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WooCommerceの次の版で値引きの見せ方と売上の集計が変わる

WordPressでネットショップを動かしているなら、WooCommerceの次の版の中身は早めに見ておいて損はありません。WooCommerceの開発者向けブログで、11.3のベータ版の案内が公開されました。正式版は2026年11月9日の週に出る予定で、コミット数は1,310、参加した開発者は117人とされています。かなり大きな更新です。ここでは、お店の運営や制作の現場に関わりそうな変更を中心に拾ってみます。

セールのバッジに値引き額や割引率を出せる

店舗の担当者にいちばん分かりやすいのは、On-Sale Badgeブロックの変更です。これまでのバッジは「Sale」と表示するだけでしたが、11.3からは表示内容を3通りから選べるようになります。自由な文言、値引きの金額、割引率の3つです。

金額と割引率には前後に言葉を付けられるので、「最大」「お得」のような添え字を組み合わせた表示も作れます。バリエーションのある商品では、いちばん大きな割引を「Up to」付きで見せ、お客さまが色やサイズを選ぶと、その組み合わせの割引に切り替わる仕組みです。選んだものがセール対象でなければバッジは消えます。既定は今までどおり「Sale」なので、更新しただけで見た目が変わることはありません。

あわせて、Product、Featured Product、Product Categories Listなどのブロックに色や余白、枠線の設定が増え、商品ギャラリーのスマートフォンでのスワイプも指の動きに素直についてくるよう改善されたそうです。公式のブロックテーマPurpleがWordPressのテーマディレクトリから入手できるようになった点も、ブロックテーマでショップを組む人には覚えておきたい話です。

返品ポリシーのページを設定画面で指定できる

地味ながら実務に効きそうなのが、返金と返品のポリシーのページを「設定」の「高度な設定」にある「ページ設定」で選べるようになる変更です。選んだページは固定ページの一覧でも目印が付きます。

さらにWooCommerceが、そのページへの構造化データを自動で出力するとされています。返品条件をどこに書いているかを検索エンジンに伝えるために、これまでテーマやプラグインで独自にマークアップを足していた場合は、更新後に二重になっていないかを確かめておくと安心です。

注文の分析に決済方法が加わり、データベースにも手が入る

Analyticsの注文レポートに決済方法の列と絞り込みが加わります。クレジットカードと銀行振込でどれだけ売れたかを、追加のプラグインなしで見られるようになるわけです。CSVの書き出しにも列が入ります。

この機能のために、注文の集計テーブルに列と索引が追加されます。既存の注文には裏側の定期処理で500件ずつ値が埋められていく仕組みで、埋まるまでは古い注文の決済方法が空のまま表示されます。注文数の多いお店では索引を作る間にディスクの読み込みが増えるため、開発者ブログでは更新を落ち着いた時間帯に行うよう勧めています。MySQL 5.7のような古いデータベースでは、テーブル全体の作り直しが起きるとも書かれています。

もうひとつ、新しくWooCommerceを入れたサイトでは、古い「レポート」メニューが表示されなくなります。既存のお店には影響しませんが、マニュアルや社内の手順書で「WooCommerce、レポート」とメニューの位置を案内している場合は、新規の構築案件から書き換えが必要になりそうです。

来年のPHPの要件に向けた通知が出はじめる

11.3では、PHP 7.4または8.0で動いているお店の管理画面に、閉じられる形の通知が出るようになります。これは2027年2月に予定されている11.6で、必要なPHPの版が8.1以上に上がることへの予告です。11.3から11.5までは今のPHPのままでも更新でき、既存のショップが要件の変更で止まることもないと説明されています。

WooCommerceの集計では、PHP 7.4の店舗がおよそ7%、8.0が2%とのことです。少数とはいえ、長く運用している中小企業のショップほど古い環境のまま残っていることは珍しくありません。推奨は8.3以上とされているので、通知が出たら「WooCommerce」の「ステータス」でPHPの版を確かめ、検証用のコピーで決済、送料と税の計算、受注処理、テーマや拡張機能の動きを一通り試してから本番を切り替える流れが現実的です。年末の繁忙期を避けて要件の変更を2月に置いたのは、そうした準備の時間を見込んだものだと読めます。

制作会社の立場では、自社で手を入れた機能の確認も欠かせません。11.3では、REST APIで返金を作るときに明細の金額が検証されるようになり、矛盾した値はエラーで返るようになります。商品APIでセール中の絞り込みと商品の指定を組み合わせたときの結果も変わります。外部の在庫管理や会計の仕組みとつないでいるショップは、正式版が出る前にベータで動きを見ておくと、年末の売り場で慌てずに済みそうです。

[1994-2002]
ITベンチャーの幹部として、8年間で数名の企業を500名以上の企業に成長させることに貢献。95年より独学でwebデザインを学ぶ。

[2002-2023]
米国法人のwebデザイン会社のCEOを務め数々の賞を受賞。

[2023〜]
AI事業開始に伴い、つくば市を拠点として株式会社RESONIXを起業。