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スマートグラスとの共存時代の始まり。

- メガネ業界の未来戦略 -

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グローバルにおける従来メガネ市場とスマートグラス市場の比較 (2022年実績と2030年予測)

分類
2022年市場規模
2030年予測市場規模 (年平均成長率)
従来のメガネ(フレーム・レンズ)
約1,528億ドル
約2,900億ドル(CAGR +8.4%)
スマートグラス
約12億ドル
約80億ドル(CAGR +27.1%)

この市場予測データは、米国の大手リサーチ会社が発表している数値です。
この数値を見て、みなさんはどう読みときますか?
数値は面白いもので、見る人によって感じるものが違います。

2022年の段階で100倍以上も従来のメガネとスマートグラスの市場規模が違う。
スマートグラスは脅威に至らない。

これもひとつの感じ方だと思います。

2022年では、スマートグラス市場は従来のメガネの1/127だが
2030年では、1/36まで市場は急成長する。

これもひとつの感じ方ですね。
わたしは、この表で注目したいのは、この黄色の部分です。

分類
2022年市場規模
2030年予測市場規模 (年平均成長率)
従来のメガネ(フレーム・レンズ)
約1,528億ドル
約2,900億ドル(CAGR +8.4%)
スマートグラス
約12億ドル
約80億ドル(CAGR +27.1%)

2022年の市場規模は、実際の数字なので難しくないですよね。
2030年の従来のメガネの市場規模も、数年後の人工と年齢分布はわかっていますので、さほど難しくないです。
この表で一番ヤマを張ってるのは2030年のスマートグラスの市場規模の約80億ドルです。

大手リサーチ会社の予測だから当たるはず。
これもひとつの感じ方ですね。

この市場予測が公開されたのは2023年11月です。
2023年といえば、AIが世界に認知され出した時です。

スマートグラスの市場はAIの進化に大きく左右されます。
AIの専門家でも、数年以内にAGIが来るか来ないかは50/50です。

AIの進化には注目です。

6年前のイベントで、お話しさせていただいた件

実は、6年前の2019年に恵比寿のイベントで「数年後、メガネ業界には革命が起こります。」というお話をさせていただきました。
2日間で数百名の方がお話を聞いてくださいました。
正直、皆様あまりピンと来ていなかった印象でした。

それもそうです。
まだ誰もAIを使ってないですし、あの製品も発売されてませんでしたので当然の反応だったと思います。

スマートグラス業界に狼煙をあげた商品

革命の狼煙を上げたのは、この商品。
Ray Ban Metaのスマートグラスです。
2023年10月17日に発売開始されました。

デザイン性、ブランド力、AI搭載による進化、どこをとってもピカイチな製品ですが日本ではカメラの規制が厳しい関係で、発売も使用も出来ません。

その為、日本のメガネ業界の方々は、あまりマークしていませんが、いずれ何らかの形で日本市場にも影響があると思います。

RayBan Meta公式サイト

スマートグラスのカテゴリー整理

スマートグラスは、単なるガジェットではなく、多様なニーズに応えるデバイスに進化しています。
大きくカテゴリー分けすると画像の4つに分かれます。

一番安価なもので、オープンイヤースピカーのみのスマートグラスです。
これは多彩なメーカーが既に販売しています。

次に、AIも搭載されたモデル。
Amazon Echo Framesが有名ですが、日本では販売されていません。

次がカメラ機能も付いたRayBan Metaです。
リアルタイム翻訳も出来ます。

次はAR特化型のXREALです。
手軽にプライベート映画みたいに楽しめます。
この中で唯一趣味向けの商品です。

そして、ついに2025年本命登場

今年、ついに本命の登場です。
GoogleのAndroid XRのスマートグラスです。
フルスペックで、リアルタイム翻訳もAR機能もついています。
まだ、ビジュアルは発表されていません。

RayBan Meta同様にカメラが付いていますで、最初は日本では発売は難しいと思っています。

しかし、少し経てば簡易版(カメラがないもの・ARがないもの)の発売の可能性が高いと思っています。
これが発売されたら、スマホはGoogle Pixelがおすすめです。
相当便利になると思います。

