Googleが9月24日(米国太平洋時間)に、今年4回目となるスパムアップデートの配信を始めました。Google検索の状況を知らせるステータスダッシュボードによると、対象は全世界・全言語で、配信の完了までに最長で2週間ほどかかる可能性があるとされています。今回はこの「長さ」が、制作や運用に関わる立場から見て少し気になるところです。
今年のスパムアップデートと比べて何が違うのか
Search Engine Journalのまとめによると、2026年は3月、6月、8月にもスパムアップデートがありました。所要時間は3月が約19時間半、6月が約2日、8月が約2日半強で、いずれも事前の告知は「数日」という表現でした。それに対して9月は、最初から2週間という枠が示されています。もちろん枠いっぱいまでかかるとは限りませんが、これまでより長い期間、検索順位の揺れが続くことを前提にしておいたほうがよさそうです。
もうひとつの特徴は、何を狙った更新なのかが説明されていない点です。広告・検索業界を追っているPPC Landは、今回はブログでの解説も新しいポリシーの発表もなく、「通常のスパムアップデート」とだけ伝えられたと報じています。つまり新しいルールができたのではなく、すでにあるスパムポリシーに沿った判定の仕組みが強化された、と受け取るのが自然です。
期間が長いと原因の切り分けが難しくなる
配信が2週間続くということは、その間に起きたアクセスの増減が、今回の更新によるものなのか、季節要因やほかの変動によるものなのかを見分けにくい期間が長くなる、ということでもあります。PPC Landによると、正式な発表の前、9月22日ごろから順位計測ツール各社で大きめの変動が観測されていたそうです。発表前の揺れと更新そのものの影響が混ざるため、なおさら判断が難しくなります。
サイトを運用している側としては、この期間にSearch Consoleの数字が動いても、すぐにページを大きく書き換えるのは避けたいところです。配信の完了が告知されてから、期間を区切って前後を比べるほうが落ち着いて判断できます。日々の変化は記録しておき、完了後にまとめて見る、くらいの距離感がちょうどよいと思います。
中小企業のサイトで見直しておきたい点
スパムアップデートは基本的に、Googleが公開しているスパムポリシーに反するサイトの評価を下げるためのものです。ポリシーの文書には、クローキング、隠しテキスト、キーワードの詰め込み、リンクスパムなど、昔からある手法が並んでいます。普通に運営している会社サイトであれば、過度に心配する必要はありません。そのうえで、制作の現場で実際に見かけやすいものをいくつか挙げておきます。
地域ごとのほぼ同じページ
ポリシーでは、特定の地域や都市を狙った複数のドメインやページを作り、最終的にひとつのページへ誘導するやり方を「ドアウェイの悪用」の例として挙げています。対応エリアを示すために市町村ごとのページを作ること自体は珍しくありませんが、地名だけを差し替えた中身の薄いページが並んでいる場合は、統合するか、地域ごとに固有の情報を足すほうが安全です。
知らないうちに増えているページ
ハッキングによって追加されたコンテンツもポリシーの対象です。文書では、既存ページへの不正なコード埋め込みや、身に覚えのないページの追加、検索結果から来た人だけを別サイトへ転送する細工などが例として説明されています。更新が止まったWordPressサイトで、管理者が気づかないまま怪しいページが量産されているケースは今も見かけます。Search Consoleのページ数が急に増えていないか、サイト名で検索して見覚えのないタイトルが出てこないかを、この機会に確かめておくとよいでしょう。
戻るボタンを妨げる仕組み
ブラウザの履歴を操作して、利用者が戻るボタンで元のページに戻れないようにする行為も、ポリシーに明記されています。自社で意図して作ることはまずないはずですが、外部の広告タグやポップアップ系のスクリプトがこうした動きをしていないかは、一度実機で確かめておく価値があります。
ポリシーの文書によると、違反と判断されたサイトは順位が下がるか、検索結果に表示されなくなる場合があります。一方でSearch Engine Journalは、改善を行えば、Googleの自動判定がポリシーに沿っていると数か月かけて学習することで回復につながりうる、というGoogleの説明を紹介しています。慌てて何かを足すよりも、ふだんのサイトの状態を点検する機会として、配信の完了を待ちながら見直してみてはいかがでしょうか。













