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「IT導入補助金」が消えた日。国が中小企業に突きつけたAIシフトの本気度

つくば市で中小企業のIT支援をしているRESONIXです。
今年、ひとつの補助金が静かに名前を変えました。
これまで「IT導入補助金」として知られていた制度が、2026年度から「デジタル化・AI導入補助金」に改称されています。
名前が変わっただけでしょ、と思うかもしれません。でも、国が補助金の名前にわざわざ「AI」を入れてきたということの意味は、もう少し丁寧に受け取ったほうがいいと思っています。


名前を変えた理由を考えてみる

中小企業庁の説明では、「ITツールの導入にとどまらず、より踏み込んだデジタルの推進及びAIの活用が重要であることを広く周知する」ために名称を変更した、とされています。
これを翻訳すると、こういうことです。
「もうExcelをクラウドに移しましたという段階は終わり。次はAIを使って業務そのものを変えてください。国もそこにお金を出します。」
実際、2026年度からはAI機能を有するITツールの導入が審査で加点対象になっています。つまり、同じ補助金を申請しても、AIを活用したツールを導入する企業のほうが採択されやすくなるということです。


つくばの中小企業にとって何が変わるのか

正直に言えば、補助金の基本的な枠組み自体は大きく変わっていません。通常枠、インボイス枠、セキュリティ対策推進枠という構成もほぼ同じです。
変わったのは「方向性」です。
これまでは「業務用ソフトを入れて効率化しましょう」という文脈でした。それが「AIの力を借りて、人手不足という構造的な問題に対応しましょう」という文脈に切り替わった。
つくば市の中小企業にとって、これは他人事ではありません。人材確保が難しい地方の中小企業こそ、AIによる省力化の恩恵を受けやすい立場にあります。問い合わせ対応の自動化、データ入力の効率化、社内ナレッジの整理と活用。こういった領域でAIツールを導入すれば、限られた人数でも回せる業務の幅が広がります。


第1次締切は5月12日

2026年度の公募はすでに始まっています。通常枠の第1次締切は5月12日です。
申請にはIT導入支援事業者との連携が必要で、gBizIDプライムアカウントの取得にも1〜2週間かかります。つまり、今から動き始めてちょうどいいくらいのタイミングです。
注意点としては、2022年〜2025年に旧IT導入補助金の交付決定を受けた事業者が再申請する場合、賃金引き上げ計画の策定と実行が新たな要件として追加されています。過去に補助金を使ったことがある企業は、この点を確認しておく必要があります。


補助金の前に考えるべきこと

ここからは少し本音の話をします。
補助金が使えるからAIツールを導入する、という順番は実はあまりうまくいきません。日経新聞の報道でも、IT導入補助金を使って導入したシステムをほとんど活用できていないケースが少なくないことが指摘されています。
大事なのは、まず自社の業務のどこにボトルネックがあるかを見極めること。その上で、AIがそのボトルネックを解消できるかどうかを判断すること。そして、導入後に誰がどう運用するかを決めておくこと。
この順番さえ守れば、補助金は非常に有効な後押しになります。逆に言えば、ここを飛ばして「とりあえず申請」してしまうと、使われないシステムにお金をかけただけで終わるリスクがあります。


まとめ

IT導入補助金が「デジタル化・AI導入補助金」に名前を変えたことは、国が中小企業に対して「AIは特別なものではなく、これからの標準ツールです」と明確に示したシグナルです。
つくば市は研究機関が集積し、AI技術に触れる機会も多い地域です。その地の利を活かして、地元の中小企業がいち早くAI活用に踏み出す土壌はすでにあります。
まずは自社の業務を見直してみるところから。そして必要であれば、補助金という追い風を使って一歩を踏み出す。そのお手伝いが必要であれば、RESONIXにご相談ください。

RESONIXは、つくば市を拠点に22年以上にわたり中小企業のIT支援を行ってきました。社外CTOサービス「TechBridge」では、AIの導入相談から実装まで、経営者の伴走パートナーとしてサポートしています。

[1994-2002]
ITベンチャーの幹部として、8年間で数名の企業を500名以上の企業に成長させることに貢献。95年より独学でwebデザインを学ぶ。

[2002-2023]
米国法人のwebデザイン会社のCEOを務め数々の賞を受賞。

[2023〜]
AI事業開始に伴い、つくば市を拠点として株式会社RESONIXを起業。