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【NO.110】産業革命を復習しながら、ChatGPT-5に備え

【NO.110】産業革命を復習しながら、ChatGPT-5に備える。

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先月に引き続き、ChatGPTのお話しです。

昨年12月にChatGPTのお話から始まり、中にはパソコン好きのオタクが騒いどるくらいにしか感じていなかった方もいるかと思いますが、先日ChatGPTを開発した企業であるOpenAI代表のサム・アルトマン氏が来日し、岸田首相との対談のニュースなどを目にして、ただのオタクの戯言ではない感を感じて頂けている時期かと期待しています。

この1ヶ月で、イーロン・マスク氏がAIの訓練を6ヶ月止めるように求める署名活動をしたり、イタリアがChatGPTを禁止したり、さまざまなニュースが流れました。

まず、イーロンマスクのお話しですが、ITに興味のない方だとマスク氏が反対してるんだからAIは危険なんじゃないか?と不安を感じた方もいると思います。

少しITに興味のある方だと、OpenAIはマスク氏が出資していたのに、なんで本人が反対するの?
と不思議に感じた方もいると思います。

確かに、マスク氏はOpenAIの共同設立者として出資しております。
しかし、元々は10億ドル出資する話でしたが、このままではGoogleにAI開発が負けるとマスク氏が主張し、自分が代表になることを提言しましたが断られ、仲違いになり出資も1億ドル程度で打ち切ったと言われています。

その後、マイクロソフトが10億ドルの出資をし、マイクロソフトの逆襲がすごいことになっています。

つまり、AIの訓練を6ヶ月止めるように求めたのは、今やライバルになってしまったOpenAIへの時間稼ぎなだけで、IT好きの中ではセコいことやってるなぁという感じでした。

その後、マスク氏が1万個のGPUを購入していることが発覚。
※GPUはサーバー構築に必要な頭脳部分のようなもの。

そして、こっそりとX.AIという企業を設立していることが発覚。
急展開で4月18日にはマスク氏が「TruthGPT」を発表。

後出しでTruth(真実)ってネーミングは、後出しで「元祖」って言ってるのに似てるというか、わたし的にはこういう立ち振る舞いのできる人間に恐怖を感じます。

次に、イタリアのChatGPTの禁止ですが、これは私的には英断とも愚断とも思えます。
変わらぬ素晴らしさ、変わる素晴らしさは常に同時に存在し、正解不正解はないと考えるからです。

シニョール!GDPもGPTも関係ないね、陽気に行こうぜフラッテロ♪

みたいな、ノリかは分かりませんが、意味のないGDP(国内総生産)を追いかけるより、文化を優先する思考であれば、後に大英断と評価されるかも知れません。

しかし、実際のところは文化優先の思考ではなく、個人情報保護の面からのようで、イタリアのデータ保護局は4月12日にOpenAIに対し、個人情報保護に対しての求める要件を満たせば禁止を解除すると要求。
なんで上から?と疑問が湧きます。

ミスリードのミスを認められない大人の印象が強いです。

また、産業を優先する場合は、AIの禁止は愚断となるでしょう。現在は第四次産業革命真っ只中です。
産業革命?
昔、社会で勉強したな。と思う方、ご一緒に復習しましょう。

産業革命の定義は以下の通りです。

第一次産業革命(約1760年 – 1840年)
この時期の革命は、イギリスを中心に発生しました。織機の発明や蒸気機関の登場により、繊維産業や鉄鋼業、運輸業が大きく発展しました。人々の生活や労働環境が変化し、都市化が進みました。

第二次産業革命(約1870年 – 1914年)
主にアメリカとドイツで発生しました。鉄道、電信、電気、内燃機関、化学工業の発展が特徴的です。大量生産と大量消費の時代が到来し、組織や企業の規模が拡大しました。

第三次産業革命(約1950年 – 1970年)
情報技術の発展が中心で、コンピュータやインターネット、通信技術の進化が生産性や情報の流通を変化させました。この時期は、デジタル技術や自動化技術の黎明期とされています。

第四次産業革命(21世紀初頭 – 現在)
人工知能(AI)、ロボット技術、インターネット・オブ・シングス(IoT)、ビッグデータ、バイオテクノロジー、3Dプリンティングなど、デジタル技術と物理的・生物学的技術の融合によって特徴付けられています。この革命は産業構造や社会システムを大きく変えると考えられています。

今が第四次産業革命真っ只中なのが、ご理解いただけると思います。

前回のレポートで、ChatGPTは流行りではなく、インターネットと同じか、それ以上の革命を世界に起こすと言っていたのは、この定義があるからです。

革命なんて、大袈裟だなぁと思った方もいたかと思いますが、産業革命なので革命です。

繰り返される産業革命は、新たな技術が生まれるので、当然消える技術もあります。
現在までの産業革命で、完全ではなくても消える、もしくは減少した仕事を5つずつあげてみます。

