今回は以下のような構成でお話しさせていただきます。
1. AIが注目される理由と、結局どこのAIが一番いいのか?という質問
2. 考察の対象:大規模言語モデル(LLM)の企業
3. 覇権に必要な要素:お金とプラットフォーム
4. 次世代のキー:AIエージェントとOSの重要性
5. 各企業の詳細分析
6. 最終的な結論
7. おまけ「人間はAIを使いこなすことが出来るのか?」
の7構成になります。
1. AIが注目される理由と、結局どこのAIが一番いいのか?という質問
AIがなぜ、ここまで注目されるのか。
理由は簡単で、現在ビジネス業界で最もお金と優秀な人材が流れているからです。
このゴールドラッシュはこれから数年止まることはないでしょう。
職業柄「結局どこのAIが一番いいの?」
と、質問を受けることが多くあります。
たぶん、YoutubeなどでAIの情報を収集している人は、同じ経験があるかと思います。
「そんなの用途や好みで変わるよ。」
これ言っちゃうと不安な人を一刀両断してるだけなので
「どこが良いかは利用者によって異なるけど
現在の情報から予測すると最終的にAIの覇権を握るのは⚪︎⚪︎だと思う。」
という答えの方が愛があるので、⚪︎⚪︎がどこになるか本気で考えてみます。
2. 考察の対象:大規模言語モデル(LLM)の企業
今回は、画像生成AIのMidjourneyや楽曲生成AIのSuno AI、動画生成AIのRunwayなどの特化型のAIは除いて
大規模言語モデルであるLLMの中で考えてみようと思います。
候補はこちら
・OpenAI(ChatGPT)
・Google(Gemini)
・Anthropic(Claude)
・Microsoft(Copilot)
・Apple(Apple Intelligence)
・Amazon(Amazon Q)
・NVIDIA(NeMo)
この7社で考えていきたいと思います。
3. 覇権に必要な要素:お金とプラットフォーム
まず、覇権を握るのに大切なのはお金です。
AIの開発や維持には莫大な費用がかかります。
7つの企業の時価総額とランキングがこちらです。
1位、NVIDIA(約3.62兆ドル)
2位、Apple(約3.43兆ドル)
3位、Microsoft(約3.14兆ドル)
4位、Amazon(約2.19兆ドル)
4位、Google(約2.19兆ドル)
6位、OpenAI(約290億ドル)※非公開企業であり、2023年の資金調達ラウンドでの評価額です。
7位、Anthropic(約40億ドル)※非公開企業であり、2023年の資金調達ラウンドでの評価額です。
そして、最も大切なのは各社どのプラットフォームを持っているかです。
NVIDIAは、GPUの世界シェア88%。(AMDが12%)
データセンター向けのGPUだと脅威の98%です。
Appleは、パソコンのOSは世界シェア14.88%、モバイルのiOSは世界シェア28.5%(日本は65.89%)
Microsoftは、Windows OSの世界シェアは73.84%、モバイルはほぼゼロです。
Amazonは、AWSのクラウドサーバーとショッピングモール。
Googleは、パソコンのChrome OSは世界シェア2.54%、モバイルOSのAndroidは世界シェア70.7%(日本は33.8%)
OpenAIとAnthropicは、SaaS(Software as a Service)のみ。
数値はよく調べたのですが、間違ってるところがあったらごめんなさい。
4. 次世代のキー:AIエージェントとOSの重要性
今後のAI覇権を握る大きなキーとなるのは、AIエージェントだと考えています。
ユーザーが質問をしたものに答えるLLMではなく、それを実行してくれるLAM(Large Action Model)です。
先日、Anthropicが発表したAIがコンピューターを操作してくれる「Computer Use」がそれにあたります。
これと同等のAIエージェントを今後OpenAI、Google、Apple、Microsoftと続けて発表してくるのは間違い無いでしょう。
その時にポイントなるのは「OS」です。
OSがどこまでの情報をAIエージェントと連携出来るかにより、優秀なAIエージェントが出来るかが決まります。
5. 各企業の詳細分析
これまでの点を踏まえて、考えてみます。
Anthropicは、確かにすごい。
今回の7社の中でも時価総額最下位ですが、真っ先にAIエージェントを発表しました。
革新的なアイデアと、小回りのきく企業規模が成し遂げた技だと思います。
ちなみにAnthropicは、元OpenAIの人間が作った企業で、メインの出資元はGoogleになります。
Open AIもすごいです。
今のAIブームが出来たのは、OpenAIのおかげでもあります。
メインの出資元はMicrosoftです。
この2社は、現在のLLMではトップ1、2とも言えますが、LAMの時代にはOSのプラットフォームを持っていないので、覇権を取るのは難しく思います。