Appleもスマートグラスに参戦を表明していますが、個人的には厳しいと思っています。
理由は、AIが使い物にならないからです。

もう一点、気になってる商品はあります。
Hallidayというブンドです。

これスゴくないですか?
網膜に映写することで、ARスマートグラスの欠点をクリアしてます。
処方箋レンズに簡単に対応できる点です。
あとはリングで操作できるのもユニークですよね。
商品コンセプトはRayBan Metaの上を行く印象です。
デザイン性とブランド力ではRayBan Metaに勝てないですが、2025年3月に発売開始で日本からでも購入可能です。

ベンチャーが革命を起こすか、それとも技術が確かならGAFAMのどこかに買収されるか。
注目しています。

Halliday公式サイト

メガネ業界のスマートグラスとの共存戦略

現時点でGAFAMのような巨大テック企業とスマートグラス『本体』開発で真っ向勝負するのは難しい。

「スマートグラスの普及は、
従来のメガネ販売の脅威になるのか?」

はい、何もしなければ脅威以外の何者でもないです。
しかし、視点を変えればチャンスでもあります。

提案1:スマートグラスのレンズ交換への積極的な取り組み

現時点で、スマートグラスのレンズ交換を積極的に取り組んでいるメガネ屋さんは少ないと思います。
理由としては

  • フレームが売れないと儲からない
  • 壊したら怖いからやりたくない
  • スマートグラスがなんかムカつく

こんな感じではないでしょうか?
全部わかるんですけど、レンズ交換やった方が良いと思います。
フレーム売らないと利益が低いのもわかりますが、スマートグラスは年に1回以上購入する可能性もあるのと、感じよく対応すれば、その店で従来のメガネを買ってくれる可能性も高まります。
オフの時間では、従来のメガネの方がまだまだ強いです。

壊したら怖いのもわかります。
しかし、ここは眼鏡屋さんもスマートグラスを購入して研究することが大切だと思います。

スマートグラスがムカつく。
これもわかります。これは心の隅にしまっておいてください(笑)

提案2:「見え方を売る」という原点回帰と専門性の深化

眼鏡屋さんの強みは、モノを売るだけでなく、徹底した検眼、調整、コンサルティングという『体験』と『専門性』にあります。

この部分は、いくらAIが進化しても、大手テック企業が簡単に真似できない領域です。

提案3:レンズメーカーとのより強固な連携

眼鏡屋さんとレンズメーカーさんがより密に連携し、『最高の見え方を提供する』という共通目標に向かうことが、スマートグラス時代には不可欠です。

提案4:インバウンド需要の取り込み

「見え方を売る」を極めれば、スマートグラスのレンズ交換も、従来のメガネを作るのも、やっぱり日本がいいよねといった感じでインバウンドも上手く活かせると思っています。

外国語が話せなければ、そこはスマートグラスをかけて対応してください(笑)

最後に

スマートグラスは脅威だけといった感じではなく、メガネ業界の専門性を再認識させ、新たな価値創造を促す存在となり得えます。

技術の進化は止まりません。
特にAI分野は。

スマートグラスは、いずれ補聴器機能も搭載されます。

変化を恐れず、業界の強みを活かせば、スマートグラスとの共存時代は、メガネ業界にとって新たな飛躍のチャンスとなるはずです。

※この内容は、SANKYOSHA Quality of Life 2025(2025年4月8日)にて講演させて頂いた内容です。

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CREATE

デジタル通の一部の人が「黒船が来るぞ!」と叫んだ2000年。
Amazonの日本でのサービス開始です。

当時の反応は
「誰がネットで本買うの?」
「アマゾン? なにそれ仮面ライダー?」
そんな感じでした。

数年後、街からまず本屋が、そして玩具屋、電気屋が姿を消してきました。

たった20年で世界を変えたデジタル化を、世界的なパンデミックが更に加速化させました。

「うちの業界は、アナログだから。」
そう信じたい気持ちは分かります。
しかし、必ずデジタル化する人間が現れ、その業界を変えて行きます。

なぜなら、デジタルしか知らない世代が、もう時期社会に出てくるからです。

まだ、ギリ間に合います。
気軽に質問してください。お答えします。