WordPressの次の版が8月19日に公開される予定で、いまは公開直前の候補版が配布され、検証が進んでいる段階です。新機能の紹介はあちこちで出そろってきましたが、制作の現場で先に気になるのは、いま動いているサイトのどこが変わるかのほうではないでしょうか。
公式の開発者向けまとめを読むと、機能追加とは別に、既存のテーマやプラグインが前提にしていた作りが静かに変わる箇所がいくつかあります。派手な話ではありませんが、当たっていると管理画面の見た目や動きに出ます。更新前に目を通しておきたいものを並べてみます。
投稿の編集画面が常に枠の中で動く
これまでは、テーマの種類やブロックの版によって、投稿編集画面がiframeの中に入るかどうかが切り替わっていました。次の版では条件によらず常に枠の中で動きます。どちらになるか読めない状態が解消されるのは扱いやすくなる方向の変更です。
ただし、編集画面に独自の見た目を足している場合は挙動が変わる可能性があります。enqueue_block_editor_assetsのような正規の入口から読み込んでいれば影響は小さいはずですが、管理画面全体のCSSに紛れ込ませていたり、親の画面を直接触るスクリプトを書いている場合は、実際に開いて確かめておくのが早いです。
一覧画面の表の作りが変わる
投稿一覧などの表で、行の見出しとして扱われるセルが、チェックボックスの列からタイトルの列へ移ります。読み上げたときの筋道としては素直になる変更ですが、列の位置を決め打ちしたセレクタに頼っている拡張は影響を受けることがあります。
一覧に独自の列を足すプラグインは、中小企業のサイトでもよく入っています。受注状況や公開予定日を一覧に出すような作り込みをしている場合は、更新前に検証用の環境で開いてみる価値があります。
管理画面の入力部品の大きさがそろう
管理画面の部品群では、大きさを指定していたプロパティが役目を終え、フォーム部品は一律で40ピクセルの高さで描かれるようになります。小さめの指定は渡しても効かなくなり、非推奨の扱いになります。
独自の設定画面を持つプラグインを作っている場合、詰めて並べていた入力欄の高さが変わり、レイアウトが縦に少し伸びることがあります。壊れる類の変更ではありませんが、二列に並べていた部分の折り返しなど、見た目の調整が必要になるかもしれません。
ナビゲーションの文字サイズの効き方が変わる
ナビゲーションのブロックが、子の項目に自分の文字サイズを押し付けなくなります。入れ子のドロップダウンで文字サイズが掛け算のように効いてしまい、階層が深いほど不自然に大きくなる、あるいは小さくなるという問題への対処です。
回り道の指定でごまかしていた部分が本体側で正されるのはありがたい変更ですが、裏を返せば、更新後にメニューまわりの見た目が変わるサイトはあるということです。納品済みのサイトが複数ある制作者は、階層メニューを持つものだけでも一度目視しておきたいところです。
実験段階だった機能が正式に使えるようになる
タブとプレイリストのブロックが実験扱いから外れ、標準の部品として使えるようになります。加えて、背景にグラデーションと画像を重ねられる指定や、ブロックの最小幅を指定できる仕組みも増えました。管理画面に説明の吹き出しを出すための関数も用意され、読み上げに配慮した形で組み込めるようになっています。
これまで小さなプラグインや自作のブロックで賄っていた部分が、本体側だけで足りるようになるかもしれません。プラグインの数を減らせれば更新の手間も脆弱性の窓口も減るので、棚卸しのきっかけにはなりそうです。
公開までは一週間ほどです。候補版は検証用に配布されているので、複雑なテーマや作り込んだ管理画面を抱えているサイトは、本番の更新を待つ前に複製した環境で一度開いておくと、当日は落ち着いて臨めます。













