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ChromeとFirefoxの更新間隔が秋から短くなる

ブラウザの新しい版が届く間隔が、この秋から短くなる。GoogleはChromeの安定版を4週間ごとに出してきたが、9月から2週間ごとに切り替える。ほぼ同じ時期に、MozillaもFirefoxで同じ方向の変更を試す。新機能が増えるという話とは少し性格が違って、これはサイトを作って納品したあとの面倒の見方、つまり段取りのほうに関わる変更だと思う。

Chromeは九月から二週間ごとに

Chrome for Developersの告知によると、新しい間隔での最初の安定版はChrome 153で、公開は2026年9月8日。ベータ版は各安定版の3週間前に出る。対象はデスクトップに限らずAndroidとiOSも含まれ、すべてのプラットフォームで同じ間隔になる。

変わらない部分もある。企業の管理者や、Chromiumを自社製品に組み込んで使う側に向けたExtended Stableは、これまでどおり8週間ごとのまま。DevとCanaryにも変更はない。更新の回数が増える代わりに、1回あたりに入る変更の幅は小さくなる。Googleはその点を、利用者への影響を抑えられて、公開後に問題を追いかけるときも切り分けがしやすくなる理由として挙げている。

切り替えの前後では、開発の締め切りにあたるブランチの日程も前倒しになる。告知には移行期の日程表が添えられていて、どの版がいつ枝分かれしていつ公開されるかが並べてある。個別の機能がどの版に入る予定かを追いたい場合は、Chromiumのダッシュボードや Chrome Status のロードマップで日付を確認できる。

Firefoxも同じ時期に間隔を詰める

Mozillaの開発者向けメーリングリストでは、Sylvestre Ledru氏が、Firefoxのデスクトップ版とAndroid版を9月から4週間間隔ではなく2週間間隔にすると告知している。最初の対象はFirefox 155で、公開予定は9月1日。これまでの日程なら出せなかったタイミングだ。

ただしMozillaはこれを実験と位置づけている。恒久的な変更と決め打ちせず、実際に走らせてみた結果を見ながら必要に応じて調整するという書き方をしている。開発者に倍の速さで働くことを求めるものではなく、準備できていない仕事を急がせるつもりもない、機能は必要なだけ時間をかけてよい、という説明も添えられている。頻度を上げる狙いは、出せる状態になったものが利用者に届くまでの待ち時間を減らすところにある。

四週間ごとで出る最後のChrome 152

現行の間隔で出る最後の版がChrome 152になる。ベータの告知を見ると、CSS側では音声や動画の状態に応じて見た目を変えられる擬似クラスが増えている。再生中や一時停止中、読み込み待ち、消音といった状態を :playing:paused のような形で書き分けられる。自前の再生ボタンを作るときに、状態の受け渡しをJavaScriptで持たずに済む場面がありそうだ。

ほかにも、既存の色を参照して透明度だけを変えられる相対的な指定や、入力欄の自動修正の効き方を制御する autocorrect 属性が入る。どれも派手な機能ではないが、実務でよく書いていた小さな回り道を減らす種類の変更が並んでいる。こうした細かい追加が、これからは半分の間隔で積み上がっていくことになる。

保守の段取りをどこで区切るか

頻度が上がって困るのは、たいてい機能そのものではなく、こちら側の段取りのほうだ。よくあるのが、保守の説明や見積書に「最新版のChromeとFirefoxで表示確認」と書いてあるだけで、いつ確認するかは決めていないというケース。間隔が半分になると、確認の回数を増やすのか、こちらで区切りを決めてまとめて棚卸しするのかを先に決めておかないと、追いつけていない感覚だけが残ってしまう。

現実的なのは、毎回は追いかけないと割り切ることだと思う。ベータ版で先に触れる期間は変わらず用意されているので、自分たちが関わるサイトで実際に使っている仕組みに関係する変更だけを拾い、それ以外は通常の保守の周期でまとめて見る。手の数が限られている小規模な制作現場ほど、この線引きを最初にしておく効果は大きい。

頻度が上がることには直接の利点もある。修正が手元に届くまでの待ち時間が短くなることだ。深刻な脆弱性の修正を定期便とは別に配る仕組みは以前からあるが、通常の不具合や表示の食い違いも、これまでより早く解消されるようになる。閲覧する側の環境が新しくなる速度が上がるという意味では、作る側にとって悪い話ではない。

もうひとつ、版番号を条件にした分岐や、対応範囲を版番号で書いた文書は、これから急速に古びていく。番号ではなく、その機能が使えるかどうかで判断する書き方に寄せておいたほうが、あとで書き換える手間は少なくて済む。ブラウザ側が速く動くようになるほど、こちら側は番号から距離を置いたほうが楽になる。

[1994-2002]
ITベンチャーの幹部として、8年間で数名の企業を500名以上の企業に成長させることに貢献。95年より独学でwebデザインを学ぶ。

[2002-2023]
米国法人のwebデザイン会社のCEOを務め数々の賞を受賞。

[2023〜]
AI事業開始に伴い、つくば市を拠点として株式会社RESONIXを起業。