“あり方”や“プロセス”を意味します。

例えば、

  • 何を言っても誰かに怒られる“早押し批判ゲーム”になる「ポリコレ疲れ」
  • 誰が一番“被害者”かでポイント争奪が始まる「アイデンティティ・オークション」
  • 小さな合意に膨大な時間とストレスがかかる「協調コスト爆増」

このような多様性の暴走モードを経験された方も多いかと思います。
プルラリティは、この多様性の意思決定の際にも役立つ可能性が高いのです。

このプルラリティは、現在オープンソース書籍になっています。
中心になってまとめたのは、オードリー・タン氏とE. グレン・ワイル氏。

オードリー・タン氏は
台湾の初代デジタル大臣。「誰一人取り残さないテック公共インフラ」を推進し、世界的に高い評価を得ています。

E. グレン・ワイル氏は
Microsoft Research 首席研究員で、Quadratic Voting の提唱者です。

ブロックチェーン界や公共政策学者も続々賛同していているのが、このプルラリティです。


プルラリティの意思決定プロセスの3ステップ


1)AI 要約 (pol.is)
pol.is とは?
クラウドで動くオープンソース熟議プラットフォーム。参加者のコメントをリアルタイムでクラスタリングし、賛否・共感マップを自動生成します。

2)Quadratic Voting(2乗コスト投票)
各参加者に 10 枚=10 クレジット を配布します。
投じる“票”は自分で決定。ただしk票入れるには、k²枚のクレジットが必要です。
例:1 票→1 枚、2 票→4 枚、3 票→9 枚。

あなたが2票を一人で入れる影響=他の2人が1票ずつ入れる影響と同じ2票ですが、コストはあなたに集中します。
つまり“声の大きなクレーマー”が多数票を独占しようとすると、自分だけ大量クレジット消費が必要になり、簡単には支配できません。

3)Liquid Democracy(テーマ別委任)
環境政策はエコ団体に、税制は信頼する友人にと言った感じで、ワンタップで委任と直投票を切り替え可能。

この3ステップになります。


適応例


内部試算例として“市民公園リニューアル”ミニシミュレーションをした場合

従来の会議の場合は
期間:6 週間
会議回数:5 回
満足度: 60%

これに対して、プルラリティ方式の場合は
期間:2 週間
オンライン:1 回
満足度: 85%

調整コストが 3分の1、満足度は +25pt。見える化と熱量反映がキーとなります。

プルラリティは色々なスケールに落とし込むことが可能です。
企業経営の場合は、社内 OKR(目標管理指標)や福利厚生優先度を“投票クレジット”で決定。
NPO/自治体の場合は、限られた予算の配分を市民と共同設計。
オンラインコミュニティの場合は、イベント内容や新機能の優先度をリアルタイム反映。

このように、民主主義1番の多数決という暴君を、なめらかにすることを可能にします。
民主主義はいま“致し方ないベスト”と言われるレガシー状態。プルラリティも万能薬ではありませんが、現時点で最も有力なアップデート候補の一つです。

まずは 3 ステップで誰でも小さく試せます。
①無料 pol.is でアンケート

②2乗コスト投票を Google スプレッドで実験

③結果を Notion で公開

こんな形です。

今回の動画では プルラリティの “意思決定プロセス” 部分を中心に取り上げました。
全体像には デジタル ID・データ主権・公共インフラ など広範な要素が含まれるので、プルラリティを詳しく学びたい方は、原文は GitHub で PDF 無料ダウンロード出来ます。
日本語翻訳は紙書籍も発売中。全文が OSS ライセンスで公開されています。

Just be hopeful.