アメリカの法案上、簡単にAnthropicがGoogleに買収されたり、OpenAIがMicrosoftに買収されることはないと思いますが、現在のOSをひっくり返すほどの革新的な技術が開発されない限りは、技術提供をする代わりに資本提供の関係は変わらないのではと思います。
ワンチャン感じるのは、OpenAIのサム・アルトマンと、LoveFormのジョナサン・アイブ(元アップルの最高デザイン責任者)が何らかのAI端末を開発中という噂は、とても気になってるので期待してます。
NVIDIAの世界最高の時価総額とGPUのシェア率、AmazonのAWSもすごいのですが、どんなに資本力があっても、やはりキーとなるOSのプラットフォームが無いこと。
そして、開発しているAIが、何かとコアな印象なので、色々なシーンでのバックグラウンドで活躍はすると思うのですが、覇権は厳しいかと。
そうなると残すところは
Apple、Microsoft、Googleの3社になります。
6. 最終的な結論
この3社で考えると、AIで最終的に覇権を握るのは
「Microsoft」
スマホの世界シェアは、ほぼゼロですが、とにかくビジネス面でのシェアが圧倒的です。
OSの世界シェア73.84%のWindowsと、Office 365クラウド、Azureクラウドによる各企業むけサービスとの連携。
これらのプラットフォームを押さえるMicrosoftは、やっぱり強い。
スマホで完結出来てるのは、個人の領域で、ビジネスとなるとパソコンはまだまだ不可欠になります。
Googleのスマホのシェア率はすごいですが、パソコンが弱すぎる。
Google workspaceとGeminiの連携で色々便利にはなると思います。
世界トップの検索エンジンと動画配信であるYoutubeを持っているので、学習データを持ってるところとしては一番強いのですが、今後は事前学習モデルより、推論能力が評価されるので、覇権までは難しいと思います。
Appleは唯一、パソコンとモバイルの両方を持っていますが、世界シェアが低すぎます。
何よりスティーブ・ジョブスがもういない。
Apple Intelligenceも触りましたが、安定性が売りのAppleで、かなり不安定な印象でした。
サードパーティーで存在した技術を標準で取り込んでドヤ顔していた頃から陰りは感じていましたが、Appleユーザーとして個人的にはとても残念です。
MicrosoftのAIが一番優れているというお話ではありません。
今の軌道上で考えれば、覇権を握るのは多分Microsoftです。
というお話です。
覇権といっても一社独占といったことは起きないでしょう。
全体のシェアの50%をMicrosoft、GoogleとAppleが20%ずつ、その他が10%くらいの感じと予測します。
結局、またお前かっ!
って感じでもありますが、全てを打ち壊す技術的特異点が起きるのを期待もしております。
クラウドPCとスマートグラスの連携を開発する企業があれば、一社独占の可能性はあると思います。
7. おまけ「人間はAIを使いこなすことが出来るのか?」
そして、最後によくある質問のおまけです。
「人間はAIを使いこなすことが出来るのか?」
という質問。これもよく受けます。
この「使いこなす」には、言う人によって、意味が変わっている場合があります。
「使いこなす=最大限に活用する」
この意味であれば、多くの人が使いこなせないでしょう。
例えば、今や誰しもが持っているスマホ。
これ、アポロが月に行った時のスーパーコンピューター以上の性能があります。
しかし、多くの人はチャットしてSNS見てるくらいの利用で、ただの高級暇つぶしマシーンに成り下がりました。
使いこなしているとは到底言えないでしょう。
「使いこなす=安全なのか?人間に害は無いのか?」
この意味でいう人もいます。
AIに完全な安全は正直難しいと思います。しかし開発各社安全にはとにかく力を入れていきます。
スマホだって安全じゃ無いです。
カメラもマイクもリモートでオンに出来ますし、SNSの危険もあります。
しかし、リスクよりメリットが大きければ人は利用し広まります。
「使いこなす=技術がわからないから不安」
この意味でいう人もいます。
気持ちはわからなくは無いですが、車だって、電子レンジだって、パソコンだって、スマホだって
技術をわかって使ってる人なんて皆無に等しいです。
便利だったら最終的に人は利用するようになります。
そして、現在はAIがバズワードになっているので、AIを使っている、AIを活用しているという認識がありますが、いずれこれが当たり前になり、AIが裏で動いていても誰も気づかない状態で、様々なサービスや商品を使うようになると思います。
皆様の賛否両論お待ちしております。
Just be hopeful
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