Mozillaが、Firefoxのリリース間隔を4週間ごとから2週間ごとへ短縮すると発表した。エンジニアリング担当のSylvestre Ledru氏が開発者向けメーリングリストで明らかにしたもので、8月18日公開予定のFirefox 154が4週間サイクル最後のバージョンになる。以降は9月1日のFirefox 155を皮切りに、9月15日、9月29日と隔週で番号が進んでいく予定だという。対象はデスクトップ版とAndroid版で、リリース履歴の並び方もこれまでとは違って見えるようになる。
狙いは、できあがった機能を待たせずに届けることと、リリース計画を読みやすくすることだとされている。締め切り直前に作業が集中する状況を和らげたい、という説明も添えられている。ただしMozillaは、開発の速度を倍にするという意味ではないと補足しており、熟していない機能は無理に載せず時間をかける方針は変えないという。今回の変更もあくまで試験的な位置づけで、品質や開発者の負荷への影響を見たうえで、恒久化するかどうかを判断するとしている。
Firefoxのリリース間隔は、かつての6週間から4週間へ一度短縮された経緯がある。今回はそこからさらに半分になる計算で、バージョン番号が大きな節目を意味しなくなる流れは、ChromeやEdgeが先に通ってきた道でもある。受け止めは一様ではなく、更新の回数が増えれば不具合に当たる機会も増えるのではないか、二倍の頻度で安定版を出しきる体制があるのか、といった声も出ている。Mozilla自身が試験的と断っているのは、そのあたりを含めて見極めたいという姿勢の表れだろう。リリースの回数が増えるということは、後戻りの判断も細かく打てるということでもあり、どちらに転ぶかは実際に走らせてみないと見えてこない部分が大きい。
制作の現場から見た影響
実務で効いてくるのは、対応ブラウザをバージョン番号で語りにくくなることだと思う。要件定義書や見積書に特定の番号を書き込む運用は以前から実態と合わなくなっていたが、隔週更新が加わると、番号を追いかける意味はさらに薄れる。使いたい機能が主要なブラウザに出そろっているかどうかで判断するほうが現実的で、この見方はすでに定着しつつある。中小企業のサイトのように長く運用する案件ほど、番号ではなく機能の足並みで線を引いておくと、あとから説明もしやすい。
企業内で使われるESR(延長サポート版)は今回の変更の対象外で、これまで通りのゆっくりした間隔が保たれる。社内システムの動作確認を抱えている現場では、ここが動かない点は押さえておきたいところだ。一方、一般の利用者に向けては、修正が手元へ届くまでの待ち時間が縮むことになる。不具合の報告を受けてから直りが行き渡るまでの見通しが立てやすくなるなら、サイトを預かる側にとっても悪い話ではない。表示崩れの相談を受けたときに、環境側の更新でいずれ解消するのか、こちらで手を入れるべきなのかを切り分ける時間も、少しずつ短くなっていくはずだ。