第一次産業革命
手織り工 – 機械織りによる織物生産の発展により。
手紡ぎ工 – 紡績機の普及により。
馬車の運転手 – 蒸気機関や鉄道の登場により。
船頭 – 運河や鉄道の発展により。
人力車夫 – 鉄道や蒸気船の普及により。

第二次産業革命
蒸気機関車の運転手 – 電気やディーゼル機関車の登場により。
人間の電話交換手 – 自動電話交換機の普及により。
石炭ガス製造業者 – 天然ガスや電気の普及により。
馬車製造業者 – 自動車の登場により。
製氷業者 – 冷蔵技術の発展により。

第三次産業革命
タイプライター修理技師 – コンピュータやワードプロセッサーの普及により。
テレックスオペレーター – ファックスや電子メールの普及により。
写真現像技師 – デジタル写真技術の発展により。
電話ボックスの管理者 – 携帯電話の普及により。
アナログレコード製造業者 – CDやデジタル音楽の普及により。

第四次産業革命
ビデオレンタル店員 – オンライン動画配信サービスの普及により。
銀行の窓口係 – オンラインバンキングやATMの普及により。
郵便局員 – インターネットや電子メール、宅配サービスの発展により。
製造業の労働者 – ロボットや自動化技術の発展により。
タクシー運転手 – 自動運転車やライドシェアサービスの普及により。

第四次は現在進行中なので、一般的に言われている今後の予測が入っています。

AIに仕事を奪われるという考えも一概に間違いではないですが、産業は進化すれば、必ず先細る産業はあります。これが産業の歴史であり、歴史が繰り返されているだけです。

ChatGPTが何が便利なのかわからないという方もいます。

何が便利なのかを簡単にいうと
これまでは人の知識だったものを、自分の知識に出来るということです。

これ勘違いしてる方も多いのですが、AIが考えて答えていると思っているようです。
それは間違いです。

あくまで、誰かの考えをAIがまとめてるに過ぎません。

ChatGPTのGPTとは、Generative Pre-trained Transformerの略で、
「生成可能な事前学習済み変換器」という意味です。

事前学習済み変換器ですので、この世に誰1人答えの知らない質問には当然答えられません。
元は誰か人間の知識であり、AIの知識ではありません。

また、日本政府は今のところChatGPTに制限を設ける予定はありませんと発表しています。
つまり、第四次産業革命に国として諦めずに挑むと表明している訳であります。

ChatGPTを規制している学校があるようですが、もしそのような学校にお子さんが通われていたら、将来イタリアに移住させないのであれば、転校させることを強く推奨します。

イタリアに移住もさせず、転校もさせず、第四次産業革命に挑む日本に解き放つのは無責任すぎます。

昔、京大のドイツ語の何でも持ち込み可の試験にドイツ人を持ち込んだ天才がいますが、ChatGPTを規制する学校はそういう天才を認めたくないところなのだと思います。
社会はそういう天才が生き残るんですけどね。

先日の会見で、サム・アルトマン氏はまだChatGPT-5の開発も始めていないし、予定もないと発言していますが、世界を変えようとしている人間が、そうそう簡単に本当のことをいうとはわたしは思えません。

ChatGPTを含め、今続々と発表されているAIには特徴がありまして、それが「プロンプト」です。
プロンプトを呪文とスラング語で言ったりしますが、つまり「指示」のことです。
この指示が上手く出せるか出せないかで、AIは大して役に立たなかったり、すごく役に立ったりします。

消える職業もありますが、必ず増えるのは「プロンプトエンジニア」という仕事です。
いかに的確な指示をAIに出せるかのプロになります。

今後のAI産業時代に重宝されるのは
「考えを言語化できる人」

このような人です。
これは話すということでも、文章で書けるということでも大丈夫です。
しかし、話すのが好きだったり、文章書くのが好きだったりでは意味がありません。
的確に人に伝えられるかが重要になります。

苦手な人は、ChatGPT-5が出るまでにこの部分の克服が良いかも知れません。

最後に、サム・アルトマン氏がなぜ日本に訪問したのか?
他の先進国ではなく、なぜ日本に?

ネガティブ要素でいえば、良いATMというのもあるかも知れません(笑)
ポジティブな要素だと日本は、AIに対して他国よりもズバ抜けた許容性の高さがあるからです。

なぜなら、アトムやドラえもんを生み出した日本だからと考えます。
今、日本の第一線で働いている人は、ドラえもんを読んで育ったアトムの子。

そう、あなたがいる国だからかも知れません。

Just be hopeful

Takuya Matsumoto

[1994-2002]
ITベンチャーの幹部として、8年間で数名の企業を500名以上の企業に成長させることに貢献。95年より独学でwebデザインを学ぶ。

[2002-2023]
米国法人のwebデザイン会社のCEOを務め数々の賞を受賞。

[2023〜]
AI事業開始に伴い、つくば市を拠点として株式会社RESONIXを起業。

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